上司に嫌気がさし一流企業の総合職を捨てた貴奈子は、叔父が主宰する鳶集団「有限会社日本晴れ」を手伝い始めた。

ヨーロッパを横断する、オリエント急行。それは、赤い夢をあざやかに彩る、かずかずの大事件の舞台となってきた。

「じつに簡単な仕事でな、坊主」養父にして朋友会の雇われ探偵グレアムがニールに伝えた任務、それは健全さが売りの人気TV番組ホストのレイプ疑惑事件で、被害女性ポリーを裁判できちんと証言できるよう磨き上げることだった。

「わが村には特殊な道祖神が祀られている。」美貌の民俗学者・蓮丈那智のもとに届いた手紙。

10年前の「あの事件」を背景に、哄笑と衝撃をはらみつつ、描き切られた「この国の闇」。

ある春の日、離婚して自由になった正幸の前に、二人の魅力的な女性が現れた。

横浜医科大学の処理室から一体の屍体が消えた。

元SAS隊員マット・ブラウニングは、株取引で多額の負債を抱えていた。

おれは売れない作家―アルバイトで糊口を凌ぐ毎日や、妻との冷え切った関係にはいいかげんうんざりだった。

消えた肖像画、失踪した令嬢、石像の右腕だけが後に残され、遺言書を入れた風変わりな箱は持ち去られた―異能の師匠レオナルド・ダ・ヴィンチが、ミラノの宰相ルドヴィコ・スフォルツァ、才媛チェチリアとともに、不可解な謎、奇妙な事件に挑む。

写真家・荒木経彦から贈られた一冊の写真歌集『乳房、花なり。』が、作家・山吉雅樹の心を激しく揺さぶった。

終戦間近のフィリピン戦線。

十津川警部は、下田の蓮台寺温泉に逗留していた友人から、1通の手紙を受け取った。

「なにわより/じゅうさんまいり/じゅうさんり/もらいにのぼる/ちえもさまざま」八戸の蕪島でお遍路の女性とすれ違った時、女子大生・神尾容子は奇妙な唄を耳にした。

「あなたは…ぼくのお兄さんです、朝比奈さん」―ある雨の朝、突然かかってきた一本の電話は、伊豆七島最南端の青ヶ島で生まれ、『鳥啼村の惨劇』で事件の中核にいた鳥神翼。

