死者の長い列



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初公開日(参考)1995年09月
分類

長編小説

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死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

2002年10月31日 死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

年に一度、秘密の会を催す男たちの集まり「三十一人の会」。はるか昔より会員の代替わりをくり返しながら、現在の顔ぶれになったのは1961年。が、それから32年後、メンバーの半数が相次いでこの世を去っていた。あまりに死亡率が高いことに不審を抱いた会員の依頼を受け、スカダーは調査を始めるが…。ニューヨークに暮らす都市生活者の孤独を描きながら、本格推理の要素を盛り込んだ傑作長篇ミステリ。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.33pt

死者の長い列の総合評価:8.93/10点レビュー 14件。Aランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(6pt)

まあまあでした

登場人物が多すぎる。

わたろう
0BCEGGR4
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

みんな格好いい!

主人公マットが格好いいのは勿論のこと、エレインもtjも作者のローレンスブロックもみんな格好いい!
最初、スカダーシリーズを読んだときは、ちょっと私にはどうかな~と思ったのですが
何冊か読み進むにつれて、もう魅力にはまってしまいました。
次はどの小説を読もうか、楽しみです。
今まで読んだスカダーシリーズの中では断トツで、会話もおしゃれだし、行動?も素敵すぎる!
翻訳も(たぶん)バッチリです!
ほかの方にも是非読んでいただきたいミステリーです。

ももか
3UKDKR1P
No.1:
(10pt)

犯人の中に自分の一部を見た

マット・スカダーシリーズ12作目の本書では「三十一人の会」というランダムに選出された男性によって構成された、年に一度集まっては一緒に食事をして、その1年の事を語り合うという実に不思議な集まりのメンバーが最近次々と殺されていると疑いを持つ会員の依頼に従って真相を探るという、本格ミステリの味わいに似た魅力的な謎で幕を開ける。

この「三十一人の会」のように他者にとっては取るに足らない目的のために集まる奇妙な会のメンバーが次々と亡くなっているという謎はエラリイ・クイーンの短編「<生き残りクラブ>の冒険」を髣髴させる。この作品は作中エレインが動機の1つとして語る「トンティン」、つまり会員で募られた出資金を最後に生き残った者が独占できるというシステムを扱った短編だが、カバー裏に書かれた梗概を呼んですぐにこの短編が思い浮かんだ。

とにかく死が溢れている。
ニューヨークには八百万の死にざまがあると述懐したのはマット=ローレンス・ブロックだったが、本書にも様々な死が登場する。恐らく今までのシリーズで最も死者の多い作品ではなかろうか?

自動車事故で家族と共に死んだ者。
ヴェトナム戦争に出兵して還らぬ人となった者。
天寿を全うした者。
倒錯的な趣味が高じて亡くなった者。
ガンや心臓発作など病死した者。
強盗と鉢合わせ、殴り殺され、妻はレイプの挙句に絞殺された者。
タクシーを運転中に撃たれて亡くなった者。
自分の店に入った強盗に撃たれた者。
仕事中に自分のオフィスのビルから飛び降りた者。

このように実に様々な死が描かれる。
『八百万の死にざま』以降、新聞の片隅に書かれた三行記事のような死がマットの口から語られ、それらのうちいくつかはどこにでもあるような死でもあり、大都会ニューヨークが侵されている社会の病に魅せられた人間によって成された残酷な所業による死もある。

そんな基調で語られる物語だから古き昔から続く秘密の会のメンバーがいつの間にか半数以下になっており、誰かが会員を殺害しているのではないかと云う魅力的な謎で始まる本書でも正直私は意外な真相は期待していなかった。

ここ数年の作品ではマットが捜査の過程で出逢い、また語らう人々から得た情報や彼の捜査と云う行為が口伝で巷間に知れ渡ることで物事が動き始め、犯人が炙り出るという、いわば社会を形成する人間の心理的行動が事件の解決にマットを導き、それによって得られる犯人は全く被害者とは縁がなく、社会の病巣によって起きてしまった事件の当事者であることが多かった。
つまりミステリの興趣である犯人捜しという謎解きの妙味よりもマットの捜査の過程を愉しむ作品という都市小説的色合いが濃かったため、本書もその流れに沿うものだと思っていた。

しかし本書にはサプライズがあった。
そして驚くべきことにその犯人はきちんとそれまでに描かれ、犯人に行き着く手掛かりはきちんと示されていたのだ。しかもそれらが実にさりげなく、大人の会話の中に溶け込んでいるのだ。これぞブロックの本格ミステリスタイルなのだと私は思わず唸ってしまった。

