泥棒は選べない



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初公開日(参考)1980年04月
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長編小説

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泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ文庫)

1992年02月01日 泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ文庫)

うますぎる話には罠がある。アパートに忍び込み、小箱を盗み出すだけで5千ドルの報酬をくれるという。だが、家捜しを始めたとたん、パトロール警官の二人組に踏み込まれた。その上、寝室からは死体が見つかり、私は当然殺人犯として追われるはめに。容疑を晴らし、再びプロの泥棒としての仕事をするためにも、自分の手で事件を解決しなくてはならない。マンハッタンの泥棒探偵バーニイ・ローデンバー、小粋に文庫初登場。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

泥棒は選べないの総合評価:8.33/10点レビュー 9件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

意外と本格ミステリしてます

ローレンス・ブロックのシリーズ物は数あれど、アル中探偵マット・スカダーシリーズと泥棒バーニイ・ローデンバーシリーズこそが2大シリーズキャラクターと云えるだろう。本書は後者の第1作目だ。

まず驚くのはその軽快な筆致。とてもマット・スカダーシリーズと同じ作家が書いたとは思えないほど、軽妙でユニークだ。
特に絶妙なのは会話だ。突然話があらぬ方向に向かうバーニイと、彼を取り巻く人物たちのやり取りは洒落た漫才のようで実に面白い。しかもジョークを持ち味にするキャラクター―例えばネルソン・デミル作品のジョン・コーリー―にありがちな嫌味が全くなく、逆にバーニイの人柄の良さが滲み出てくる。

初登場作である本書でバーニイが出くわす事件とは、謎の小男からある部屋に忍び込んで革張りの小箱を盗んできてほしいという物だった。しかし仕事中になぜか巡回中の警察官が部屋に入ってき、しまいには家の主の死体がベッドに転がっていて、バーニイは危うく殺人犯にさせられそうになるという物。

バーニイの小気味良い会話はもちろんながら彼を取り巻く面々もなかなかに面白い。

まず何といってもいきなり潜伏中のバーニイの許に突如現れる美女ルース・ハイタワーことエリー・クリストファーが実にいい。
とにかく指名手配中で外出ができないバーニイの代わりに捜査を買って出て、しかも謎の依頼人探しにあらゆる方面から手を尽くして情報を手に入れる凄腕。しかし何かを隠してバーニイに協力しているところがあって、それが事件の真相に繋がっている。

またバーニイのへらず口として語られる彼の過去の失敗談や逃亡中に間借りする知り合いの俳優についての解説が巧みに事件の要素として関わってくるのは驚いた。単なるエピソードとして読み過ごしていると読者は何のことだっけ?と呆気に取られてしまうだろう。

これは謎の依頼人がハリウッド映画によく出てくる名もない脇役を務める俳優だったことも関係しているのかもしれない。
数ある映画を観ていて見過ごしがちな存在ながらも、ある人やある場面では特定の意味を持った存在となるというのは、この単なるエピソードも事件の重要な情報になり得る、つまり不要な物などはないのだということを暗示しているように私は感じた。

正直第1作目の本書は最初の導入部が実に面白かったせいもあり、途中バーニイが身動きとれずにいる辺りは中だるみを感じてしまったのは否めない。が、さりげない手がかりや伏線と云った意外に本格ミステリな趣向が凝らされており、最後の真相には感心してしまった。

陰鬱で重厚なマット・スカダーシリーズとは対極にあるような軽妙で洒脱なミステリ。この後のシリーズの展開が非常に愉しみ。
しかしなぜこれも現在絶版なのか?どうにかしてほしいものだ、早川書房。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

泥棒は選べないの感想

解説にもあった通り、軽く読み流せますが、ユーモアがってなかなか面白い作品です。
ニューヨークが舞台でありながら、あまり殺伐としたところがないのがいいですね。
バーニーは暴力は嫌いなのでもちろん銃を持つこともなく、裕福な家の鍵を開けていくらか拝借していくと言う泥棒なのですが、依頼されて侵入した家に警官が踏み込んできて、そこでいるはずのなかった家人が殺されていたことがわかって慌てて逃げるはめになり、途方にくれていると、謎の女性が色々助けてくれて真相を解明していくお話です。
脇役のレイという警察官がいいですね。
主人公は泥棒ですから、決していいことをしているわけではありませんが、なんとなく憎めないと言う雰囲気が良く出ていて楽しめます。

たこやき
VQDQXTP1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.7:
(4pt)

