白魔の塔
- 怪異 (278)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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炭鉱での殺人事件から幾年、物理波矢多は灯台守になっていた。海上の安全を守る要として、気の抜けない僻地での仕事に就くことで国への貢献を果たそうとする。新たな赴任先へ向かう途中の海岸で白いもやのようなものを見るが、案内の水先人は口をつぐむ。20年前の言い伝えに込められた灯台守の真相は・・・? | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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三津田作品の愛読者なら是非読むべきだ。傑作とは言わないがベスト5には入る。少なくとも「黒面の狐」よりは余程面白い。不思議なことに内容も全く似ていない。これほど毛色の違う作品が何故シリーズなのか訝しむほどだ。ただし本作を読む前に先に杉江先生の解説を読むことをお勧めする。先に解説を読むのと読まないのとでは読後感が全く違う(はず)。 しかしこの作品は何なのだろう。少なくとも本格ミステリではない。ホラーミステリとも少し違う。ロードムービーのようでもあり怪談風ドキュメンタリーのようでもありヤンデレ(ストーカー?)系恋愛物のようでもあり喜びも悲しみも幾歳月のようでもあり一つに纏めづらい。だけど面白い。新境地であろうが苦肉の策であろうがこういう訳の分からない面白さもまた良し。 | ||||
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次回作『赫衣の闇』で語られる事件(時系列的には本作の前)において、物理波矢多は「怪談好きの好青年」と出会ったらしい。 もしや、この人物は刀城言耶なのか。 本作での謎が完全に解かれていないように思えるのは、実は「九指岩」の名前が示しているように、解明されざる謎を最終的に刀城言耶が解き、刀城言耶が探偵役となる最初の事件『九つ岩石塔殺人事件』と呼ばれるようになるからだろうか。 いろいろ妄想したくなる。 本作は大阪圭吉の作品では「燈台鬼」にあたると想定していたが、どうやら別の作品らしい。 (ネタバレになる恐れがあるので書けない) 次回作『赫衣の闇』はおそらく「銀座幽霊」に該当するのではなかろうか。 そうなれば、「蒼」い第4作で物理波矢多は、炭鉱夫、灯台守に続いて、今度は国鉄の鉄道員となり、機関車の暴走を食い止めることになるのだろうか。 | ||||
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これより少し前に{碆霊の如き祀るもの }を読みましたが、本作は完成度的にやや劣るものの面白さでは引けをとらない力作でした。 前作{黒面の狐}とは真逆の方向性の作品ですね。 マイナス点としては、シチュエーションが前半分と被る後半分が物語として些か退屈させられたことでしょうか。 しかし叙述や伏線回収の上手さは流石です。 怪談に始まり怪談に終わるあたりが、読者を選ぶ作品なのかもしれません。 個人的には刀城言耶シリーズ以上に今後期待してますが、物理波矢多シリーズ・・・惜しむらくは量産不可能っぽいですし、ましてや短編集にも向いてないのがねえ(苦笑 | ||||
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エネルギー源が石炭から石油、そしてさらなる細分化が進み、インフラが整備され、効率化が劇的に進んだ現在。 ほんの数十年前まで当たり前どころか必然とされていた仕事が機械化や、そもそもの需要が無くなったためになくなってしまった仕事たち。 前回は炭鉱夫、そして今回は灯台守。 そうした記憶の彼方へ忘れ去られようとしている稼業の背景を具に調べ上げ、 実態とフォークロアを基に物語が進んでいく。 刀城シリーズと違い、仕事と民俗の部分がクローズアップされているためか、ミステリーという読み物の枠を超え 歴史書であり、民俗学であり、物語であり、怪談でもあり、都市伝説(特にヒトコワ)でもある、という、多彩な個性とじっくりと向き合いながら、ページを手繰るタイプのシリーズになっている。 謎解きという行為を、今を生きる人間として取るべき態度であり、義務であり、救いとして考える主人公の矜恃を 怪談と対峙させる構造はここでもしっかりとはまっており、やや尻切れとんぼ感のある読了感を持ちつつも、 次回作を期待させる内容だった。 | ||||
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前作『黒面の狐』が本格推理に近いのに対し、今作は怪異を前提に推理が進められたすえに怪談で終結するというものでした。ネタバレになるかとも思ったんですが他の方もおっしゃっておられるから、まあいいか。 主人公とその上司が山中や灯台で付きまとわれる「白もんこ」の描写が恐怖の肝なんでしょうが、他の三津田作品と比べるとちょい弱いかなという気がしました。 あと最後のオチ「しろもんこの正体とのその後」が語られずに終わったようですが、次巻で引っ張るのでしょうか?そうでないと中途半端な気がしないでもないです。 | ||||
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