死者との誓い



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初公開日(参考)1994年12月
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長編小説

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死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

2001年12月31日 死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

弁護士のグレン・ホルツマンがマンハッタンの路上で殺害された。その直後にホームレスの男が逮捕され、事件は公式には解決する。だが、容疑者の弟がスカダーのもとを訪れ、ほんとうに兄が殺人を犯したのか捜査を依頼してきた。ホルツマン殺害の真相を追うスカダーのまえに、被害者の意外な素顔が浮かびあがってくる…。シリーズ中、最高峰と評されるPWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)最優秀長編賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

死者との誓いの総合評価:8.31/10点レビュー 16件。Bランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(6pt)

まあまあでした

ニューヨークの風景を感じます。

わたろう
0BCEGGR4
No.2:
(7pt)

マットの誓いを我々は待っていた

『墓場への切符』から始まったいわゆる“倒錯三部作”を経たマット・スカダーシリーズも第11作目では圧倒的な悪との戦いから解放され、以前のシリーズの趣を取り戻したような様子で幕を開ける。

今回の事件はある弁護士の死の真相を探るという物。しかしその犯人はすぐに逮捕されて証拠もあるのだが、犯人の弟から事件の再調査を依頼される。

弁護士を殺害したとされる容疑者はジョージ・サデッキというヴェトナム帰還兵の精神障害者。戦争の後遺症で定職に就くことが出来ず、マットの住むクリントン地区界隈で浮浪者の如く生活している生活困窮者だ。

つまり弁護士と云う社会的地位の高い者を殺害したのは世間ではさして関心も持たれない社会の底辺生活者。この社会的弱者の無実を晴らすためにスカダーは勝ち目のない戦いに挑むのだ。

そして捜査が進むうちにこの四方八方から見て全く以て健全だと思われた被害者の弁護士グレン・ホルツマンには何か隠された謎があることが解ってくる。

小さな出版社の顧問弁護士というさほど高給な報酬を受け取っていなかった男がニューヨークの高級コンドミニアムの28階という実に長めのいい部屋をキャッシュで買い、クロゼットの中には30万ドルもの現金が隠されていた。この身分不相応な金の出処に事件の鍵をマットは嗅ぎ付ける。

このグレンが謎の大金を手に入れる秘密の真相は実に意外な物だった。

さて暗鬱な“倒錯三部作”を経た本書はそれまでのシリーズには見られなかった軽妙さがそこここに感じられる。それは前作でマットが決意したエレインと結婚を意識しているためか、どこか二人の掛け合いにそれまでにない薔薇色めいた華やかさを感じるのだ。

そして今や名バイプレイヤーとなったマットの助手TJの活躍も文体の軽妙さに一役買っていると云っていいだろう。前作『獣たちの墓』で大活躍したTJが本作でも事件の目撃者捜しという大役に大いに貢献する。

アル中探偵で警官時代の過去の事件でトラウマを抱えて1人孤独に社会の底辺で生きる人々の間を渡り歩いていたマットだが、もはや彼は一人ではなく、チームが出来上がっていたのだ。これが物語のトーンを変えているアクセントとなっているのは間違いない。

しかし本書にはどこか死の翳が付きまとう。
それはシリーズが進むにつれて確実にマットもエレインも齢を取っているからだ。

さらにマットは被害者である弁護士の妻リサとも関係を持ってしまう。それは幸せな家庭を理不尽な仕打ちで唐突に壊された未亡人に対するケアなのか、それとも恋をしてしまったのか、マット自身も解らない。
しかし時々無性に電話をし、逢いたくなる。それはエレインに対する裏切りであることを知りつつも辞められない、ミック・バルーの台詞を借りればいわゆる“男の性”なのだ。

かつては世間では取るに足らない存在に過ぎない人間の尊厳を守るために生前親しんでいた依頼人のために事件を探っていたが、今では死が全てを忘れ去ってくれるかのごとく、依頼人も固執せずに容易に依頼を真相が解らぬままで断ち切る。
時代が移ろい、人の心も移ろうのだ。

それはマットとて例外ではない。

1人ではなく、護る者が出来たマットが辿る静かな足取りながらも味わい深い物語をこの後も期待する事にしよう。


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Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

マットスカダーは、やっぱり面白い!

