ロウフィールド館の惨劇
- ホワイダニット (17)
- ロウフィールド館の惨劇 (1)
- 文盲 (1)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.67pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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本書の冒頭で全ての結末が明かされ、それに至るまでの経緯を全てを知っている俯瞰した視点から語られる文章を読者は読んでいくことになる。もしあの時あれこれしていれば(していなければ)、ユーニス・パーチマンはロウフィールド館に住む一家を惨殺することにはならなかったのに…というような神にでも選ばれたかのような視点からの文章が面白さであり、辟易もしました。というのもカヴァデイル一家の岐路に立たされた時の選択と、惨劇の強い因果関係が見出せなかったので… | ||||
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初ルース・レンデルでしたが名作の呼び声が高いことを理解できました。 もう少し訳がスムースであればなと思いました。 | ||||
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これが噂の、という期待感で臨んだ本書。 | ||||
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未読の方はご注意ください
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映画の「沈黙の女」の原作ということで読んでみた。不気味な面白さ。映画のような小綺麗な女性でなく、人生も見かけもすべてボーッと薄暗い大柄な中年女性の、知的で裕福な中産階級家族を破壊する。 ちなみに比較として フェイ・ウェルドンの「魔女と呼ばれて」もぜひ読んでほしい。 | ||||
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すごく興味深く読めた。サスペンスを読んでいるというより、1人の人間考察として、とても面白かった。ユーニスという人物造形は完璧だったと思う。チョコレートバーが大好物で、テレビにかじりついて過ごす‥ユーニスという人物が実在しているような気がしてくる、少なくとも作者の近くにモデルになる人物がいたのではないか?そんなふうに思ってしまうくらいに生々しい文盲の中年女‥。 実際当時のイギリスには文盲がどのくらい珍しかったのかは分からない。人に知られたらそんなに屈辱的なことだったのだろうか。 多分そんなことは関係ないんだろう。人がどう思うかではなく、自分が恥ずかしいと感じたら、それはもう立派なコンプレックスなんだろう。環境の被害者ともいえるユーニスは哀れでもあり、寂しくもあり、何とも読み終わった後も色々考えてしまった‥ 終わり方も印象的だった。 | ||||
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今、書店に行ってルース・レンデルの本を探しても、なかなか見つからない。レンデルの初期の代表作のひとつである本書も、古書でしか手に入らない。わたしはどうしても本書が読みたくなり、Amazonマーケットプレイスで購入した。昔の文庫は字がすごく小さいので、できれば現在の大きな版組みで読みたかったのだが。 それから、昔の海外小説は訳がぎこちない。原文がもそもそ分かりにくいということもあるのかもしれないけど、とりあえず訳しました、みたいな乱暴さが見受けられなくもない。それに比べると、近年は翻訳のレベルもだんだんアップしてきていると思う。 さて、本書は「ユーニス・パーチマンがカヴァデイル一家を殺したのは、読み書きができなかったためである」という出だしの一文によってよく知られている。しかし読了してみて、正直なところ書き出しのインパクトがすべてかな、結局そこを超えられていないかもね、という感想を持つに至った。 結末は分かっているのだから、そこに至るまでがサスペンスフルに描かれるのかと思えば、案外そうでもなく、肝心の殺しの場面も意外とあっさりで、その後の刑事の捜査もダラダラとキレがなかった。まあ、そこがかえって英国文学的な香りと言えなくもないのだが、だとすると邦訳があまりに散文的ではないだろうか。 | ||||
