凶手
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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闇の探偵バーク・シリーズのヴァクスが、シリーズ中断中の1993年に発表した単発作品だが、作品全体のテイストはバーク・シリーズと共通している。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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特殊な設定ながら単発だから読め、無駄のなさを深く愛せた。著者の他(シリーズ)は読むまい。 | ||||
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作者である石田衣良さん本人がインタビューなので言っていることですが、 このアンドリュー・ヴァクスの『凶手』はあの『池袋ウエストゲートパーク』 の元ネタです。ネタにしているのは文体。断章スタイルでリズムはあるが硬質 でハードボーイルドな文体。このクールさを現代日本の池袋を舞台に置き換えて 書ききったのが『池袋ウエストゲートパーク』。 そんな元ネタである『凶手』はさすが元祖と言うべきか、ハードボイルド文体と 断章スタイルが上手く溶け合っていて痛快。断章スタイルはヴォネガットなどで も見られるスタイルですが、ハードボイルドでの断章スタイルはこれが初(未確認 ですが)ではないでしょうか。 しかし、残念なのは物語自体にあまり魅力がないこと。惜しい。 それで☆3つです。 | ||||
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タフガイ探偵の説教くさい欺瞞に満ちた正義や アンチヒーローの露悪趣味にうんざりしている人にはお奨め。無名の殺し屋「ゴースト」の無心でシンプルな行動原理は品格さえ感じさせる。主人公は行方不明の恋人を探すために、自らの「素手で人を殺す」特異な能力を淡々と使う。自分の利益や保身に汲々とするギャングや「高邁な」思想を語る白人至上主義者たちとの対決と「無心の勝利」はもの悲しくも痛快である。 | ||||
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名前すらない「ゴースト」と呼ばれる男。彼が刑期を終え出所後求めたのは、刑務所に入る以前、美人局をやっていた頃組んでいた元ストリッパーのシェラという名の女だった。 「アウトロー探偵バーク」シリーズが、現代社会の暗いテーマを扱っていても読めるのは、バークのファミリィの存在が大きいのだと本書を読んで感じた。血の繋がりはなくても、自分が守るべき、そして時には自分を守ってくれる存在――精神的にも、体を張っても――そんな人々がいるから、バークはたとえ「ゼロ地点」を垣間見ても、そこから堕ちては行かないのだろう。 ゴーストにはシェラ以外求める存在がない。物も、人も。それらが手に入っても彼にとっては意味のないものだから。ゴーストにとっては、「魂の双子」といえ!るシェラ以外は。この救いようのない男は、救いようのない闇の世界を放浪する。ただ一人の女を捜して。 根底に流れるテーマは「バーク」と変わらないのだろうが、こちらはより深く人の心の闇をあらわにしている。読了後、翻訳版のタイトルは優れものだと感じた(原題は「Shella」。余談だが「バーク」シリーズの作品の中にシェラらしき人物の噂話が出てくるのはご存知?)。 | ||||
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作者の本業は、弁護士だ。といっても、ドラッグディーラーや金持ちのためのそれではない。多くの場合金もなく、まともな保護者とも無縁な児童虐待の被害者のために、法廷で戦っている。そんな人物がなぜ小説を書くのか? 人は、自分の感情を揺さぶるフィクションを買い求めるが、見ず知らずの実在児童の被害には、冷淡だから。その現実を逆手に取り、ヴァクスはハードボイルドの秀作・良作を創造して、その中で児童虐待の現実を糾弾してきた。その情熱は時に作品を損ないもしてきたが、本作は違う。ヴァクスのテーマと文学性、ハードボイルドとしての押えた叙情が一体となってアメリカ文学史上に輝く、傑作に結実している。読むべし。 | ||||
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