このような恵まれない人物が犯した犯罪を探るマットの生活は実は一方でどんどん向上していっているのだ。
エレインとの仲はさらに深まり、TJは2人にとって良き相棒に成長した。

さらに驚くべきことに前作『死者との誓い』で知り合った被害者の妻リサ・ホルツマンとの肉体関係がまだ続いていたことだ。
ジャン・キーンというマットの心の一角を占有していた女性が病で亡くなり、エレインとの結婚に向き合う節目が訪れたと思ったら、一時の気まぐれと思っていた情事をいまだに引き摺っていたのにはある意味ショックだった。
警官時代、誤って少女を撃ち殺し、自責の念を抱えてアルコールに溺れていたマットの姿はどこにいったのか?齢55になっても女性に対して欲望を抱き、エレインと云う魂で通じ合ったパートナーを得ながら、浮気を重ねるマットの姿に失望を禁じ得なかった。
冒頭にエレインとの関係が訥々と語られ、その中に同棲しながらもまだ結婚には踏み切れないでいるとの述懐にマットの心の傷の深さを読み取ったのだが、単純にリサとの関係を浮気から不倫に発展させたくないがための愚かな抵抗と勘繰っても仕方がない所業だ。

そんなマットもとうとうAAの助言者となる。事件の調査で出逢ったジェイムズ・ショーターという男をAAの集会に参加するよう誘い、断酒の相談に乗るのだ。

死体の発見者となった精神的ショックから酒に溺れ、警備員の職を辞めざるを得ない状況に追いやった彼の姿にマットはかつての自分を重ねる。ジム・フェイバーが彼を救ってくれたように、マットもまたショーターを救おうと行動を起こす。

そしてまたマットもこの事件で変わる。
前述のようにここにはもうかつての負け犬、人生の落伍者であったマットの姿はもう、ない。55歳にしてようやく彼は幸せを掴みつつあるのだ。

しかしマットとエレインとの仲睦まじいやり取りが次第に多くなるにつれ、かつての暗鬱な生活からはかけ離れていくのが少し寂しく感じてしまう。しかしこの話が9・11以前のニューヨークでの物語であることを考えると、それもまた来るべくカタストロフィの前の休息のように思えてくる。
このマットの生活の向上は物語に描かれているニューヨークの街並みの移り変わりが多くの闇が開かれ、かつてのスラムがハイソな界隈に変わっていく姿と歩調を合わせているかのようだ。それ故に9・11が及ぼすマットの生活への影響が恐ろしく感じる。本書が発表された1994年に9・11が予見されていたことがないだけに。そしてこのシリーズが9・11後の今も続いているだけに。

さて今まで無免許探偵として彼の助けを求める人々のために働いていたマットが高級娼婦を辞め、コンドミニアムの所有者でありながら、個人美術商と云う新たな事業を始めて、それもまた成功させて着々と人生を切り拓いているエレインに夫としての吊り合いを保つために、いや少しばかりの男の矜持のために探偵免許を取得しようと決意するマット。
変わりつつある彼の性格と環境に今後どのような物語が待ち受けるのか。
もはや暗鬱さだけが売りのプライヴェート・アイ小説ではなく、ニューヨークと云う巨大都市に潜む奇妙な人間を浮き彫りにする都市小説の様相を呈してきたこのシリーズの次が気になって仕方がない。
なぜならこんなサプライズと味わいをもたらしてくれたのだから。
そして恐らく彼が死者の長い列に並ぶ日はまだかなり遠いことになるのだろう。ブロックの作家生命が続く限り。


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Tetchy
WHOKS60S
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未読の方はご注意ください

No.11:
(5pt)

死刑廃止論者ってのはすげーな。

孤独が服を着て酒場を彷徨い、教会やホームレスに1ドル札をばら撒いていたスカダーが加齢のせいかエレインの調教のせいかどんどんその魅力が薄まっていく。以前のしけた事件への異常なまでのこだわり、のめり込みはもうここにはない。警官を辞めるきっかけとなった少女の話も出てこなくなって久しい。何がそうさせたのだろうか・・・を考えるために書かれた小説なのかなと思ってしまう。
死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
4576022040
No.10:
(5pt)

忘却もいいもんです

未読のスカダーシリーズを買おうと思ったらアマゾンの購入履歴が表示されました(これに何度救われたことか)。
 すべての本棚はとっくに二重置きになっていたので、捜索に手間取りましたがどうにか発見し、再読を開始しました。
 驚いたことに、こんなにおもしろい筋立てなのに、まったく記憶がよみがえりません。ミック・バルーが戦没者碑を見に行くシーンで何故本筋と関係ない雑談部分だけ、読んだ覚えが鮮明にあるのだろうと不思議に思ったくらいです。
 ここまで忘却力が進んでいるとは思いませんでしたが、考えようによっては自宅の蔵書を読み返すだけで1年間くらいは楽しめるわけで、これはこれで喜ぶべきことかもしれません。名作は2度美味しい。
死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
4576022040
No.9:
(5pt)

