大学を卒業後慌しく縁談が調い、智美は十歳ちがいの会社経営者神保公司と結婚したが、穏かな新生活は半年も続かなかった。

〈国土庁長官の愛人が、国有地に豪邸を建てて住んでいる〉―警視庁に届いた匿名の投書に興味を抱いた捜査二課の中津刑事は、内偵を進めるうちに国有地払い下げにからむ政財界の汚職に気づいた。

15年前、わずか一年で結婚生活に失敗して以来、ずっと独り身を続けてきた47歳の女性弁護士撩子。

殺されたのはいったい誰なのか?インディアン保留地近くで見つかった歯のない男の死体からは、身元を示すものが入念に消されていた。

ポカパック島の所有者である老サビーン夫人に代わって、夏の滞在客のもてなし役をつとめることになったエマ・ケリングは、一路フェリー島に向かった。

たった一週間のうちに二人も、慈善家が殺された。いずれも降圧剤を致死量飲まされて。

名高い駆込寺東慶寺の住持は、高辻中納言家の姫で、まだうら若い尼君であった。

東京の大学で修士課程を終え、研究所に招かれて札幌にやってきた青年。

神が降臨してきたかのような姿だった―。真昼の太陽を浴びた黄金像そのままの青年。

それは一発の銃声から始まった。15年前、大阪の町工場で母を撃った男はどこに?吉田一彰はその男・趙文礼をさがしていた。

不伝流の俊才剣士・片桐敬助は藩中随一とうたわれる剣の遣い手・弓削新次郎と、奇しき宿縁にむすばれ対峙する。

会津人の魂が宿る会津塗りの職人が仕事中に毒殺された!ちょうど同じ頃、東京で歯科技工士の息子まで失踪しており、“東京”からやって来た第一発見者の浅見光彦に嫌疑が…。

45の密室トリックを発表、日本のディクスン・カーと呼ばれる真壁聖一が殺された。

今日も、元気いっぱい、しなやかにカルチャーセンターを渡り歩くのは、“フルコース夫人”こと本名・中沢なつき。

何もかもが面白くなくてグレてた17歳の須藤ユキの目の前に、突然異常なカッコをした男たちが現れた。

1986年10月ベルリン。欧亜交易の社員神崎哲夫は、とつぜん窮地におちいった。

ゼロ戦が甦えった!密命は核施設爆撃。

アメリカ合衆国国立防疫センターで不審火による火災事故が発生した。消火作業は迅速で、死傷者ゼロ。

旗本良教は怒りに燃えた。二年前、家族を崩壊させ、今また旗本の心の恋人・降矢美雪を凌辱したうえ殺害した暴力団黒門組。

旗本たちの「美雪復讐作戦」に翻弄された黒門組は、最新兵器を集め、銀の戦士たちを急襲。

業界紙「流通新報」の記者・佐伯健二は、経営者・柏木を裏切って金儲けをしたのが原因で、ヒューマン・ドキュメント製作の名目で仕事をする破目になる。

時代祭の夜に、祇園の芸妓が殺された。

京都祇園の一流クラブ「ダツラ」。

怨念のクモの巣は張られた。何も知らず飛び込んで行くプレイボーイ。

病弱で生意気な美少女つぐみ。

結婚相談所〈Kブライダルセンター〉に届いた一通の脅迫状、そしてその直後、センターのOLが射殺され、死体の上には花束が。

砂糖菓子のように崩れていく―。女はそう形容した。

札幌の実業家系赤渡雄造のバラバラ死体が2つのトランクに詰められて、自宅に届けられた。

事故処理屋・星名五郎の許に、ある日自分自身をできるだけむごく静かに殺して欲しいという男が現われる。

楽しいはずの新婚旅行がだいなしだった。

わたしをここから出して、と精神病院に入院するサラはホープに訴えた。母親と医者の共謀で病院に閉じ込められているという。

ロンドンに出張したまま音信を断った雑誌社の女社長…。

私立探偵スペンサー・ブームに火をつけた代表作『初秋』から十年―十五歳の少年だったポール・ジャコミンはみごとに自立してダンサーになり、ガールフレンドのペイジとの結婚を考えていた。

