1990年、中南米にデフォルトの波が起こり、世界経済は恐慌へと突入。

恐慌後、ソビエトのIMF加入など、世界には奇妙な動きが相次いだ。

マニキュアで窓ガラスに描いた花吹雪を残し、夜明けに下駄音を響かせアイツは部屋を出ていった。

1通の書き置きを残し、25年前に姿を消した幻の画家、リチャード、チャントリー。

罪を問われて故郷の〈拷問者組合〉から追放されたセヴェリンは、幾多の冒険をかさねたのち、スラックスの街にたどりついて、警士としての日々を送っていた。

東郷金蔵警部と二宮平七郎刑事は、稀代の盗賊S79号の手口に、とにかく首をひねるばかりなのである。

水産会社のフィリピン進出の尖兵となった越智は、現地で政治トラブルに巻きこまれ、危うく日本に舞い戻る。

ディブリー、スワボダ、ウォルター。3人は病院仲間だった。

小さな出版社を経営する紺野美也子は、ベストセラーをねらって大流行作家に近づき、その魅力で書下ろし小説を依頼する。

時代小説の醍醐味がここに凝集！ 「梅安……。あの恐ろしい男を地獄へ」。

女友達と結託して、アルバニア人の金持に食らいつこうと、二人の車を追尾していたクレメント・マンセルは、進行を邪魔する車に怒って、運転していた黒人を射殺する。

聖地メッカの西、日輪の消えゆく先―マグレブ。

聖地メッカの西、日輪の消えゆく先―マグレブ。

行方不明だった少年の事故死体が、森の奥にあるとの情報を掴んだ4人の少年たちは、「死体探し」の旅に出た。

いまや国際都市になった新宿の片隅で20年近く続いたスナックが店を畳む事になった日に、その女はやって来た。

第2次大戦後、復員してデラノ警察に職を得たサニー・バッツ。

1920年冬、ジョージア州の田舎町デラノの郊外で若者の全裸死体が発見された。

著者曰く、「最初の一冊だけで終るはずだった小説」。

紀ノ国屋文左衛門vs. 奈良屋茂左衛門。 巨万の富を得た豪商が繰り広げる、プライドをかけた闘い……。

港町N市―市長を巻きこんだ抗争から2年半が経過した。

厳しい掟にそむき、生まれ育った〈城塞〉を追放された若き拷問者セヴェリアンは、一路伝説の都市スラックスへと向かった。

「鮎川哲也さんは謎と論理の小説に優れた、ごく少数の作家の一人である。

胸を病み、ある事情から絵筆を捨てた絵描きの「私」は、結核で夫を亡くした寂しげな影をもつカフェの女給鈴子とめぐり会う。

マル・アデッタ星域会戦によって、皇帝ラインハルトはイゼルローン要塞を失陥した。「してやられたか、またしてもあの男に!」。

同僚を斬殺した主人公に討手がせまる。しかし、身を隠す暮しのうちに、人の情けと心意気があった。

裏帳簿を盗まれた酒場の店主と、女房殺害の嫌疑をかけられたセールスマン。彼らを窮境から救うべくスカダーは調査にのりだした。

女子大生の亜由美とダックスフントのドン・ファンは、素人探偵コンビ。いつしか事件にまきこまれる。

人間の再生と救済―新しい物語文学の誕生。

遥かな未来、惑星ウールスの南半球を統治する強大な〈共和国〉。

新宿角筈村に剣術道場を構える老剣客・日影一念は、臨終の床に2人の内弟子、成子雪丸と白根岩蔵を呼び寄せると、一巻の巻物を取り出し、これを自分の遺体と共に土中に埋めよと言い残して死んだ。