三十年前、顔を切り裂き、謎の自殺を遂げた天才画家・鷲沢絖。

薬師様の門前で、町娘の尻をさわったとして番屋に連れ込まれた田舎侍。

安政地震の報に、旗本座光寺家(ざこうじけ)の江戸屋敷へ信州伊那から駆けつけた若者本宮藤之助(ほんぐうとうのすけ)。

土井超音波研究所の地下に隠された謎の施設。絶対に出入り不可能な地下密室で奇妙な状態の死体が発見された。

聖ウィニフレッド移送祭を三日後に控えた修道院の広場に巡礼先で亡くなった羊毛商の柩を徒弟が運んできた。

見た目は愛らしいぬいぐるみだが、中身は心優しき中年男・山崎ぶたぶた。彼が作る料理は、どこか懐かしく切ない思い出の味だ。

サザビーズにも比すべき日本初のオークションハウスのオープンを前に、謎の名画が一枚、また一枚…。

昭和十四年五月、満蒙国境で始まった小競り合いは、関東軍、ソ蒙軍間の四ヵ月に亘る凄絶な戦闘に発展した。

家族のことが、好きですか?郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。

西欧の小国ソヴュール、聖マルグリット学園に東洋からの留学生がやってきた。

妖美と機知に満ちた中国奇想小説集!第三回松本清張賞受賞作。

一八三〇年、冬、パリからライン河へ謎と冒険の旅がはじまる。

混乱のつづくイラクでまたしても発生した日本人人質事件。四名の人質のPTSDを考慮した政府は現地に臨床心理士を派遣。

イラクの武装勢力に囚われた岬美由紀。

ロスアンゼルス生まれ、母は日本人、父はドイツ系アメリカ人の私立探偵・左文字進。

民放キー局のPTB(プライムテレビ放送)は、人気キャスター・福森の激しい政府批判で知られる「プライム・ニュース」が看板番組。

仄暗い湖で同時に発見された3つの死体。「心中」と「絞殺」を結ぶ線とは?4億円着服事件が浮上した直後、新たな殺人が。

ネックレス・メーカーのPRで「ミス・吸血鬼」コンテストが開催されることとなった。

警視庁捜査一課のベテラン刑事、木村は定年を機に故郷の小樽へ帰郷するという。

高校生たちの自宅に届けられた謎のお札。それには「世直しだええじゃないか」の一文があった。

元首相の邸宅から、私信とフィルムが盗み出された。

「あの事件をやったのはね、もしかしたら、兄さんかもしれない…」祖父の二三回忌の席で、大叔母が呟いた一言がすべての発端だった。

とにかく金がない!―贅沢を望んでいるわけでも、湯水のごとく金を使ったわけでもないのに、とうとうバリーはにっちもさっちもいかなくなってしまった。

やっぱり地球は青かった。落ちこぼれのオレと引きこもりのアイツが今年、町工場発宇宙行きの手づくり衛星を飛ばします。

新進ファッションデザイナー・三上連は、少年の頃、ある人間を殺して青函トンネルの内壁に塗り込めて隠した。

「俺が仕事をするといつも降るんだ」 クールでちょっとズレてる死神が出会った6つの物語。

元ヤクザの木常は、神保町にある呑み屋のオヤジだ。ある日、現役の徳光からアタッシェ・ケースを預かる。

森野夜が拾った一冊の手帳。そこには女性がさらわれ、山奥で切り刻まれていく過程が克明に記されていた。

この世には殺す人間と殺される人間がいる。自分は前者だ―そう自覚する少年、「僕」。

ピアノ教室に突然現れた奇妙なフランス人のおじさんをめぐる表題作の他、少年たちだけで過ごす海辺の別荘でのひと夏を封じ込めた「子供は眠る」、行事を抜け出して潜り込んだ旧校舎で偶然出会った不眠症の少年と虚言癖のある少女との淡い恋を綴った「彼女のアリア」。

凄腕の御用聞・風車の浜吉が、懐かしい根津の地に戻った。

恋は不思議なもの。ある時は人生に歓びを与え、ある時は苦難をもたらす…。

涙なくしては読めない宮部ワールドの感動巨編！ 讃岐国、丸海藩――。この地に幕府の罪人・加賀殿が流されてきた。

その男は“悪霊”と恐れられた!涸滝の幽閉屋敷に下女として住み込むことになった少女ほう―。

西部へ急ぐ幌馬車隊に、人々を震撼させる殺人事件が起きた。リディアを救ってくれた兄弟のひとりが森で殺されたのだ。

雨の荒野で出産した若い女は、西部へ向かう幌馬車隊に助けられた。女はリディアとだけ名のり、夫はいないと言う。

「武勇伝なんぞするやつァ、戦をしたうちにへえるものか」二百三高地の激戦を生きのびた男はそうつぶやいた…。

ぼくの名前はアキラ。青陽小学校の5年生。

希望を失い、にわか地上げ屋となった中年男。

改心した悪党・八神は、骨髄ドナーとなって他人の命を救おうとしていた。

殺人事件の被害者が残した「=Y」の文字は、はたして何を意味するのか!?エラリイ・クイーンへのオマージュである、ダイイング・メッセージものの傑作「イコールYの悲劇」、第55回日本推理作家協会賞受賞作「都市伝説パズル」など、ロジカルな推理が堪能できる本格ミステ

