泥棒は詩を口ずさむ



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初公開日(参考)1981年03月
分類

長編小説

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泥棒は詩を口ずさむ (ハヤカワ・ミステリ 1369)

1981年03月31日 泥棒は詩を口ずさむ (ハヤカワ・ミステリ 1369)

しまった、ついに正体を見抜かれた―。古本屋の主人におさまった私のもとにやってきた古書蒐集家は、私が泥棒だということを知っている様子だった。なにしろ世界に1冊しかないキプリングの詩集をなにがなんでも手に入れろというのだから。高額の報酬に釣られて安請け合いはしたものの、盗んだばかりの本を何者かに奪われ、おまけに殺人事件にまで巻き込まれるはめに。ネロ・ウルフ賞受賞の泥棒バーニイ・シリーズ第3作。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

泥棒は詩を口ずさむの総合評価:8.20/10点レビュー 5件。Bランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

ローレンス・ブロックは2人いる!?

泥棒探偵バーニー・ローデンバーシリーズ3作目。
そう、3作目なのだ。
2作目は絶版ゆえにいまだに手に入っていない。そしていきなり本書ではバーニーは古書店主として真っ当な暮らしをしている風景から始まる。
2作目の時に何が起こったのか?非常に気になるではないか。

さて古書店主となったバーニー・ローデンバーの日常には本が溢れており、自然物語は本についての薀蓄なりが付いてくるのだが、これがやはり読者、特にミステリ読者には思わずニヤニヤしてしまう話が散りばめられている。

警官が現れ、「そんな本を読むよりもジョゼフ・ウォンボーやエド・マクベインの方が面白いぞ」とか、刑務所では識字率の低い者でさえ、悪党パーカーシリーズを読み漁っていたとか、ベルを2回鳴らして下さいと云われれば、郵便配達のように?と訊いてみたりと、妙にミステリ興趣をくすぐられるウィットが読んでいて非常に面白い。

古書店主になって泥棒稼業からは足を洗ったのかと思いきや、バーニーにとって泥棒はもはや習慣病のようになっているようで、今回は自分の店に現れたJ・ラドヤード・ウェルキンなる紳士からこの世に1冊しかないキプリングの自家製本を所有者の貿易商から盗み出してほしいと頼まれるところから始まる。そしてバーニーは見事盗み出し、ウェルキン氏に連絡を取って指定の場所へ赴くものの、そこで殺人に巻き込まれてしまうのが今回の事件。

さて今回バーニーが出くわす謎は主に次の4つになるだろう。

バーニーにキプリングの稀覯本の盗みを依頼したウェルキンの代わりに本を奪おうとしたマドリン・ポーロックとは何者なのか?

そしてそのマドリンを殺したのは誰なのか?

ラドヤード・ウェルキンはなぜ約束の時間に約束の場所に現れなかったのか?

バーニーの店に押し入り、キプリングの本を強盗したシーク教徒は何者なのか?

この謎の解答は実はかなり複雑。
軽妙なミステリにこのプロットはあまりにアンバランスと感じ、それが私にとってのマイナス要因となった。

さてまだ2作しか読んでいないが泥棒バーニーシリーズは一定のパターンが決まっているようだ。
盗みに入ったことがきっかけで殺人事件に巻き込まれ、無実の罪を着せられるが、数ある友人の助けを借りて軟禁生活の中で事件の真相と真犯人を推理する、というのが通例らしい。しかしそのマンネリが逆に読者の期待する方向通りに展開して飽きが来ないのだろう。

また本格ミステリとしての伏線の妙が実に魅力的だ。さりげない描写が伏線となっており、また事件解決の手がかりも実に自然に物語に溶け合って、思わずアッと気付かされる。

しかし本当にこの軽妙な読み物はマット・スカダーシリーズの作者の手による物だろうか?
ローレンス・ブロックは2人いると云われても全然驚かないぐらい作風が全く違う。本当に器用な作家だ。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