マットスカダーシリーズは、やっぱり面白いですね!
この本は読みやすくて、どんどん進みました。
ミステリーとしては、イマイチな面もありましたが、それよりも登場人物の会話が卓越しているので
会話だけでも楽しめます。
こういうお洒落な会話をしないといけませんね(笑)
シリーズものなので、まだ未読の方には最初から読まれることをお勧めします。
私は前後しちゃっているので、それぞれを楽しもうと思っています。

ももか
3UKDKR1P
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.13:
(4pt)

事件より人生を書く

シリーズもので、長期間つづいているので事件の推移とともに
キャラクターの人生も小説の主要なテーマとしてよく描かれて
いる。
死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
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No.12:
(5pt)

お帰りなさい

倒錯三部作も終了しお帰りなさい的な内容となっています。三部作が超暴力的に解決したのに対して今回は非常に大人しい。解決すらしてないんじゃないか。余命わずかの元恋人ジャンへの思い、死に対する考察が物語のメーン。エレインとの関係が深まるにつれスカダーのスカダーらしさが薄まっていくのがちょっぴり悲しいシリーズ11作。
死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
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No.11:
(4pt)

楽しめるハードボイルド小説ではないが・・・。

ローレンス・ブロックがPWA賞最優秀長篇賞を受賞した『死者との誓い』(1993年:邦訳版2002年)は、読んだ記憶がなかったので入手して読むことにした。
 本書でスカダーが対峙する事件そのものはありきたりなものでるが、物語の根底を覆うのは「死」という重いテーマである。
 昔の恋人の逃れようのない死を知り、煩悶するスカダー。
 謎のヤッピーが突然拳銃で殺されむかえた「死」。
 ヤッピー殺人犯とし逮捕されたが、冤罪の男が収監先でたわいない争いから殺され、理不尽にむかえた「死」。
 ブロックならではの登場人物たちと交わす会話の自然な描写など、特に本書では読ませてくれる。
 例えば、悩みを忘れるためとにかく歩くシーンで一休みするために入ったコーヒー・ショップ(イタリヤ風)で、店内に流れているBGMのクラッシックに聞き覚えがある曲であったが、なんという曲かわからない。
 ・・・・・ダブル・エスプレッソを持ってきたウェイトレスに訊いてみた。そのウェイトレスはブロンドの髪を三つ編みにし、生真面目そうな眼鏡をかけた全身黒ずくめの女で、いかにもそうゆうことを知ってそうに見えたのだ。
 「バッハだと思います」
 「ほんとに?」
 「と思いますけど」
 私はコーヒーをひとくち口にふくみ、自分のしていることを思い出し、手帳を取り出してページをめくった。そして自分にできることを整理した。<中略>
 「ボッケリーニでした」
 私は訝しげに顔を起こした。
 「バッハじゃありませんでした」と彼女は言った。「さっきはそう思ったんですけど、よく聞いていたら初めて聞く曲で、バッハらしくないので調べたんです。そうしたらボッケリー二でした」
 「いい曲だ」と私は言った。
 「ええ、そうですね」・・・・・(P324~327)
 ボッケリー二を知らない読者は、つい聞いてみたくなってしまうのではないかと思ってしまった(もちろん評者も含めてだが)。
 殺された謎の多いホルツマンについてスカダーが思いを巡らせているなんでもないようなシーンの描写である。
 が、スカダーのなんでもないような日常の一コマを違和感なく読ませてくれるのはブロックならではの手腕であろう。
 TJとの会話、恋人エレインとの会話、死にゆく元恋人ジャンとの会話、とにかく登場する人たちとの会話をこのように自然に描写できる(諧謔、警句、聖書、などなど挿入しながら)のはブロックならではである。
 本書『死者と誓い』は、読んでいて決して楽しい小説(ハードボイルドとして)ではないが、さすがブロックと感じさせる作品であったことは間違いないと思いながら読み終えた。
死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
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No.10:
(5pt)

面白いというより?

落ち着いた雰囲気、地味な主人公の何気ない、卒もない推理や行動から謎がひとつひとつ解きほぐされていく。 この小説を一級の作品にしているのはこんなところにあるのかも。
死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
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No.9:
(5pt)

酔わない酒

スカダーが酒を断って随分たつが、彼が酒から遠ざかれば遠ざかるほど、読んでいるほどに心地よい酔いを感じる。
心はリラックスしていくのに頭は明晰なまま。悪酔いなどとは無縁な、たまにあるかないかの素晴らしい酔い。
ブロックの文章が素晴らしいのか、田口俊樹の訳が絶妙なのか、英文の読めない自分には判断のしようがないが、おそらくその両方なのだろう。

ブロックには失礼かもしれないが、自分はこの作品を推理小説として読んでいない。個人的には、レイモンド・カーヴァーの作品とかと同じくくりだ。まあ楽しみ方は人それぞれということで・・・。

この作品は『八百万の死にざま』とあわせてシリーズ中の二つの峰であると感じている。賞をとっているようだから世間的な評価もいいのだろう。しかしそんなことはどうでもよくて、個人的にただただ好きなのだ。

すみません。思い入れが強すぎてレビューになってませんね。失礼しました。

死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
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