「加菜子を―死なせはしません」。被害者の姉は決然と言った。

「私は、嘘吐きなのです」。かつての銀幕の美女・美波絹子こと柚木陽子は謎めいた言葉を口にした。

「あなたは、何でも善くご存じですのね―」。その女は京極堂に向かって、赤い唇だけで笑った。

英国・シャーロック・ホームズ・ソサエティーに、世界有数の財閥から招待状が届いた。

最盛期を迎えつつある中国・宋の時代。

京都・北山の奥深く、“地図にない村”へやって来たミステリ作家・浅間寺竜之介と愛犬・サスケ。

京都・北山の奥深く、“地図にない村”へやって来たミステリ作家・浅間寺竜之介と愛犬・サスケ。

列車に轢かれて死んだ男は、高級老人ホーム“海の上のカムデン”の住人と親交があった。

雨降る夜に、瀕死の女をひろった男。友達もできず顔も醜い孤独な男は決意する。

それは、秋も近づいたある日―。探偵作家・平井骸惚宅に舞い込んだ一通の手紙。

恋をしなければ、16歳までには死んでしまうと言われたハツ。

跳ねっ返りの野良猫のような美少女リンは、元ヤクザで芸能プロ社長の関永と出会い、大きな人生の転機を迎える。

アイドルになってみないか?元ヤク

ここではないどこかへ…。東京の日常に疲れ果てた有子は、編集者の仕事も恋人も捨てて上海留学を選ぶ。

神隠しの少女、あやめ。神隠しに遭い、戻ってきた空目恭一。

なにげない日常の延長線上に広がる、この世ならざる世界。

イギリスの軍艦が、南洋ミッドウェイ沖で座礁したフライング・スカッド号の生存者たちを救助して、サンフランシスコに入港した。

古き良きヴィクトリア朝を思わせるドラゴンたちの国ティアマト国。

米屋の主・十左衛門の葬列に石を投げた少年・修平が公事宿(現代の弁護士事務所)「鯉屋」に連行される。

浄土を求めながらも穢土に生き、現実と妄想のあわいで足掻く人々。

君子然として倹約を強いる八代将軍・徳川吉宗。

変わりゆく日々に少女が見たのは、時を超えた約束と思い。懐かしさと切なさの魔法がきらめく感動長編。

夫婦の愛情なんか最初からなかった、縁切り寺に駆け込んできた女が胸中に零す一筋の涙……。

私は、なぜ匿うのだろう。殺人者と自分とはどこが違うのだろう。

藩主の腹違いの弟・松之助警護の任についた保坂市之進は、周囲の見せる困惑と好奇の色に苛立っていた。

伯母が生きている限り、ぼくは厭うべきこの土地からも、専横的な伯母からも、離れることはできない―。

どこにでもいる善良な大学生・白戸修にとって東京の中野は鬼門である。

ある夏の夜、酔って遅く帰ってきた姉から、失恋の顛末を聞かされる。

高校時代の友人で画家の本山に誘われて熱海を訪れた十津川。

華やかなファッション・モデルばかりなぜ殺される?水路で発見された絞殺死体に、ステージ上で毒殺された金髪女性。

浅草寺で若い女性の絞殺体が発見された。

「しゃべる獣たち/立ち止まる水の流れ/歩く石ころども/歌う砂/…/そいつらが立ちふさがる/パラダイスへの道に」―事故死と断定された青年の書き残した詩。

深川六間堀、金兵衛長屋に住む浪人、坂崎磐音は日々の生計に追われていた。

京都で一年間、遊んでこい―アパレルメーカーの社長である父親から、ポンと1億円を渡された平松宏は、3月のある日、京都へやってきた。

都をどりに端を発した連続殺人事件。京都府警の木下警部は捜査が難航する中、平松に一人の男を紹介した。

書院番の同僚、上田半左衛門と武藤源太郎は長年憎みあっていた。

新宿のクラブホステスが殺された。捜査線上に浮かんだのは、なんと新宿署の警部だった。

60年前に花岡鉱山で何が起きたのか-。中国人強制連行労働者による一斉蜂起事件を現代に問う、書き下ろし長編ミステリー。

三河以来の直参・横田家は家禄九千五百石で旗本の筆頭。

掏摸や詐欺師を追うなんて俺の仕事じゃないと思ってきた。

孤独の刑事・棟居弘一良が北アルプスの白い縦走路の先に見たものは!?男と女、欲望の殺人。

それは苛烈ないじめだった。番長グループに皆の前で裸に剥かれ、友を殺され、屈辱と怨念を胸に志水少年は刑事になった。

その魔術師は、にぃと笑って言った。ゲームねぇ、なかなか面白そうじゃないか―。

変幻自在に敵に近づき狙った獲物は逃がさない。彼女、リリーの職業はCIAの暗殺者。