龍を見た男
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本作は武家物が少ないですが、最後の『切腹』は読み応えがあって、気持ち良く読破できました。市井物は…う〜ん、飽きちゃうかなぁ…。 | ||||
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日常の何気ない、それこそ人によっては些末と思われることに、生活の楽しみや張りを持つ老夫婦の互いへ情愛。「弾む声」は、細やかに描き切って、読後を和まさせられる。他に「女下駄」「切腹」など、情感豊かな作品が目白押し。 | ||||
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9品の短編集で、よく言えばバラエティに富んでいる、のだけど要はばらばらなんだな。 尻切れトンボで解釈は読者に丸投げの作品もある。 自分が本作品集で一番いいと思ったのは『帰ってきた女』 人をくったようなタイトルで別にストーリーも目新しいものはない。ただ、小説としての小道具の使い方が巧い。 自分は、小説をきらめかせるのは本筋とは関係ないような「ちょっとしたこと」だと思ってる。 ストーリーは忘れたのに、なにかがざらざら引っ掛かって忘れられない小説はきっと読書好きにはあるでしょう? p.31 唖(おし)の男としゃべれる女が普通に会話をしている。女は笑っている。 ---「なんだい、ありゃあ」 ---「音さんと話してるんですよ」 ---「そんあことはわかってらあな」「音吉と話して何があんなにおもしろいのかってことさ」 ---「さあね」「でも、むかしからあんなふうだったじゃないか」 これだけでもう充分。 藤沢周平はちらほらこういう人間の不思議さを散りばめてくるから好きなんだ。 | ||||
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若い介護施設の元職員が障害のある方々を何人も殺めた、などという話を聞くと本当に胸が潰されるような思いになります。 藤沢周平は本書で、生き難い世の中をまっとうに生きる人々の姿を描いています。 『切腹』の榊甚左衛門はすでに交わりを絶った友の窮地にたった一人で助太刀に参じます。 「うわさを聞いた。加勢に来た」 「やめろ」 と助太夫は言った。助太夫の方がうろたえていた。 「手向かえば、おぬしも同罪だぞ。腹切りものだ」 「さればといって、見殺しにしては武士の一分が立たぬ」 甚左衛門はきっぱりと言うと、茫然と立っている作蔵を見た。、、、 見上げた男だったのだ、と助太夫はいまにして思う。甚左衛門はそのとき山浦郷の代官で、藩政の中枢に加わりはじめた能吏だった。その身分と命を、すでに交わりを絶っている旧友のために捨てようとしたのである。 不和なるがゆえにいっそう、見捨てては武士の一分が立たぬと、甚左衛門は思い決めたのだろう。その気持は助太夫にもわかったが、誰にも出来ることでないことも明白だった。 『弾む声』には、縁もゆかりもない売られていった幼い子供に、戸惑いながらも救いの手を差し伸べる老武士夫婦の心の機微が鮮やかに描かれています。 『帰って来た女』に登場する音吉は耳は聞こえますが、話すことができません。しかし、それだからこそ、音吉の真情が親方藤次郎の意地の下に隠れた妹おきぬへの思いやりを引っ張り出します。そして、おきぬを守るためにかなわないことを百も承知で、やくざ者に向かっていく音吉の勇気が読む者の胸を打ちます。 私は人に説教する柄ではありませんし、ましてや教育者などでもありません。しかし、こんな時世だからこそ、一冊の、一編の、藤沢周平を若い人たちが読んでくれることを願ってやみません。 | ||||
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藤沢周平は本書で、生き難い世の中をまっとうに生きる人々の姿を描いています。 『切腹』の榊甚左衛門はすでに交わりを絶った友の窮地にたった一人で助太刀に駆けつけます。 「うわさを聞いた。加勢に来た」 「やめろ」 と助太夫は言った。助太夫の方がうろたえていた。 「手向かえば、おぬしも同罪だぞ。腹切りものだ」 「さればといって、見殺しにしては武士の一分が立たぬ」 甚左衛門はきっぱりと言うと、茫然と立っている作蔵を見た。、、、 見上げた男だったのだ、と助太夫はいまにして思う。甚左衛門はそのとき山浦郷の代官で、藩政の中枢に加わりはじめた能吏だった。その身分と命を、すでに交わりを絶っている旧友のために捨てようとしたのである。 不和なるがゆえにいっそう、見捨てては武士の一分が立たぬと、甚左衛門は思い決めたのだろう。その気持は助太夫にもわかったが、誰にも出来ることでないことも明白だった。 私は人に説教する柄ではありませんし、ましてや教育者などでもありません。しかし、こんな時世だからこそ、一冊の、せめて一編の、藤沢周平を若い人たちが読んでくれることを願ってやみません。 | ||||
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