泥棒は詩を口ずさむの感想

バーニイシリーズの3作目です。
何故か古本屋を言う正業を始めているところがいいですね・・・泥棒はやめてないけど。
物語は、特別なアクションやハードボイルドはなく、予定調和のようにうまく解決するところがいいですね。いつもピンチになると必ず助けてくれるキュートな女性が出てきてくれるし(これもバーニイの人柄ゆえか?)チョイ悪だけど、なんだかんだ言いながら助けてくれるレイとか。登場人物の人間らしい暖かさを感じます。
決してほめられた仕事ではないのに、本当に憎めないバーニイ。
行きががかり上で、たまたま泥棒に入られたブリン夫妻がまたなんともいえずいいですね。
ホっとしたい時にはお勧めです。

たこやき
VQDQXTP1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.3:
(4pt)

更に磨きのかかったシリーズ第3作

主人公の泥棒がある古書収集家からある本を探してほしいと頼まれ・・・というお話。

今回も主人公がその泥棒という仕事の性質上、やっかい事に巻き込まれ・・・という展開で、あまり新味はないですが、面白く読めました。殺人事件も起りますが、あまり読後感が悪くないのも好印象でした。謎解きも絶妙で良く出来ていて感心しました。

同じ著者の人気シリーズのスカダー物も一人称は私ですが、この主人公のバーニィーとあまり似ていず、作品の雰囲気も違う所に著者の才能を感じます。

中ででてくる、稀覯本のキップリングの作品は架空の作品だそうで、読んでいる間は実在する物かと勘違いしてしまいました。

☆の数はなんとなくなので、あまり深い意味はありません。すいません。

更に磨きがかかったシリーズ第3作。機会があったらシリーズ順に是非。
泥棒は詩を口ずさむ (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:泥棒は詩を口ずさむ (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150774587
No.2:
(5pt)

かって読んだ本だったが楽しく読み終えました。

ローレンス・ブロックの泥棒バーニー・シリーズの第一作『泥棒は選べない』を、かって読んだ記憶がないので最近読み終えた。
 そのレビューで評者は、「どの作品からバーニーが古本屋を営むようになったかの経緯なども知りたくなったので、このシリーズを飛び飛びでも作順に読んでみようと思いながら泥棒バーニーが誕生した一作目を楽しく読み終えた。」と書いていた。
 2作目『泥棒はクロゼットのなか』を読んだ記憶はあったので3作目の本書『泥棒は詩を口ずさむ』を入手して読むことにした

 が、読み始めてページを繰るたびにどんどん記憶が蘇ってきて関係者全員をバーニーが自分の営む古本屋へ集めて謎解きを語り始めたところで完全に思い出してしまったのです。
 多分90年代半ばに読んだのだろうと思うが、もちろん本棚には見当たらない。
 タイトルに記憶がないものを選ぶようこれからは気をつけようと思ってしまったのです。
 まあ、再読しても楽しめたから文句は言わないことにしておこう。
 <追記>
 バーニーが古本屋を始めるたのはこの3作目からであり、その経緯も2章のところで警察官のレイが店を訪れたとところで詳しくバーニーが語っていた(読みながら思い出してきたが)。
泥棒は詩を口ずさむ (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:泥棒は詩を口ずさむ (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150774587
No.1:
(4pt)

偽善に疲れたらこっそり読む本

一番好きなのは主人公バーニイと友人キャロリンの掛け合い.
特に最後の会話は好き.
アメリカンジョークが飛び交い,軽快なテンポの会話に理解できないところもあるけれども,いい.

泥棒が探偵になる話しは結構あるが,バーニイは正義感から探偵になるわけではない(まして泥棒業も自分のスリルのため).
第一盗みをしている時点で犯罪.それをしっかりと認識している時点で他の泥棒探偵とは違う.
降りかかる火の粉を,自分の特技を使って解決する.

大胆な仕掛けも大技もない.あるのはピッキング技術と細心の注意.
話しの真相もすさまじいトリックがあるのではなく,シンプルなことが,
そんなことある?って思うほど絡み合って複雑に見えていた,見えていなかっただけ.

偽善と壮大な世界観に疲れた時に,スッと読め,人ってこんなもんだよなと楽に読める本.
この本に嘘っぽい良い人はいない.いるのは自分の欲を満たそうとする素直な人のみ.
泥棒は詩を口ずさむ (ハヤカワ・ミステリ 1369)Amazon書評・レビュー:泥棒は詩を口ずさむ (ハヤカワ・ミステリ 1369)より
4150013691



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