殺しのリスト



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    初公開日(参考)2002年05月
    分類

    長編小説

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    殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

    2002年05月22日 殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

    殺しの依頼を受けたケラーは空港に降り立った。迎えの男が用意していたのは車とピストル、そして標的の家族写真だった。いつものように街のモーテルに部屋をとり相手の動向を探る。しかし、なにか気に入らない。いやな予感をおぼえながらも“仕事”を終えた翌朝、ケラーは奇妙な殺人事件に遭遇する…。巨匠ブロックの自由闊達な筆がますます冴えわたる傑作長篇ミステリ。 (「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    殺しのリストの総合評価:7.57/10点レビュー 7件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (7pt)

    殺し屋対殺し屋というテーマながら。

    殺し屋ケラーシリーズ2冊目の本書は長編だが、構成は連作短編のように複数の殺しの依頼について語られる。

    まずはケンタッキー州の街でごく普通の家庭を持つ男の暗殺だったが、そこでケラーは泊まったモーテルの部屋を替わった後、替わる前の部屋の宿泊客が何者かによって殺害される事件に遭遇する。

    次は彼の地元ニューヨークでの依頼で画家の殺害を頼まれるが、ケラーは画家の作品に惚れこみ、また彼の身辺を洗っても恨みを買う節がないため、依頼人が画家が手を切りたがっていることを知って、画家自身を殺して作品の値を吊上げさせようと企む画廊だと悟り、逆にそちらを殺害する。

    オハイオでの依頼はビーチで見つけたターゲットをそのまま溺死させ、日帰りで戻ってくる。

    次のボストンの依頼では浮気相手と情事を愉しもうとするターゲットを相手の女性とも殺害し、その後、カフェで昼食を採っている最中にコートと傘を盗まれてしまう。ケチがついた形で気を悪くしながらもニューヨークに戻ったケラーは新聞でターゲットの死ともう1人のコソ泥の死の記事に遭遇する。その男こそケラーの着ていたコートと傘を盗んだ男だったと確信する。

    つまりこれら一連のケラーの仕事がケラーを狙う男がいることを裏付ける要素を含んでいるという構成になっているのだ。

    そしてケラーとドットは一連の仕事の裏側に潜むある企みについて議論を巡らし、ある結論に達する。それは商売敵である殺し屋を殺して廻っている殺し屋殺しがいるのではないかという可能性だ。つまりライヴァルを消すことで自分の依頼を増やそうとしているのではないか、と。
    そしてその謎の殺し屋はロジャーという男であることまで突き止める。

    しかし物語が面白いのはここからだ。

    その後もケラーはシカゴ、ニューメキシコ州のアルバカーキ、オレンジ郡、セントルイスと依頼を受けては行くのだが、実に奇妙な顛末を迎える。

    前半はケラーを狙う殺し屋の話が1つの軸として盛り込まれていながらも、謎の殺し屋の正体がロジャーだと判明した後はまたもや連作短編のような構成に戻る。

    そしてそこで語られるサイドストーリーの面白い事。

    特にケラーが陪審員に選ばれて裁判に参加するエピソードは屈指の面白さを誇る。
    警官が盗品のビデオデッキを買ったが、それは確信的な行為だったのかと警官の有罪か無罪かを巡る裁判では次から次へ事件の関係者が現れ、実に複雑な様相を成し、当然のことながらケラーを含む陪審員の議論は右往左往する。
    正直読んでいて何が何だか分からなくなるのだが、この訳の分からなさと色んな人種の混ざった陪審員の面々が織りなすドタバタディベート劇が実に面白い。まさに“裁判は踊る”とも云わんばかりだ。

    この殺し屋を主人公としながら物語の雰囲気は飄々としており殺伐したものがない。そして殺し屋が主人公であれば当然付き纏う銃器や武器の詳しい説明なども一切ない。
    リアリティと云う面では全くそれが欠落していると思われるが、よくよく考えると今の殺し屋とは実は我々の生活に巧みに溶け込んで銃火器などを派手にぶっ放すことはないのではないだろうか?
    つまりこれほど静かに殺しが成されること自体が実はリアリティがあるのかもしれない。

    そう考えるとやはり最も特異なのはケラーが依頼される殺しの理由が不明なことだ。
    ケラーのターゲットの中には殺される理由が解らない善人が少なからずいる。しかし依頼はあり、それは遂行される。確かに来るべき大きな裁判を控えた重要な証人と云う、まさに狙われるべき理由があるもいるが、実業家や単なるサラリーマンもいる。いや後者が大半だ。そしてそれはいわゆる市井の人間でも殺しのターゲットになることを示している。
    ウィットとユーモアに物語を包みながらも、その裏側にあるのはどんな理由であれ、人を殺したいと思っている現代人の荒廃した心であることに気付くべきだろう。