NYの明るさ、でも、少々、饒舌

スカダーの繋がりで読み始めたのですが、スカダーよりNYは明るく描かれていますが、少々、饒舌かもと思ってしまいました。
泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ 1348)Amazon書評・レビュー:泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ 1348)より
4150013489
No.6:
(4pt)

まだ古本屋を営んでいない泥棒バーニー。

ローレンス・ブロックの泥棒バーニー・シリーズの一作目『泥棒は選べない』(1977年)を読むことにした。
 評者は、かってこのシリーズを何作か読んだ記憶だが、この一作目を読んだ記憶がない。
 この一作目を読んではいないと気が付いたのは、読み始めて主人公のバーニーが古本屋を営んでいなかったから である。
 何作か読んだ記憶では、バーニーが古本屋を営むことを隠れ蓑にして泥棒稼業にいそしんでいたものばかりだったからです。
 評者が今まで読んだ記憶の泥棒バーニーと、本書で初登場する泥棒バーニーとは微妙に違う男であるように思えて仕方がなかったのです。
 ブロックのような書き上手な作家でも、新しいシリーズの一作目となると、主人公の性格などの人物像を手探りしながら創作して行くのだろうか?と思ってしまったのです。
 どの作品からバーニーが古本屋を営むようになったかの経緯なども知りたくなったので、このシリーズを飛び飛びでも作順に読んでみようと思いながら泥棒バーニーが誕生した一作目を楽しく読み終えたのです。
泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ 1348)Amazon書評・レビュー:泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ 1348)より
4150013489
No.5:
(5pt)

傑作

さすが、というしかない。どの「「泥棒は・・」シリーズも面白い。残念なのは、「泥棒はライ麦畑で・・」が、1万円以上して、入手困難なこと。
泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ 1348)Amazon書評・レビュー:泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ 1348)より
4150013489
No.4:
(4pt)

職人作家の職人芸が堪能できる佳作

プロの泥棒が軽い盗みを頼まれたが殺人事件に巻き込まれ・・・というお話。
はっきり言って、よくあるミステリですが、そこは職人作家の意地で最初から最後まで気持ちよく堪能できるライト・ミステリに仕上がっております。同じ著者のマット・スガダー物の様な深みはありませんが、洒落た軽み、冴えた軽みが楽しめる消閑小説として一読の価値ある作品だと思います。
上述のマット・スカダー物も同じ一人称で日本語の訳は両方とも「私」ですが、流石に職人作家らしく、両方ともそれぞれのキャラクターの違いがよく出ていてこの辺がこの著者の筆力のなせる業を感じさせます。上手い作家は何を書いても上手いと言いますが、ブロック氏ほどこの言葉が似合う作家を知りません。
更に、主人公がプロの泥棒という、現実では非常に迷惑な存在ですが、小説としては感情移入できる様に書かれていてこの辺りもプロの手腕が光ります。実際に泥棒の被害にあった方は許容出来ないとは思いますが・・・。
プロの職人作家の手腕が堪能出来るシリーズ第一作。機会があったらどうぞ。
泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ 1348)Amazon書評・レビュー:泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ 1348)より
4150013489
No.3:
(4pt)

B級映画の様な面白さ

77年のローレンスブロックの泥棒小説(?)。コソ泥が自分にかかった殺人犯の汚名を晴らすべく、隠れながら自分の為に真犯人を探すといった内容。作家としては軽い読み捨てミステリの作家の類に入るのだろうが、本書は中々面白い。警官や地方検事の汚い所などが、当たり前の様に描かれているし、女達がみな軽かったりと真面目な作家なら書かない様な軽さというかリアルさというか、お遊び的な要素が全編に渡ってあるので、どちらかというと映画的であり、登場人物も極めて少ないのだが、泥棒に悪徳警官に悪徳地方検事に都市犯罪防止協会の幹部にその好色な妻といった配役をざっと眺めただけでも、この作品が皮肉めいたコメディとなっているのは分かるのだが、ただの読み捨て小説とは言えないものを持っていると思います。このスタイルは中々珍しい。主人公達のセリフも含蓄があるとまではとても言えないが、「人間って不思議ね」という様な普段みんなが口にする様な軽いセリフを通して人間世界の矛盾ややるせなさも上手く描いていると思います。でも全然暗くなく、皆前向きなのです。主人公の前に現れ、なぜか主人公を助ける女性がいます。この女性の描き方次第でこの作家がただのお気楽作家か見極めてやろうと読んでいましたが、最後でなるほどと納得。やっぱりプロの作家は違うなと感心。ミステリ的にもどんでん返しが何度かあるので、ミステリ好きも気に入るのじゃないでしょうか。
泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150774536



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