緑の檻



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    緑の檻 (角川文庫)
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    初公開日(参考)1988年06月
    分類

    長編小説

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    緑の檻 (角川文庫)

    1988年06月30日 緑の檻 (角川文庫)

    グレイは本を一冊著わしただけの売れない作家。緑の小径の奥にあるコテージに一人住み、電話も受話器をはずし、まるで世捨て人のような耐乏生活を送っている。そして電話は、彼を怯やかすものの象徴であった。それはいつ息を吹き返し、美しい人妻、ドルシラとのすでに終ったはずの“危険な関係”にふたたび火をつけかねないのだ…。二人の間には、果されないままに終った或る企てがあった。とうに葬りすてたはずのそれが、やがてグレイを閉じこめる恐ろしい罠に変貌をとげようとは、彼には知る由もないことだった―。 (「BOOK」データベースより)




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    緑の檻の総合評価:6.00/10点レビュー 2件。Dランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (4pt)

    小説家こそに読んでほしい作品かも?

    本書はレンデルのノンシリーズ。
    しかしレンデルの描く男性というのはどうしてこうも煮え切らないダメ男が多いのか。閉じこもりがちな引きこもり男性だったり、一人陰鬱に劣等感を抱き、全てに嫌悪を示す小心者だったり、はたまたストーカーだったりと、自立し、前向きに生きる男を描かない。だからこそレンデルならではの皮肉な物語が成立するというのもあるわけだが、本書のグレイ・ランストンもまたどうしようもない生活破綻者だ。

    かつて『驚異のワイン』という小説を著し、その印税で日々細々と生活している男。いつか2作目を書かねばと思いながら、まだその時ではないとずるずる引き延ばし、いざとなったら書けるだろうと楽観的に構えている男。

    世の小説家の中には一瞬ギクリと思う人もいるかもしれないし、また小説の創作に限らず、過去の栄光を引き摺って生きている周囲の誰かに思いを馳せる人もいるかもしれない。

    そんな彼の、実に惨めたらしい日常生活の描写とかつての恋人、人妻ドルシラとの日々の回想が交互に語られる。

    とにかくレンデルはダメ男の心情を描くのが上手い。身近にモデルとなるような男がいるのかと思うくらいリアルだ。
    特にグレイがドルシラが再会したいのになかなか連絡が取れずに悶々とする件や連絡が取れないことを自分の都合のいいように解釈して納得させようとする心理描写は実に真に迫って面白い。
    斯くいう私もかつて失恋を経験したが、そこに至る直前の危うい状態の時に連絡が付かなかった時は確かに1分が10分くらいに感じるほどのまどろっこしさを感じたものだ。

    さて今回作者が描きたかったのは大人になりきれない人に対する警句ではないか。後半作中で繰り返されるのはもう子供ではないんだという言葉からもそれが読み取れる。

    本書が著されたのが1974年なのでまだ大人はしっかりしていたから、このグレイのような男はなかなかいなかったように思うが、昨今は大人になりきれない大人、つまり精神的に成熟しきっていない大人がなんと多いことか。
    周囲との協調や調和を考えず、自分勝手な言動をし、礼儀を知らない成人はゴマンといる。荒れた成人式というのはもはや毎年恒例のニュースにまでなっている。
    こんなご時世だからこそのこの作品とも云えるが、これをこの時代に書いているレンデルの先見性には畏れ入る。オイルショックの翌年ですぞ。いやはや。

    しかしミステリとしては小粒だろう。悪妻ドルシラの犯罪計画は見え見えだし、これは冤罪を被せられた男から描いた作品であり、その趣向は面白いのだが、あまりに単純すぎた。
    犯行がグレイの心に降りてきてドルシラの放った言葉の真意が解るというのは筆巧者レンデルならではだが、それもどこかダブルミーニングというよりも単純な仄めかしとしか取れず、インパクトは薄い。

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    Tetchy
    WHOKS60S
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    No.1:
    (4pt)

    精神的ないたぶられ感は、ちょっとしたホラー

    落ちぶれた文無し作家が出逢ったのは裕福な美しい人妻。まさに典型的な毒婦は、主人公を翻弄しお約束通り旦那の殺害をほのめかす。

    金なし仕事なしの冴えないダメ男のねちっこい描写で、どん底気分を味合わせてくれるレンデルのノンシリーズだ。

    絶対騙されてるじゃん!と思わせるものの、罠のハマり方に興味津々で読み進めることになる。並行して語られる主人公と母親、義理の父との関係に絶望感がましまし。

    異常心理ものじゃないけど、精神的ないたぶられ感は、ちょっとしたホラー。結末はそっちか!、と思うものの上手くまとててくれて満足である。
    緑の檻 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:緑の檻 (角川文庫)より
    4042541178



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