はじめは、愛人との駆落ちぐらいに考えていたものの、ウェクスフォード警部はいまや男の死を確信していた―失踪したのは、警部の隣人で会社員のロドニー・ウィリアムズ。

テディは、愛情とは無縁のまま育った。

風光明媚な英国の田舎町キングズマーカムでは、ロンドンへの交通の便を良くするため、かねてからの懸案だったバイパス道路建設計画が、急ピッチで進められていた。

メロディーは休暇で訪れたある村で、たまたま競売に出ていた家をアダムという男性と競り合った末に獲得した。

事故か、自殺か、他殺か―。

コーンウォール沖に浮かぶカム島。

殺人は、それが起きた時代を象徴する―風光明媚なハムステッド・ヒースに建つ私設のデュペイン博物館は、有名な殺人事件の数々をあつかうユニークな展示で知られていた。

現代ミステリ界の女王、二十世紀最後の力業。

リンダ・ヴァランダー、まもなく30歳。

メアリは白血病患者のために骨髄を提供した。だが、それが恋人の男の怒りをかう。

フィリップは暴力的で血なまぐさいことが嫌いな、ナイーヴな青年だった。彼が愛するのは美しいものだけ。

スタンリーの密かな夢、それは義母の遺産を手にする日のことだった。

アンという女が殺された。犯人はジェフ・スミスだ―そんな匿名の手紙がキングズマーカム署に届いた。

グレイは本を一冊著わしただけの売れない作家。

家族の絆に亀裂を入れたあの女が憎い…顔に醜いあざがあるためドリーは人づきあいを嫌い、母亡き後、父と弟の世話に喜びを見出してきた。

ヴィクターには或る恐怖症があった。

刑事カーソンが休暇で赴いたケンタッキーの山中で連続殺人が。

両親はスウェーデンで幸せな老後を送っていると思っていたダニエルに、父から電話がはいる。「お母さんは病気だ。

小説家ジェラルド・キャンドレスは7月6日に71歳で永眠した。

殺人の疑いのある死に際会した場合、検視審問を要求するべきか否か。

エーランド島に美しい夏がやってきた。

ロンドン近郊の小さな港町フラックスボローの名士、新聞社社主グウィル氏が十二月のある夜感電死する。

シルヴァー・ダガー賞受賞―英国推理作家協会賞。他人の子供を誘〓した狂気の母を抱え、苦悩する女流作家ベネット。

ジェネヴィーヴは、老人ホーム「ミドルトン・ホール」のケア・アシスタント。

サロンの絵が奏でる、美しくもおそろしい死のメロディー。本格推理。

ある夜、自宅近くのたばこ屋でウィリングが見かけた男は、「私はベイジル・ウィリング博士だ」と名乗ると、タクシーで走り去った。

1905年から始まる、アスタの残した膨大な日記―それはデンマークからイギリスに移住してきた彼女が、24歳の時から数十年にわたって書き記したものだ。

エリザベスはタクシーの窓からベル・サンガーをみかけた。ベルは刑務所にいるはず…過ぎ去った日々がまざまざと甦る。

キングズマーカムの町始まって以来の大イベント、8万人を集めた野外コンサートは無事おわった。

野良猫たちが集まる、人気のない草地―そこがマンゴーと仲間たちとの暗号受け渡し場所だ。

徹夜の訊問明けに舞いこんだその話を聞いて、ウェクスフォード首席警部は不機嫌になった。

パスコーは、疑念を拭い切れないでいた。前科者から学生、研究者へと更正の道を歩んでいる青年フラニー。

コペンハーゲン警察の特捜部Qは未解決事件を専門とする部署だ。ある日ここに一本の電話が入った。

信じられない幸運だった。サッカーくじで10万4千ポンドが当たったのだ。

【あの警視が死んだ!? そんなこと、信じられない!】 通報してきたのが無能で鳴らすヘクター巡査でなかったら、 通報を受けたのが無頼で鳴らすダルジール警視でなかったら、 事件の様相はまったく違っていたかもしれない。

高名なフルート奏者、マニュエル・カマルグの死に特に不審な点はなかった。老人は雪の夜、池に落ちて溺死したのだ。

未解決だった難事件を次々と解決、やっと日の目を見つつある特捜部Q。だが捜査を待つ事件は増えるばかりだ。

江戸川乱歩の造語である“奇妙な味”は、ミステリにもSFにも怪奇小説にも分類不能の、異様な読後感を残す小説を指す。

【北欧ミステリの最高峰 「ガラスの鍵」賞受賞作! 】 その手紙は、ビンに収められたまま何年間も海中にあり、引き揚げられてからもすっかり忘れ去られていた。

第二次世界大戦末期。英国軍パイロットのブライアンとジェイムズはドイツ上空で撃墜されてしまう。

全米4大ミステリ賞で最優秀長篇賞を独占! アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)、バリー賞、マカヴィティ賞、アンソニー賞受賞! あの夏のすべての死は、ひとりの子供の死ではじまった――。

―「他人をこわがらせるのは、なんともいえず楽しい…まさに最高の気晴らしだった」(表題作「女を脅した男」)。

冬を間近に控えた四月。建築家ファビアンの愛娘とそのベビーシッターは、ブエノスアイレスの地下鉄で突如姿を消した。

夏の休暇を楽しみに待つヴァランダー警部。そんな平和な夏の始まりは、一本の電話でくつがえされた。

山中で交通手段を無くした青年クインは、〈塔〉と呼ばれる新興宗教の施設に助けを求めた。

国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。

二百年前の不気味な伝説が残る孤島コーシイ島。

【ロマンス小説の古典『高慢と偏見』の続篇に、ミステリの巨匠P・D・ジェイムズが挑む! 】 紆余曲折の末にエリザベスとダーシーが結婚してから六年。

フランスでの休暇から戻ったツイスト博士を出迎えたのは、事件捜査で疲れきったハースト警部だった。

あのフロスト警部が、デントン署を去るときが来た? 自らのヘマが招いた事態とはいえ、マレット署長や新任の主任警部の目論見どおり追い出されるのは業腹だ。

風になびく苔桃やヒースの茂み。靄のヴェールをかぶった小高い山々。

【人気シリーズ第2弾、文庫化! 解説:恩田 陸】 いったいこの書類はどこから送られてきたんだ? いつのまにか特捜部Qのデスクに置かれていた20年も前の事件の書類。