泥棒は抽象画を描く



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初公開日(参考)1984年10月
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長編小説

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泥棒は抽象画を描く (ハヤカワ・ミステリ文庫)

1998年06月30日 泥棒は抽象画を描く (ハヤカワ・ミステリ文庫)

友達のキャロリンの愛猫がさらわれた。身代金はなんと25万ドル!?あるいはモンドリアンの名画だという。身代金の払えない私たちは名画を盗もうと美術館を下見するが、そこは警備が厳重で断念。そのとき私は、豪華マンションの住人が似た図案の別のモンドリアンを所蔵しているのを思い出した。さっそく忍び込んだものの、肝心の絵は見当たらず、代りに住人の他殺体が…泥棒探偵が犯人に大胆な罠を仕掛けるシリーズ第五弾。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

泥棒は抽象画を描くの総合評価:9.50/10点レビュー 6件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

モンドリアンが多すぎる!

泥棒探偵バーニイ・ローデンバーシリーズ第5作目の本書では抽象画モンドリアンが事件の中心に据えられている。

4作目ともなるとシリーズキャラクターが定着して読者はローデンバーの住む世界に還ってきた気になり、物語にすっと入り込める。
レズで泥棒のパートナーでもあるキャロリン・カイザーを始め、前回の事件で知り合った画家のデニーズ・ラファエルソンも再登場し、端役だった前回とは違い、本書では絵画がテーマでもあって、かなり重要な役割を果たすことになる。そして腐れ縁の警察官レイ・カーシュマンももちろん健在だ。

さてそんな連中が一堂に会する本書の事件とは意外にもキャロリンから端を発する。
キャロリンの愛猫アーチーが何者かに誘拐され、バーニイはキャロリンの力になるうちにモンドリアンの絵を盗むことになる。そんな最中に巻き込まれるのがモンドリアンの絵の所有者であり、バーニイに古書の鑑定を依頼したオーダードンク氏の殺人容疑に、町の芸術家ターンクウィスト殺害の容疑だ。バーニイは実際にオーダードンク氏の住む難攻不落と云われるセキュリティ厳重のアパートメント、シャルルマーニュに、別の盗みで忍び込んだ経緯もあって、またもやバーニイは自分の真の犯罪を隠すために殺人の容疑を晴らさなければならなくなるのだ。

しかしそんな本書の事件の真相は実に複雑。蓋を開けてみれば名画を巡る贋作、また贋作が飛び交う名画詐欺の全貌が見えてくる。

そんな事件の間に飛び交うのはなんと6枚のモンドリアン。そのうち5枚は贋作で1枚が真作。その5枚はもうどこにどれが行ったのか正直完全に理解していないほど複雑に人から人へと渡っていく。
そして真作の1枚はどこへ行ったのか。それは本書を読んでのお楽しみだ。

しかしシリーズを重ねるごとに事件の構造が複雑になってきて、読者側も理解するのに最後の解決シーンではかなりの頭脳労働を強いられてくる。
それもそのはずで、本書のもう1つの楽しみは古書店主であるバーニイの特徴ゆえに随所に古典ミステリに関する薀蓄やウィットが散りばめられている。それらがクイーンだったり、カーだったりスタウトだったりと日本の本格ミステリファンにはお馴染みの名前や作品が上がってくるのだ。特に最後ではキャロリン自身がレックス・スタウトの作品みたいに“モンドリアンが多すぎる”と称するのには思わずニヤッとしてしまった。まさにこれこそが本書に相応しい題名だろう。

しかし泥棒バーニイにとって巻き込まれる事件は2件の殺人事件の冤罪とよくよく考えるとかなり重い内容となるのに、このバーニイの軽快さは一体何なのだろう。危機を危機と思わずむしろ嬉々として状況を愉しんでいるかのように思える。
事件が重なるごとに彼の状況はさらに複雑になってきているが、次回もまた泥棒の七つ道具を右手に、そしてユーモアを左手に持って我々に楽しい本格ミステリと物語を見せてくれるに違いない。


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Tetchy
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No.5:
(5pt)