単身赴任の平凡なサラリーマン北岡吾郎は、ボーナス袋をチンピラ二人組に強奪されて“男にめざめ”相手を叩きのめしてドロップアウト。

怨念のクモの巣は張られた。何も知らず飛び込んで行くプレイボーイ。

“ミスター・モジョは起きあがった。

その“供物”は、健やかな男の赤ん坊でなければならない。

スウェーデンの秘密海軍基地近くで、領海侵犯中のソ連潜水鑑と漁船との接触事故が起きた。

発端は、日本のブシドー精神の書物〈ハガクレ〉盗難事件の調査依頼だった。

旅は、パリから始まった。姦淫、交霊、殺人、愛…、マチコは経験していく。

中学3年小山のクラスでは、まず文房具がなくなり、次に成績のいい5人に殺人予告の脅迫状が舞い込んだ。

人が死にすぎる街。それが私のせいだってことは、わかっていた。

いまや国際都市になった新宿の片隅で20年近く続いたスナックが店を畳む事になった日に、その女はやって来た。

原田亮平、36歳。農機具メーカーの経営企画室所属。

神田明神の祭礼があと10日後に迫った日、山車の人形が盗まれた。牛若丸が退治した熊坂長範を象った人形で安価な代物ではない。

「もう、これきりにしなければ…」名古屋地検の検事千鳥朱子は、秘めた関係にある服飾MD・郷原の誘いに負け、飛騨へ旅に出かけた。

誰が名付けたか、その男は“悪霊刑事”と呼ばれた。警視庁刑事・妙玄真之を名乗っているが、そんな男は警視庁に在籍しない。

東京地下鉄の構内で起こる連続殺人事件。現場ではかならず謎の美女が目撃された。

慶明大学の考古学研究室から、法隆寺研究の鍵を握る史料が盗まれた。

ある日突然、放浪の相場師と呼ばれた男から母に五億円が遺贈され、一家はばらばらに。僕の生まれは…、男の意図は…。

都大路をねり歩く華麗な時代祭の行列。

朝吹和彦は、33歳、独身。四条にある宝石店の店長である。

あのコナン・ドイルがのこした重大なるメッセージとは何か?科学的で、明快な心霊学入門書。

うますぎる話には罠がある。アパートに忍び込み、小箱を盗み出すだけで5千ドルの報酬をくれるという。

55歳の誕生パーティで殺されたのは大富豪の兄か、瓜二つの詐欺師の弟か。ご存知、オニ警部と女子大生の名推理。

クイーンばりのロジックで密閉状況における推理問題に挑戦しつづける江神二郎。彼を主人公にしたこのシリーズも、本書で三作目。

料亭の奥座敷で、一体の見事な竹人形を前に対峙する4人の男女。

真珠で知られる志摩半島英虞湾に男の他殺死体が浮かんだ。被害者は“悪”が売り物の人気作家袴田啓二郎。

オブジェのような異様な死体が発見された。この死体が萩原朔太郎の詩さながらに演出されていることに気づいた人物が二人いた。

警視庁警備三課のダメ刑事・安田保重は、窓際族を通りこして“ベランダ刑事”と呼ばれていたが…。

中江美佐は“ブラウン管が生んだシンデレラ”と言われる程の人気女優だった。

人生の裏面を垣間見た、スーパーの苦情処理係・清掃員・人探し屋・有線放送のなんでも屋・高層ビルのガラス拭き屋…。

匿名の中傷文の執筆にいそしむ偏屈な老人、マフィアにコネがあると称する9歳の悪ガキ、寄る年波に必死の抵抗を試みる美貌の未亡人―。

マフィアのドンたる隣人フランク・ベラローサは、人にものを頼んで「ノー」と言われたことのない男だ。

通称ゴールド・コーストはニューヨーク州ロングアイランドの北海岸、大富豪のための超高級別荘地だ。

「逃げなきゃ、あいつから逃げなきゃ!」花屋で働く夏季の前へ突然現われた謎の影。その瞬間から彼女の逃亡生活が始まった。

臨時雇いとして、影でCIAの仕事に携わりつづけた一人の男が死んだ。彼の名はステディ・ヘインズ。

読者をあくことなく欺きつづける多重構造。あなたもまた、作者の術中に?第4回日本推理サスペンス大賞佳作。

俺が祖国を救うのだ。運命の朝、男は上空の黒点に照準を合わせた―。

ヴェトナム帰りの幼児虐待殺人魔コブラを追って、アウトロー探偵バークと女性武術家フラッドの復讐の血が騒ぐ。

ここは宇宙の番外地。

汎銀河聖解放戦線。この非道なるテロ組織に愛する夫と娘を奪われ、幸せな生活を送っていた神鷹静香は、復讐の戦士と化した。

敵基地“サラマンダー”は灼熱の惑星にあった。

江田島の主峰・古鷹山が炎上し、短剣を腹部に突きたてた不審な焼死体が発見された。そして10年―。

20歳の自称“うら若き乙女”奈々子がアルバイトする喫茶店〈南十字星〉を、しっとりした美人・美貴が訪れた。

シャクリと呼ばれるポンプ・アクション6連発銃、ウインチェスター・M12。その銃を手にした男たちのそれぞれの生き方―。

ゲームの最中、突然マスコットガールに襲いかかったプロ野球選手・追分知之。

石神探偵事務所の野上英太郎の所に、突然、少女が現われて“両親を殺した人を捕えて”と強談判。

25歳のサラリーマン秋葉誠一。端正なマスクで育ちが良く独身。

立子と衿香は高校時代からの親友同士。

札幌・大阪間を結ぶトワイライト・エクスプレスは日本海を右手にひたすら闇のなかへと疾駆した。

歴史文学賞入賞の表題作をはじめ時代ミステリーの秀作4篇を収録。ミステリー界のホープが放つ待望の時代小説集第二弾。

京都の同じ大学を卒業した友達数人と、山陽路を旅することになった中川美帆。

ミステリの女王クリスティの短編集九冊から重複作品を省き、全五巻に再編集した決定版！　5には中編推理小説、厩舎街の殺人、謎の盗難事件、死人の鏡、負け犬、の全四編を収録。

1944年春、連合軍の反攻を前にして、ロンメル将軍はドイツ軍の防衛計画会議をフランスの古城でひらこうとしていた。

ジェイクは半ば呆れていた。今日はディックが駆け落ちをやらかす日。

行方不明になった義父を発見する手がかりを求めてアルプス山中の寒村を訪れたソールは、聖識者とおぼしき男たちに襲撃された。

世界各地で、次々と行方不明になる老人たち―ナチス・ドイツの残虐なテロ政策〈夜と霧〉が甦ったのか?暗い過去を背負い、イスラエルに隠遁していた元CIA工作員ソールは、モサド要員だった義父の失踪を知り、探索を開始した。

天明二年、紀伊家の廻米を積んだ神昌丸は伊勢・白子の浦を出港し、江戸へと向かった。

すべては、家畜が防衛変異により、天敵ヒトの毒と化したのが原因。東北自治区は人工食品の生産を独占、人口流入を閉ざす。

衣子は白昼、幽霊を見てしまった!岩本武夫は車にはねられ病院で息を引き取ったはずだ。