室町お伽草紙 青春!信長・謙信・信玄卍ともえ 新潮社
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室町お伽草紙 青春!信長・謙信・信玄卍ともえ 新潮社の総合評価:
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信長、謙信、信玄とタイトルにありながら結局エロい話になるのが面白いです。綺麗な信長、秀吉が見れる珍しい作品でもあります。一方謙信、信玄、光秀は扱いが悪く、その後の史実を反映しているかのようです。 | ||||
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あー、面白かった。 ちょっと、編者解説へのコメントの形で感想を書いてみよう。 <…一貫して質の高いエンターテイメントを書いてきた山田風太郎…> まさしくその通りでどれも一気に読ませてくれるし、本作もそうだ。 <…山田風太郎を取り上げた小林信彦は、「長いほどいい」として…> 短いのがつまらないというのではなくて、長い方が構成力、展開力、ペース配分といった力量が存分に出るんですよね。 <…シリアスなものと…明るいタッチのものがある。本書は、明確に後者の系列に属する。> そうなんだけど、武田信虎、玉藻の話は切なく、風太郎さんはこちらをメインに書くことも考えたのでは、と勘繰ってしまう。 <新潮文庫版で「青春!信長・謙信・信玄 卍ともえ」の副題が付され…一応、本書でもこれを踏襲した。> 卍ともえはともかく、いやあ、青春ですねー。青春感は副題には出てこない日吉丸が一番ですけど。 <…さながら忍法帖のセルフパロディ…><…この事件を踏まえたパロディである。> 本作のキーマンの一人は香具耶という名だけど、武将たちに難題が与えられるあたりはかぐや姫の物語がベースにあるんでしょう。 <…誰でも空想の世界に遊ぶことができる> 空想が少なくなってしまうかもしれないけど、アニメにしても面白いだろうなと思う、この疾走感は。 | ||||
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誰でも知っている信玄、謙信、信長が少壮の1552年を舞台として、さらに日吉丸=少年秀吉を絡める。各有名人に関する江戸時代以来の講談や読み物などで有名なエピソードを踏まえつつ、各有名人の人物像を際立たせる。有名度で劣る松永弾正は4者の引き立て役であり、さらに有名度で劣る行空=九条稙通は魅力的な人物造形が味わい深い。その上で完璧な正統派ヒロインとしてのかぐや姫を配する。娯楽作品として緻密に隙なく構築されている。本作品を読んでいて宮崎駿のアニメ映画を見ているような気持ちになった。もちろん「もののけ姫」ではなく「カリオストロの城」や「ラピュタ」あたりの屈託の少ない作品である。 しかしながら、読み終えてみれば本作品の動因であり真のヒロインは玉藻であった。香久耶姫の罪は明朗闊達・清純潔白・天真爛漫に過ぎて、自らの存在が周囲に及ぼす侵襲性にまるで無自覚なところにある。作者自身が「少しのうてんきにすぎるのではあるまいか。512p」と述べている通りだ。まさに「かぐや姫の物語」=「姫の犯した罪と罰」であった。太宰治が「かちかち山のウサギ」に向けた「処女の残酷さ」というフレーズも連想してしまった。 姫が発した害毒の一切を一身に受けて儚い生涯を閉じた玉藻こそが物語世界を「浄化」した功労者で在り、物語世界の善悪はあざなえる縄のように入り組み相互に入れ替わってしまう。一方でやはり玉藻がいたからこそ4大有名人はのほほんと結末を迎えることができた。その後の彼らの行状と末期も私たちがよく知るとおり。だからこそ本作品の結末はこうであったようにしか在り得ない。そこに切ない父子関係のやるせなさが漂ってくるところが著者の真骨頂である。多くの読者が知るように、著者の実父は村の医者としての激務の中、往診先で脳卒中となり亡くなっている。なんとなく著者の「そのような死に方をして自らを孤児としたこと」に関する実父への「怒り」とまでも行かない未分化な感情の蟠りとでもいうべき気配を、余分なことではあるが、読み取ってしまう。そこがヒロイン玉藻への読後感と相まって切ない。 | ||||
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忍法帖シリーズが極上な風太郎先生の未読作。 将軍の姫を最新鉄砲と引き換えに狙う外人商人の策に嵌まり、若き日の信長・信玄・謙信が争う中、幼い秀吉も活躍する忍法帖的な武将絵巻。 信玄の父&狐使いの妖女も暗躍し、風太郎先生得意のハチャメチャ世界が素晴らしく極上に楽しめました! 中学時代から好きな風太郎先生の知らなかった名作を読めて幸せでした! | ||||
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風太郎の室町小説河出文庫版も最後の一冊だ。たぶん山風は完読したと思う。 時は室町末期、1552年。日吉丸(秀吉)17歳、信長19歳、謙信23歳、信玄32歳。 のちに日本を揺るがす英傑たちが、自由港・堺に集結した。将軍の姉・香具耶を巡る戦いに火花を散らす。 キャラクターの年齢以外はすべてフィクションだろう。 同時代に生きた有名人たちが出会っていたらーーという架空日本史小説だ。 とにかく賑やかな作品で、アクションとユーモアが山盛りだ。登場人物が縦横に駆け巡る。痛快だ。 流血は多いが、ドタバタ喜劇の味わいに近い。有り得ない秘術や管狐なども登場する。 当時の鉄砲に関するウンチクが面白い。明るい伝奇時代小説の佳作だ。 意外性には乏しいので、星四個で。 | ||||
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