江戸中期の尊王論者、山県大弐と出会ったことから藩の内紛にまきこまれた二人の青年武士の、友情の破綻と和解までを描いた初期の中編「夜明けの辻」。

――殺しだよ。 傷は、柔術で言う独古(どっこ)と呼ぶ急所を抉ったあとだった……。

暗闇で彼はスクリーンを見つめていた。画面には、彼とヌード・モデルの情事が次々と映しだされていく。

愛しあう佑伍と多恵に突然の別れが訪れた。

マンション受水槽の腐乱死体と幼女誘拐。

混迷する捜査。絞りきれない犯人像。

マイアミのモーテル経営者ジョージ・モランはふと思い立ってドミニカ共和国のサント・ドミンゴに飛んだ。

ヨーロッパのハネムーンから戻った伸子は、出迎えた兄から突然、会社重役の父羽川重信に会うようにと告げられた。

殺害現場の天井に貼られた1枚のカード、ダイアモンドのジャック。

N市―。市長を巻き込んだ抗争から1年半がたった。

相ついで起った五つの難事件に立ち向う田沢軍平クンは、どんぐりまなこに分厚いめがね、早くも薄くなりかけた髪とたまりにたまったアパート代を気にしながらモッサリと登場!?しかしこの軍平クン、モデル・女医・人妻から薄幸のホステス・不良少女にまでなぜかモテモテで―人

世界各地で英国のスパイが次々に暗殺されるという事件が起った。

綾野姚子という無名でしかも故人により新作歌舞伎『大内御所花闇菱』が名優芳沢蘭右衛門の肝いりで上演された日、劇場内で、妹の曙子が姉と見まちがえた女性が、何者かに刺されるという奇妙な事件が起きた。

私は女優、小栗久美子。実際にあった18年前の事件を映画化するため、スタッフとともにこの山深い平家谷へやって来た。

ゴールデンパウム朝銀河帝国の開祖ルドルフ大帝の即位から486年宇宙歴759年、ラインハルトは19歳だった。

無人の豪邸の不思議な「窓」。新境地を開く長篇サスペンス。

その結婚、ちょっと待って!あいつの狙いは、持参金、そして保険金。

ある日、新進SF作家のきみ(栗本薫)のもとへ届けられた1通の手紙。

憧れの課長から昼食に誘われ、「我が社のために重要書類を届けてくれ」と指示された新米女子社員の恭子。

平凡な会社員・鈴井伸夫のもとに、幼なじみと称する女が現れた。

二号は一見本妻風、模範警官がギャング……。

江戸の暗黒街。昼間は実直な職人や清貧の剣客が、夜闇の中では金ずくで人を殺める殺し屋に変貌する。

名探偵にして銀ぶちめがねの極楽とんぼ伊集院大介が、奇妙な行動をとり始めた。

新設大学のテニス部員椎名燎平と彼をめぐる男友達、女友達。

大人はなんにもわかっていない、僕らがこんなに凄いってことを。パパやママの知らないお家だって持っている。

井上刑事の恋人直子の恩師井村典子が不倫。そして不倫相手のTV局員唐木が殺される。

この短編集のあちこちに、この私の風景が点在している。――著者 別れた亭主が子と消えた……。

三成は、政治の要諦は謀略だと信じているらしかった――。 知将・直江兼続の視点で描く関ケ原の深層。

〔けころ〕とよばれる娼家から身請けされ、いまは囲われ者となっているおせんと、かつてのなじみ客でゆすりの罪で島流しにあった男の母親との心のふれあいを描いた表題作。

秀吉の遺制を次々と破って我が物顔の家康に対抗するため、兼続は肝胆相照らす石田三成と、徳川方を東西挟撃の罠に引きこむ密約をかわした。

一九八二年九月、著者は戦後三十七年にして初めて“悪魔の部隊”の痕跡を辿った…。

競馬レースの最中、しかも大観衆のど真中で、1人の男が殺された!しかもこれが合図かのように、奇妙極まりない殺人事件が続発。

人間という生きものの不思議さ、運命のおそろしさ……。

愛する女・牧子のために殺人を犯して、暴力団と警察に追われる幸二。

「不作の生大根」とののしられた女は逆上して男を殺した。

顔も見知らぬ許婚同士が、十数年の愛情をつらぬきとおし、藩の奸物を討って結ばれるまでを描いた『朝顔草紙』。

青江又八郎、ふたたび脱藩! またしても用心棒稼業に身をやつす。 藤沢周平の大人気シリーズ、第二弾。

かつては外人部隊で勇名を馳せたアメリカ人クリーシィも今や五十歳目前、虚無感に陥りかけていた。

あの時あの女と添い遂げていれば……。 捨てた女を妓楼に訪ねる男の肩に、時雨が降りかかる。

田中麗奈、東山紀之主演映画『山桜』の原作を収録。

四年間の江戸詰めの間に許婚・小房の父が狂死し家族は追放されるという運命に遭った信三郎が、事件の決裁に疑問をいだいて真相をさぐり、小房と劇的に再会するまでを描いた『菊月夜』。