久しぶりに泥棒探偵バーニイを楽しんだ。

先に読んだジェイムス・エルロイの『レクイエム』が結構面白かったので押入れの中を探したが他の作品が見つからず、表紙のデザインで思いだしたローレンス・ブロックの本書『泥棒は抽象画を描く』を手にした。
 この泥棒シリーズも何冊か読んだ記憶であるが、特に本書は、表紙カバーがピエト・モンドリアンを意識したなかなか洒落たデザインだから印象に残っていた。
 随分前に読んだ本だからデティールまでは憶えていないが、読み進むうち記憶を辿りつつ面白く読み進んだ。
 本書は、表向きはニューヨークの古書店の主だが裏稼業が本職の泥棒バーニィ・ローデンバーものの一冊である。
 物語に欠かすことのできない友人のキャロリンや嫌味な刑事レイも含め物語に登場する人たちと交わされる皮肉やユーモアある会話中に、度々出てくる警句が、聖書、ギリシャ神話、シェークスピア、詩人、などなどから引用されていることも物語のエッセンスとなり何度読んでも笑わせてくれる。
 この泥棒バーニィ・シリーズは、ローレンス・ブロックの代表作とも言われている探偵マット・スカダーもの『暗闇にひと突き』『八百万の死にざま』などとは随分と趣が異なり、著者の才能の奥深さを伺えるシリーズとなっている。
 本書『泥棒は抽象画を描く』は、猫を人質(猫質?)にとった犯人が「身代金の代わりにモンドリアンの絵(色のコンポジション)を盗んでこい!」、と脅迫するという奇妙奇天烈な内容だから「あほらし!読むのやめた!」と思う読者もいるやもしれないが、そこを読ませるのがローレンス・ブロックなのである。
 本作が傑作というほどの作品ではないと思いながらも、さすが手練れローレンス・ブロック「あほらしいけど面白い」と、何十年ぶりに楽しく『泥棒は抽象画を描く』を再読してしまいました。
 田口俊樹氏の翻訳も先に書いた警句などにも親切な脚注を入れてくれていて読みやすく、真鍋太郎氏の表紙カバーのデザインも印象的であり、なかなかの出来栄えの一冊であると評価したい。
 
 
泥棒は抽象画を描く (ハヤカワ・ポケット・ミステリ―泥棒バーニイ・シリーズ)Amazon書評・レビュー:泥棒は抽象画を描く (ハヤカワ・ポケット・ミステリ―泥棒バーニイ・シリーズ)より
415001440X
No.4:
(5pt)

読み始めると止まらない

~文句なしに楽しめた泥棒シリーズ5作目。名画をめぐり罠にかけられてしまう主人公の泥棒バーニイ。
舞台となる警備が厳重な高級アパートメントに侵入する手口は
プロらしいものもあり、笑えるものもあり。
殺人容疑をかけられながらも、ユーモアたっぷりのセリフが続き
泥棒に入った先で不意に誰かに出くわしても、ロマンティックで乗り切る。
<BR~~>バーニイの最良の友であるレズのキャロリンも相棒として板に付き始め
二人の会話も面白くて目が離せない。
泥棒なんだけどいいやつなんだよなぁ、バーニイって。~
泥棒は抽象画を描く (ハヤカワ・ポケット・ミステリ―泥棒バーニイ・シリーズ)Amazon書評・レビュー:泥棒は抽象画を描く (ハヤカワ・ポケット・ミステリ―泥棒バーニイ・シリーズ)より
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No.3:
(5pt)

読み始めると止まらない

~文句なしに楽しめた泥棒シリーズ5作目。
名画をめぐり罠にかけられてしまう主人公の泥棒バーニイ。
舞台となる警備が厳重な高級アパートメントに侵入する手口は
プロらしいものもあり、笑えるものもあり。
殺人容疑をかけられながらも、ユーモアたっぷりのセリフが続き
泥棒に入った先で不意に誰かに出くわしても、ロマンティックで乗り切る。
<BR~~>バーニイの最良の友であるレズのキャロリンも相棒として板に付き始め
二人の会話も面白くて目が離せない。
泥棒なんだけどいいやつなんだよなぁ、バーニイって。~
泥棒は抽象画を描く (ハヤカワ・ポケット・ミステリ―泥棒バーニイ・シリーズ)Amazon書評・レビュー:泥棒は抽象画を描く (ハヤカワ・ポケット・ミステリ―泥棒バーニイ・シリーズ)より
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No.2:
(5pt)

ドタバタ美術館

”泥棒バーニイ”シリーズも佳境。この作品ではバーニイの大親友でレズビアンのキャロリン、その女友達、その息子が大活躍する。
泥棒は抽象画を描く (ハヤカワ・ポケット・ミステリ―泥棒バーニイ・シリーズ)Amazon書評・レビュー:泥棒は抽象画を描く (ハヤカワ・ポケット・ミステリ―泥棒バーニイ・シリーズ)より
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No.1:
(5pt)

ドタバタ美術館

”泥棒バーニイ”シリーズも佳境。この作品ではバーニイの大親友でレズビアンのキャロリン、その女友達、その息子が大活躍する。
泥棒は抽象画を描く (ハヤカワ・ポケット・ミステリ―泥棒バーニイ・シリーズ)Amazon書評・レビュー:泥棒は抽象画を描く (ハヤカワ・ポケット・ミステリ―泥棒バーニイ・シリーズ)より
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