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【ローレンス・ブロック】
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泥棒は選べないの評価:
7.50/10点 レビュー 2件。 B ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点7.50pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
意外と本格ミステリしてます
ローレンス・ブロックのシリーズ物は数あれど、アル中探偵マット・スカダーシリーズと泥棒バーニイ・ローデンバーシリーズこそが2大シリーズキャラクターと云えるだろう。本書は後者の第1作目だ。まず驚くのはその軽快な筆致。とてもマット・スカダーシリーズと同じ作家が書いたとは思えないほど、軽妙でユニークだ。特に絶妙なのは会話だ。突然話があらぬ方向に向かうバーニイと、彼を取り巻く人物たちのやり取りは洒落た漫才のようで実に面白い。しかもジョークを持ち味にするキャラクター―例えばネルソン・デミル作品のジョン・コーリー―にありがちな嫌味が全くなく、逆にバーニイの人柄の良さが滲み出てくる。初登場作である本書でバーニイが出くわす事件とは、謎の小男からある部屋に忍び込んで革張りの小箱を盗んできてほしいという物だった。しかし仕事中になぜか巡回中の警察官が部屋に入ってき、しまいには家の主の死体がベッドに転がっていて、バーニイは危うく殺人犯にさせられそうになるという物。バーニイの小気味良い会話はもちろんながら彼を取り巻く面々もなかなかに面白い。まず何といってもいきなり潜伏中のバーニイの許に突如現れる美女ルース・ハイタワーことエリー・クリストファーが実にいい。とにかく指名手配中で外出ができないバーニイの代わりに捜査を買って出て、しかも謎の依頼人探しにあらゆる方面から手を尽くして情報を手に入れる凄腕。しかし何かを隠してバーニイに協力しているところがあって、それが事件の真相に繋がっている。またバーニイのへらず口として語られる彼の過去の失敗談や逃亡中に間借りする知り合いの俳優についての解説が巧みに事件の要素として関わってくるのは驚いた。単なるエピソードとして読み過ごしていると読者は何のことだっけ?と呆気に取られてしまうだろう。これは謎の依頼人がハリウッド映画によく出てくる名もない脇役を務める俳優だったことも関係しているのかもしれない。数ある映画を観ていて見過ごしがちな存在ながらも、ある人やある場面では特定の意味を持った存在となるというのは、この単なるエピソードも事件の重要な情報になり得る、つまり不要な物などはないのだということを暗示しているように私は感じた。正直第1作目の本書は最初の導入部が実に面白かったせいもあり、途中バーニイが身動きとれずにいる辺りは中だるみを感じてしまったのは否めない。が、さりげない手がかりや伏線と云った意外に本格ミステリな趣向が凝らされており、最後の真相には感心してしまった。陰鬱で重厚なマット・スカダーシリーズとは対極にあるような軽妙で洒脱なミステリ。この後のシリーズの展開が非常に愉しみ。しかしなぜこれも現在絶版なのか?どうにかしてほしいものだ、早川書房。 ▼以下、ネタバレ感想
泥棒は選べないの感想
解説にもあった通り、軽く読み流せますが、ユーモアがってなかなか面白い作品です。ニューヨークが舞台でありながら、あまり殺伐としたところがないのがいいですね。バーニーは暴力は嫌いなのでもちろん銃を持つこともなく、裕福な家の鍵を開けていくらか拝借していくと言う泥棒なのですが、依頼されて侵入した家に警官が踏み込んできて、そこでいるはずのなかった家人が殺されていたことがわかって慌てて逃げるはめになり、途方にくれていると、謎の女性が色々助けてくれて真相を解明していくお話です。脇役のレイという警察官がいいですね。主人公は泥棒ですから、決していいことをしているわけではありませんが、なんとなく憎めないと言う雰囲気が良く出ていて楽しめます。
ローレンス・ブロックのシリーズ物は数あれど、アル中探偵マット・スカダーシリーズと泥棒バーニイ・ローデンバーシリーズこそが2大シリーズキャラクターと云えるだろう。本書は後者の第1作目だ。
まず驚くのはその軽快な筆致。とてもマット・スカダーシリーズと同じ作家が書いたとは思えないほど、軽妙でユニークだ。
特に絶妙なのは会話だ。突然話があらぬ方向に向かうバーニイと、彼を取り巻く人物たちのやり取りは洒落た漫才のようで実に面白い。しかもジョークを持ち味にするキャラクター―例えばネルソン・デミル作品のジョン・コーリー―にありがちな嫌味が全くなく、逆にバーニイの人柄の良さが滲み出てくる。
初登場作である本書でバーニイが出くわす事件とは、謎の小男からある部屋に忍び込んで革張りの小箱を盗んできてほしいという物だった。しかし仕事中になぜか巡回中の警察官が部屋に入ってき、しまいには家の主の死体がベッドに転がっていて、バーニイは危うく殺人犯にさせられそうになるという物。
バーニイの小気味良い会話はもちろんながら彼を取り巻く面々もなかなかに面白い。
まず何といってもいきなり潜伏中のバーニイの許に突如現れる美女ルース・ハイタワーことエリー・クリストファーが実にいい。
とにかく指名手配中で外出ができないバーニイの代わりに捜査を買って出て、しかも謎の依頼人探しにあらゆる方面から手を尽くして情報を手に入れる凄腕。しかし何かを隠してバーニイに協力しているところがあって、それが事件の真相に繋がっている。
またバーニイのへらず口として語られる彼の過去の失敗談や逃亡中に間借りする知り合いの俳優についての解説が巧みに事件の要素として関わってくるのは驚いた。単なるエピソードとして読み過ごしていると読者は何のことだっけ?と呆気に取られてしまうだろう。
これは謎の依頼人がハリウッド映画によく出てくる名もない脇役を務める俳優だったことも関係しているのかもしれない。
数ある映画を観ていて見過ごしがちな存在ながらも、ある人やある場面では特定の意味を持った存在となるというのは、この単なるエピソードも事件の重要な情報になり得る、つまり不要な物などはないのだということを暗示しているように私は感じた。
正直第1作目の本書は最初の導入部が実に面白かったせいもあり、途中バーニイが身動きとれずにいる辺りは中だるみを感じてしまったのは否めない。が、さりげない手がかりや伏線と云った意外に本格ミステリな趣向が凝らされており、最後の真相には感心してしまった。
陰鬱で重厚なマット・スカダーシリーズとは対極にあるような軽妙で洒脱なミステリ。この後のシリーズの展開が非常に愉しみ。
しかしなぜこれも現在絶版なのか?どうにかしてほしいものだ、早川書房。
▼以下、ネタバレ感想