丁寧な描写

とても面白かったです。この面白さは本格推理云々と言うよりも、キャラクターを丁寧に描いているからだと思います。私には「八百万の死にざま」以降最も面白い作品です。
死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
4576022040
No.8:
(5pt)

粗筋は記憶していたが・・・

大昔に読んだミステリ本を、我が家の押入れの中から探し出し読むのが癖になり今回は、ローレンス・ブロックの1994年の作品マット・スカダーもの『死者の長い列』(A Long Line of Dead Men)を読むことにした。
 本書の奥付で1995年刊行された本であるから読んでからすでに18年もの時が過ぎ去っていることになる。
 が、タイトルを見たら、本書の結末までやデティールなどは記憶してはいなかったが、毎年一回だけ集会を催すという変なクラブのメンバーが不自然な死を迎えていくのに不安になった会員の一人がマット・スカダーに調査を依頼して始まることだけは記憶していた。
このクラブの歴史がキリスト誕生以前まで辿れるかも知れないなどという設定は、少々荒唐無稽に感じながらも読みはじめたのであるが、あのフリーメーソンやアメリカの有名大学にもこのようなクラブが現存していることなど思い浮かべながら、ま〜深く考えずこの物語に入りこむことにした。
 この風変わりな事件を設定した『死者の長い列』という作品を何故ブロックが書いたのか?、実はブロックは、レックス・スタウトの作品で活躍する名探偵ネロ・ウルフの大フアンであり、「贖罪連盟」なる団体のメンバーが次々に変死し、そのつど復讐を暗示する詩が届くという事件『腰抜け連盟』というスタウトの作品に触発されたのだろうと、巻末の解説で法月綸太郎氏が書いていた。
 評者が先に読んだ『泥棒は抽象画を描く』の解説で杉江松恋氏もこのことを詳しく解説していて、「もしローレンス・ブロックがDNAを引き継いでいるとすれば、ジョン・ディクスン・カ−ではなくレックス・スタウトのDNAであろう」、と書いていた。
 本書では、酒を断ったのち55歳になったスカダーは相変わらずAAに通いながら事件に対峙する姿を著者ならでの筆致で描いて読ませてくれる。
 さすがに昔読んだ本だから読み進みながら事件の進む方向も観えてきたものの記憶にないところも多くあり、たとえばスカダーの友人ミックの営むバーで、雨の降る夜長を彼と語り明かす場面などは記憶になく初めて読むような新鮮さを味わいながら読んでしまった。
 物語にあまり関係のない寄り道のような場面ではあるが、死というものについて語り合う二人の言葉の意味深さがミステリという読み物を超えたところにあり、さすがブロックならではの巧みさに感じ入ってしまったのである。
 ミックのバーで毎日二パイントのビールを飲みながら日長過ごす老人ドハティが、かってはアイルランドRICの戦士だったことを語りながら、「スキベリーンの殺し屋、エイモンド・ドハティは、バーのストゥールに坐って、時間が自分のまわりを通り過ぎてゆくのをじっと見ているわけだ。あの爺さんは、ゴールウエイ・ローズ(この老人が前に通っていて潰れたバーの名前)よりも長生きをした。いや、おれたちよりも長生きをするんじゃないか?あの小さな帽子をかぶって二パイントのビールを飲んで」彼はそう言ってウイスキーを口にふくんだ。「まさに死んだ男たちの長い列だな」とミックが語っているのが、本書のタイトルともなっていることから、評者には特に印象に残ったシーンであった。(P349〜P366)
 先に読んだ『泥棒は抽象画を描く』で登場する泥棒探偵バーニーとは180度異なるキャラクターである無免許探偵スカダーものを久しぶりに楽しませてもらった。
 

 
  
 
 

死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
4576022040
No.7:
(4pt)

スカダー もう終わりなのかな

一気に55歳に老けてしまったスカダーは、もはや今夜の宿や明日の食事の心配は無く
エイレインとの仲も堅く進展しちゃって、危険な男の魅力はどこに行ってしまったって
読者はまごついていると思う
たとえるならば、リーサルウェポンのメルギブソンもシリーズが進むにつれおとなしくなったし、
感じ的には、フィリップマーロウが最後のプレイバックでやけに変わってしまったことを連想した

推理物としては少々古臭い クラブの設定ですが、さすが面白くて最後まで飽きさせられなかったです
死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
4576022040



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