砕かれた街
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.50pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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ニューヨークに生まれ、マット・スカダーシリーズを中心にニューヨークを描いてきたブロックが9・11後のニューヨークを描いたのが本書。そこにはスカダーは描かれず、ニューヨークに住む人々を描いた群像劇の様相を呈している。 | ||||
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ローレンス・ブロックの14年ぶりのノンシリーズ作品。ストーリーとしては、連続殺人事件とそれにかかわりを持った人々の生き方を描いているのだが、真の主役は9.11の悲劇を経験したあとのニューヨークの街と人だろうか。登場人物がみんな、相当にエキセントリックであることが、あの悲惨な出来事が与えた絶望感の大きさと再生の難しさを物語っていると感じた。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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アメリカ屈指のハードボイルド作家、ブロックが書いたのであるから、 本書には当然のごとく『死』そして『殺し』のシーンが多々登場する。 ただ本書の中では、その殺人者でさえ歴然とした『悪』ではない。 マット・スカダーシリーズで時折描かれるような倒錯したセックスシーンもふんだんに登場するにもかかわらず、 それは『悪』に付随するものではなく、『生』に付随するものとして描かれている。 それが鼻につくまでいかないが、ところどころ、スカダーシリーズを 髣髴とさせる言い回しや価値観が出てくる場面もある。しかし読後の今残った感想は、強いて言うなら、本書は『ロマンス』の部類に入るのではないかということだ。 出版社的には『サスペンス』とあるのだが、911のテロ、その1年後に突如起こる連続殺人を背景に、 本書でブロックは、自分自身にも向けて『生』、それも『力強い生』…生きる力を描こうとしたのではないだろうか。 | ||||
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9・11NY-それこそ「八百万」の思いがニューヨーカーにはあるに違いない。僕たちはメディアを通じての、いささかエキセントリックな反応しか見聞きすることはないけれど、本人が意識していない影響や、他人が理解し得ない反応もきっとあるはずだ。スカダーやバーニイを通じて、リリカルで残酷で、時にはユーモラスなNYを描いてきたローレンス・ブロックが、この題材を放っておくはずがない。 しかし「9・11」が、どーんと居座る類の話ではない。むしろわざと描かないことで、NYの人々への深く消し去ることのできない喪失感や悲しみを表現しようとしているーさすが大御所ブロック!と言いたいところなんですが、それは決して成功しているとは言えません。登場してくるニューヨーカーはさすがに流麗な筆捌きにかかると、ヴィヴィッドに描かれはするけれど、うまく描かれれば描かれるほど「だから何なの?」と思えてきちゃうんですよね。冗長でとりとめがなく、要点もぼやけている。そしてやたら長い。ひとつひとつのエピソードを短編にして、お洒落な雑誌に載せれば、ものすごく楽しめるモノになったのじゃないのかなーと思いました。しかし!よーく考えてみると今までの彼の作品に「要点」なんてあったっけ?あの暗いスカダーものでさえ、彼の作品は「エンタテイメント」であったはず。その彼に「要点」を求めるほど、あるいはその彼があの「事件」を取り上げざるを得なかったほど、あの「事件」というのはとてつもなく大きな影を落としたんじゃないのかなーと思います。解説によれば本書は一気呵成に書き上げられたとか。そうまでして書きたかったのか、あるいはまとめ切れなかったのか。 僕は前者だと思いたい。だからもうすこし熟成させたこの「事件」に関する、彼の作品を読んでみたいのです。 | ||||
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911のあとを生きる人たちの苦悩を描いた小説ですが、数人の登場人物を軸として展開するのですが、感情移入できないのが読んでいてシンドイ感じがしました。個人的におもしろかったと思うのは、作家の新作がオークションで高値をつけていくくだりです。エージェントが活躍して、完成前に出版社が多額のアドバンスを支払ったりするのは、小説も映画などでもアメリカでは日常的ですが、そのへんの話がおもしろかったです。全体としては上手にまとまっていて、さすが文章教室やら作家になるための本などを出してるローレンス・ブロックらしく、小説のセオリーをはずさずに書けてるので損はありません。でも登場するのが金銭的には成功してる人たちばかりで陰鬱なのも皮肉なのかなぁと。私もブロックファンとしては、やっぱり暗いといわれようとも読後に哀しくなるにせよ、スカダーものの新作を待っている1人です。 | ||||
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主人公が誰だかはっきりしないんですね。画廊の女主人なのか、被疑者の小説家なのか、犯人の男なのか、元市警本部長なのか・・・、元警察官ののんだくれ探偵が出てきて一時期待しましたが瞬間的な活躍で、結局、誰に対しても感情移入ができなくて、読書の形としてはストーリーを追いかけるということになります。で、ストーリーとしては、9/11後のニューヨークで、連続殺人事件の犯人が、微妙に交錯する人間模様に絡んでくるというL.ブロックの作品ならではで、冗漫さは感じるもののなかなか面白い展開です。特に異常なセックス描写には驚きです。私としてはマットスカダーの新作を早く読みたいのですが、この本はこの本で充分楽しめました。 | ||||
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