もはや死は存在しない



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初公開日(参考)1986年12月
分類

長編小説

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もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)

1986年12月31日 もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)

“聖ルカの小さな夏”と呼ばれる小春日和の一日が終ろうとする頃、少年行方不明の報がキングズマーカム署に届いた。最近ロンドンから移ってきた母子家庭の10歳になる少年である。捜索隊が組織されたが、見つからないまま、その日は暮れた。ウェクスフォードもバーデン刑事も、8ヵ月前から行方不明のままの、もう一人の少女のことを思い出した。はたして二つの事件は関連があるのか?やがて少年のものらしい切りとった金髪の束が送られてきたが…。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

もはや死は存在しないの総合評価:8.40/10点レビュー 47件。Bランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

テーマとミステリの融合は実に見事なのだが…

神保町の古本屋で手に入れた久々のレンデル作品はウェクスフォード主任警部シリーズの1つだった。
シリーズ6作目であり、1作目の『薔薇の殺意』を除いて連続してシリーズを読むことになり、また幸運にもこの後の作品『ひとたび人を殺さば』に至るシリーズの空隙を埋めることになった。

今回の事件は失踪事件もしくは誘拐事件だ。12歳の少女と5歳の男児の行方不明事件をウェクスフォード警部が捜査するという構成だが、物語の主軸は寧ろウェクスフォードの部下マイク・バーデンにあるといっていいだろう。

愛する妻ジーンをクリスマスに喪い、失意のどん底にいた彼の目の前に現れたのが失踪した息子を探してほしいと請う女性ジェンマ・ロレンス。母子家庭で一人息子のジョンを育てていた彼女の事件を担当するマイクは次第に彼女に惹かれていくのだ。

一方で亡きジーンの代わりに息子と娘の世話を義妹のグレースに頼みながら、ジーンの思い出に浸って家庭を顧みない一面を見せる。そんな態度に憤りを覚えずにはいられないグレース。彼女は家事を完璧にこなした亡き姉の存在からの見えないプレッシャーもあり、バーデンのサポートを待ち望んでいる。
ジェンマとグレースに対する感情に揺れ動くバーデンは、亡き妻の埋め合わせをどちらに求めるべきか思い惑う。時にはエキセントリックなジェンマに惹かれ、時には亡きジーンの面影を見出し、彼女に代わって家庭を切り盛りするグレースこそ理想の妻と考えもするが、情緒不安定な時期にある彼は鉄のように熱しやすく冷めやすいその感情にほだされ、シーソーのようにどちらに傾いては引いていく。

そんなバーデンに振り回されるグレースの存在が切ない。かつては有能な看護婦として自立していた女性だった彼女が姉の死によって義兄の子供達の世話をするようになった。当初は半年ぐらいの予定だったがそれがどんどん延びていき、今では職場復帰することは諦めてさえいる。そんな彼女がほしいのはバーデンが少しでも家庭を顧み、そして労いの言葉をかけてくれることだ。
しかしそれがバーデンには伝わらず、お互いが誤解を生み、すれ違っていく。この辺の感情の機微が生む男女の齟齬を書かせるとレンデルは抜群に上手い。

さらにバーデンはジェンマの魅力とセックスの快楽に溺れ、ジェンマに結婚を申し込む。さらには失踪しているジェンマの息子がこのまま見つからなければいいとさえ願うようになる。
ウェクスフォードの良き片腕だった彼の凋落ぶりには同じ男として情けないものを感じてしまった。

また今回の子供の失踪事件がウェクスフォードやバーデンの心に翳を落とし、町の人々たちがわが子を肌身離さずに買い物に行ったり、雨天の日には迎えに行ったりしている光景を見て、我々警察の仕事というのは一体何なのかと自問する。

さらに失踪した娘のことはもはや眼中になく、恋人同士の思いに戻ったステラの両親アイヴァーとロザリンドのスワン夫妻の歪んだ感情など、こういう点描を紡いで事件から波及する現代社会の問題を浮かび上がらせるところはただ単純にミステリを書いているわけではないというレンデルの作家としてのプライドだろう。

物語の焦点はやがてジェンマの息子の失踪からステラの死体が見つかったことからステラの失踪事件の方にシフトしていく。そしてステラ殺害の犯人は実に意外な人物なのだが、今までの物語で語られてきたエピソードの数々がパズルのように当て嵌まって事件の構図を描き出す。イギリス本格の構成の妙味を感じさせ、久々に爽快感を味わった。

物語、そしてミステリとしてもやはりレンデルの上手さは感じたが、納得のいかない部分もあったので評価は7ツ星としておこう。


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Tetchy
WHOKS60S
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No.46:
(3pt)

バーデンのよろめき

ウェクスフォード警部シリーズ⑥。

二件の少年、少女の失踪事件を捜査する警部らが描かれたミステリ。

公園から少年が行方不明になり警察に緊張が走る。少し前に帰宅途中の少女が忽然と消えたのだった。やがて少女の死体が見つかり、騒然となる町。二つの事件の顛末は?…

…の真相究明より、本作品は,妻が急逝した部下バーデンの、少年の母へのよろめきが主軸である。堅物バーデンが自身の子供らを顧みず、シングルマザーへのめり込んでいく姿は、シリーズの読者として軽い衝撃を受けた。

著者ならではで、のぼせ上がり理性を失った男の心理描写は巧み。肉体的なつながりで精神的の均衡を保とうとする二人。この擬似的な愛?の顛末と、事件の決着の付け方には、好き嫌いがあるかも。
もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)Amazon書評・レビュー:もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)より
4042541119
No.45:
(2pt)

Ruth

Donating awful
もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)Amazon書評・レビュー:もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)より
4042541119
No.44:
(4pt)

A mystery

This one kept me puzzled until the end. This type of mystery where you don't have all the clues until the reveal is hard to pull off without being annoying. This was a good one.
もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)Amazon書評・レビュー:もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)より
4042541119
No.43:
(4pt)

Good

Better than the last one; less predictable . Will continue with next in series. Rendell was good at getting inside characters
もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)Amazon書評・レビュー:もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)より
4042541119
No.42:
(5pt)

Will Wexford keep the weight off?

A gem read.
もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)Amazon書評・レビュー:もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)より
4042541119



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