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読み始めると翻訳が悪いのかそれとも作者の文体がこうなのか、P・D・ジェイムズを読んだときのカクカクした感じの文章に似ていて読みにくく、読んでは止め、思い出しては読みを繰り返していたのだが、我慢して読んでいるうちに気にならなくなってきた。 この惨劇はカヴァディル一家に雇われた読み書きのできない文盲の家政婦であるユーニス・パーチマンときちがい女のジョーン・スミスによって行われたもので、動機は文盲であるユーニスが主人のジェームスから解雇を言い渡された事による恨みからきている。 ユーニスの48歳の誕生日。その日の11時にいきなり電話が鳴る。電話が苦手なユーニスはしぶしぶ電話に出るとそれは主人のジョージからの電話で、彼は祖父が設立した会社の社史をまとめておいたノートを忘れたと言い、表紙に書かれている文字を告げ引き出しに入っているはずのソレを探してこれから向かう運転手に渡してほしいというものだった。 文盲のユーニスにとって一番恐れているのは彼女が文盲であることがバレてしまうことだった。 大切な書類が届かず急いで帰宅したジョージはユーニスを問い詰めるが、彼女は見つからなかったと嘘を言い終いには「そんなこと、あたしの知ったことじゃない」と横柄な態度でジョージに背を向ける。 そんなユーニスの態度に怒り心頭に発した彼は妻のジャクリーンにユーニスのあの非礼や嘘にがまんがならない。出て行ってもらおうと言うが、彼女はああいう人なのよ。お願いだからもう一度チャンスを与えてあげてといなされ一応矛を収める。 それからまもないある日、ユーニスと二人きりで部屋にいた娘のミリンダと談笑中にユーニスは文盲であることを見抜かれてしまう。慌てふためいたユーニスは掴んでいたミリンダの秘密を父親にバラすと脅かすのだが、ミランダは父親に正直に告白して許される。 そしてミリンダはユーニスに脅迫されたことを父親に話す。これを聞いた妻のジャクリーンも憤慨し今回はユーニスに暇を出すことを同意する。 ユーニスはジョージに解雇を言い渡されても泣きもせず、感情を表すことも無くただテレビを見ているだけだった。この先どこへ行こうか、なにをすればよいかなどと明日のことを思い煩うことは無かった。どうにでもなる。 気にすることはただ一つ村人に自分が文盲であるということを知られてしまうということだった。 だから外へも出ずジョーンに会うことも無くひっそり村を出ることを決めていたのだが、なのに突然きちがい女のジョーンがやってきて明日の夜、最後の晩に教会で会う約束をしてしまう。 そして最後の日。その日は日曜日。セント・ヴァレンタイン・デーで、カヴァディル一家は思い思いの姿勢でテレビのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を見ていた。 その時ジャクリーンは新聞の余白にオペラの批評めいたメモを記し、ミリンダは父親にプレゼントされたテープレコーダーに録音しながら見ていた。 そしてこの時ユーニスとジョーンは教会から戻り足音を忍ばせ銃器室をうろうろし、銃を手にふざけていたが、それをキッチンに置き二階のジャクリーンの部屋に入り狼藉を繰り返しまた階下のキッチンに降りてきた。 ジョーンはもっと面白いことをやりたい。これを発射したらあいつら震え上がるわよ。とショットガンを取り上げ弾を込めた。 その時物音に気づいたジョージがやってきた。二人を見て驚き早く銃を置け。さもないと警察を呼ぶぞと怒鳴る。この時ジョーンに先をこされてはならないとジョーンから銃を取り上げユーニスはジョージの頸部めがけて発射した。 こうなったら他の連中も殺さなくちゃと二人は居間に入り弾をこめなおし、顔色も変えず家族を一人一人殺していった。 犯行をやり終えた後、車で去ったジョーンは壁に激突し、集中治療室に運ばれたが、身動きもできず、喋ることも聞くこともなくそのままだった。 ユーニスは何事もなかったように手に触れた物の指紋を拭き、銃も綺麗にし納得がいくまで時間をかけて現場の始末をし、警察に電話をした。 訪れた刑事に犯行が行われた時間には友人の所へ出かけておりましたと自分のアリバイをスラスラ答え信用させ、刑事が捜査している間、なにくわぬ顔をして刑事らを接待しながら彼女の頭を占めている問題はまだ受け取っていない未払いの給金の心配だった。 結局はジャクリーンのオペラの批評めいたメモと犯行の様子がすべて録音されていたミリンダのテープレコーダーが見つかりユーニスは逮捕されてしまうのだが。 うーん。この事件はユーニスが文盲であったために引き起こされた事件というより、出会ってしまったのがきちがい女のジョーンだったということがモンダイだったのではと思うけどね。 事件の起こる前日ユーニスは黙ってこの村を去ろうと決めていたのだから。 確かに文盲であることは理解力の不足はあるが、それが即殺人につながるとは思わない。 つまり悪魔のささやきがなければ。 ジョーンにそそのかされ、しまいにはその気になりやってしまった。ということでしょう。 これを読んでいてこれは映画化されれば面白いなあと思ったわ。 大柄で骨太の残忍で陰気な眼をもった石のような女のユーニス・パーチマンはキャシー・ベイツかな。 鳥ガラ女のジョーンは誰かしら。 最初は読みにくかったが、ユーニスとジョーンの二人の強烈なキャラクターのおかげで退屈することなく、最後まで興味を持って読めました。 | ||||
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おもしろい! 久しぶりの小説なのですが、直訳な感じがまた不気味さを増します。まだ途中ですがサスペンス好きな方にはおすすめします。 | ||||
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