    まさにローレンス・ブロックにしか書けない作品。
    それが故に最後のロジャーとの決着のつけ方が意外性に凝ったがために爽快感にかけることになったのは残念である。やはり殺し屋物は純粋にアクション物を期待してしまうのか。
    私がケラー物のテイストに馴染むのにはまだ時間が足りなかったようだ。


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    No.6:
    (5pt)

    殺し屋ケラーに殺し屋の影が…

    殺し屋"ケラー"シリーズの長篇もの。
    それにしても文章がうまいですね。
    何気ない会話やアクションがしっかり書きこまれているのでどっしりした読み応えです。
    殺し屋ケラーに、今回は逆に殺し屋の影がつきまといます。
    ケラー・シリーズはキリッとした短篇がピッタリですが、長篇もなかなか読ませます。
    殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
    4576020749
    No.5:
    (4pt)

    殺し屋の日常生活

    主人公ケラーはニューヨークに住む「殺し屋」。といっても自宅に大量の武器を隠し持っているわけでも、狙撃の名手でもない。元締めから電話がかかってくると、言われた場所に行く。武器を持って飛行機に乗れるわけもないので手ぶらで出勤する。現地でターゲットを観察して、金物屋で買った包丁や素手でやるべきことをやり報酬を受け取る。遠隔地の第三者が誰でも手に入れることのできる武器で任務を終えると、速やかにその地を離れる。通り魔を思わせる犯行は動機からも武器からもケラーにはたどり着くことができない。

     しかし殺し方が本作のテーマではない。ストーリーはケラーのライフスタイルと仕事を丹念に描写している。仕事、日常そしてアクシデント。職を持ち、日々生活しているニューヨーカーがそこにいる。ケラーの孤独で繊細なキャラクターは映画「レオン」を思わせるが、レオンより知的で洗練されており破滅的でない点がシリーズ全体を明るくしているようだ。

     本作は長編だが、その中にサイドストーリーがいくつか平行して描かれており連作短編を思わせる。サイドストーリーが丹念に描かれている分中心となるストーリーがまったりと展開していく。ストーリーを追うというより、主人公の日常生活や人となりを味わいながら読み進むといった楽しみ方がいいのではないか。
    殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
    4576020749
    No.4:
    (4pt)

    「ほどけた靴紐を結ばなきゃならない」殺し屋

    短編「殺し屋」の続編。ニューヨーク在住の殺し屋・ケラーシリーズの長編作品。前作の最後に死んだ元締めの後を継いだ内縁の妻から、相変わらず順調?に殺しの依頼は舞い込んで来る。どういう訳か、ケラーが手を下す前に標的が片付けられてしまったり、ケラー自身も片付けられそうになるケースが何度か続き、どうやら同業他者が仕事の独占を計っているのではないかと推測するが、暫くは手を拱いているしかない…。
    今作で、ケラーは「表面的な付き合い」を好む女と知り合い、その女から「あなた、人殺しの親指をしてるわね」と言われて動揺する。紹介された占いの女に会うなどプロの殺し屋とも思えないことを繰り返し、元締めの女には「あなたらしくもない、ほどけた靴紐を結ばなきゃ。」などといわれてしまったりする。
    ストーリー自体は、さして特別なものではないのだが、どこか切ない、ケラーのある種淡々とした日常が、目を惹きつける不思議な作品だ。
    殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
    4576020749
    No.3:
    (3pt)

    横綱の「勇み足」

    ミステリ界の千両役者ーローレンス・ブロックの「殺し屋ケラー・シリーズ」奇妙な味わいの短編から、今度は長編で登場。長編ながらひとつひとつのエピソードの完成度は高く、実際に短編として「切り売り」されているという。ケラーのストイックなライフ・スタイルを書き込めば書き込むほどに、彼の生業としている殺人のリアリティは希薄になっていき、その筆のスムーズさには舌を巻かざるを得ない。ただ、僕にはケラーとドットの会話に作りすぎたまどろっこしさを感じる。読み方によってはシュールなのだろうが、ちょっとイライラさせられるのも事実。でもそんな些細なことは気にならなくなるほど、のめり込むことも事実。
    「アル中・スカダー」「泥棒・バーニイ」「殺し屋・ケラー」とアウトローの揃い踏みだ。早く次回作を読みたいよぉ。
    殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
    4576020749
    No.2:
    (4pt)

    待望の長篇

    前作が「殺し屋(HITMAN)」
    今作が「殺しのリスト(HITLIST)」とタイトルから分かるように続編で長篇です。
    切手収集を趣味にもつ男の仕事に不思議な事がおこってしまう。
    自分が仕事を全うしようとすると、違う誰かが仕事を終わらせてしまう。
    何故、誰が。
    そんなミステリー。
    面白かった。
    殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
    4576020749



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