夜明けの光の中に
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ローレンス・ブロックの第3短編集。長編のみならず短編の名手であるブロック。今回もヴァラエティに富んだ作品集となっている。 | ||||
| ||||
|
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このところローレンス・ブロックを読んできたので本書『夜明けの光の中に』という短編集を読むことにしてアマゾンで購入した。 本書に掲載してある二十篇は、プレーイボーイやエラリー・クィーンズ・ミステリ・マガジンなどに掲載されたものから選んで構成されている。 評者の短いコメントを書き入れながらこの短編集を紹介したレビューを書くことにしました。 ①『夜明けの光の中に』’84年 コメント:この作品は評者が先に読んだ『償いの報酬』の中で友人のミックに語る懐旧談の中でも語られているエピソードである。 マットが妻殺しの男を無罪にした後、本当は真犯人だったことを知り憤懣やるかたなくマットが仕返しをするお話です。<星5ヶ進呈> ②『夢のクリーブランド』’89年 コメント:夢の中でも同じ時間に一人二役は出来ないという夢物語です。<星3ヶ進呈> ③『男がなさねばならぬこと』’66年 コメント:二人のやる気満々?の刑事のコミカルな会話と粋な計らいで結末を迎えるお話です。<星4ヶ進呈> ④『名前はソルジャー』’90年 コメント:温厚そうな外見でも、プロの殺し屋は決して依頼者を裏切らないというお話です。<星4ヶ進呈> ⑤『魂の治療法』’83年 コメント:オオカミ少年じゃ~なかった、オオカミ中年がオオカミに喰われることなく長年の夢を果たすというお話です。<星3ヶ進呈> ⑥『エイレングラフの選択』’83年 コメント:弁護料の高い弁護士は、裏稼業もこなしてまで依頼者を無罪に導くというお話です。<星3ヶ進呈> ⑦『胡桃の木』書下ろし/訳し下し コメント:日本では桜の木の下ですが、アメリカの片田舎では胡桃の木の下という怖いお話です。<星4ヶ進呈> ⑧『泥棒はプレスリーを訪問する』’90年 コメント:メンフィスはプレスリー記念館「グレースランド」の難攻不落のプレスリーの寝室へ侵入する泥棒バーニーは盗(撮)るのは写真だけ。 バーニーの奇知で依頼された仕事を完璧に終えるというお話です。<星5ヶ進呈> ⑨『交歓の報酬』’88年 コメント:銀行強盗も警察官も海外旅行はするのだろうし、アバチュールも楽しむだろうというお話です。<星3ヶ進呈> ⑩『死にたがった男』’73年 コメント:油断してると自殺と見せかけて殺されるという怖いお話です。<星4ヶ進呈> ⑪『慈悲深い死の天使』’93年 コメント:慈悲深く不思議な能力の持った女性を、無報酬で手助けするマット・スカダーとしては毛色の変わったお話です。<星3ヶ進呈> ⑫『タルサ体験』書下ろし/訳し下し コメント:仲の良い兄弟が年に四回アメリカの旅をすることが恒例となっている。旅の最大の目的は楽しみを二人で分かち合うことである。ただ訪れた街には必ず若い女性の死体が残されるという恐ろしいお話です。<星3ヶ進呈> ⑬『いつかテディ・ベアを』’訳し下し コメント:不眠症で幼児趣味から抜け出せない男女が同じ趣味だと知り合ってめでたく奇妙なカップル誕生というお話です。<星2ヶ進呈> ⑭『思い出のかけら』’91年 コメント:ありそうで、ありえないようで、ありそうな怖いお話です。恐怖の報酬は小指一本でした。<星4ヶ進呈> ⑮『ヒリアードの儀式』’92年 コメント:アフリカにはこんな不可思議な超能力の持ち主がいるのだろうか?荒唐無稽と感じたら楽しめないお話です。<星2ヶ進呈> ⑯『エイレングラフの秘薬』’84年 コメント:第6話で登場した裏稼業弁護士エイレングラフの意味深な隠し技を駆使するミステリック?な結末で終えるお話です。<星3ヶ進呈> ⑰『フロント・ガラスの虫のように』’86年 コメント:リチャード・マシスンの短編小説を、スティーヴン・スピルバーグ監督が映画化した『激突』を彷彿させる怖いお話です。このお話は、デニス・ウィーバーのようにコンボイに勝利することは決してないのです。アメリカ州間高速道路をドライブする人は読んでおきたい怖いお話ですよ!<星5ヶ進呈> ⑱『自由への一撃』’91年 コメント:拳銃を持てば勇気百倍、いずれ試し撃ちしたくなり、最後にはやはりサイコ人間となる怖いお話です。<星4ヶ進呈> ⑲『どんな気分』’93年 コメント:ペットを虐待してはならない。ゴキブリといえども虐待してはならない。「ゴキブリホイホイ」など買っていると「人間ホイホイ」で苦しむことになるかも知れない、という短いが恐ろしいお話です。<星4ヶ進呈> ⑳『バットマンを救え』’90年 コメント:本編最期を飾るマット・スカダー登場の可笑しなお話です。仕事を選ばないマットといえども、こんなみじめで、あほらしい仕事は断るだろうと読者も納得するお話でした。<星4ヶ進呈> 本書を読了してローレンス・ブロックの短編は、マット・スカダー・シリーズや泥棒バーニイ・シリーズの長編のほうが優れているように感じてしまったのです。 短編集では少し以前に読んだ『戦士たちの挽歌』のフレデリック・フォーサイスほうが評者の好みの作家であるように思いながら本書『夜明けの光の中に』を、時間をかけながらなんとか読み終えました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ロ-レンス・ブロックは大好きな作家の一人です。その中でもこの短篇集が一番かも。殺し屋ジョン・ケラーもの、オチが見事な夢のクリーブランド、不気味な弁護士のエイレングラフなど傑作ぞろいで何回読み返したか分からないくらいです。今回またまた読書虫が騒ぎ出して、Kindle版をゲットしました。これでまたいつでもどこでも読めます、ありがたいです。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 2件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|