(短編集)

女ともだち



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    初公開日(参考)1989年04月
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    短編集

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    女ともだち (角川文庫 赤 541-19 レンデル傑作集 3)

    1989年04月01日 女ともだち (角川文庫 赤 541-19 レンデル傑作集 3)

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    女ともだちの総合評価:8.17/10点レビュー 6件。Cランク


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    (7pt)

    人の心の弱さをひたひたと感じさせる短編集

    レンデルの短編集は過去に2冊読んでいるが、長編さながらに短編もレンデル特有の毒に満ちており、一読印象に残る作品が多いのが特徴。従って今回もそんな期待の中、読んでみた。

    開巻最初の作品は表題作である夫婦の奇妙な“浮気”を扱った物。
    男に対する免疫のない女性。
    少し女性っぽく、そして女装をして完璧な女に成りすますことのできる男性。
    女性は女性の心を持つゲイやオカマ、いわゆるトランスジェンダーに異性よりも抵抗なく接しやすいと云われるが、まさにクリスティンはその典型だった。
    公の貌から私生活の貌へと変貌した男に怖さを覚える世慣れぬ女性の恐怖心がよく描かれた作品である。

    次の「ダーク・ブルーの香り」も男と女の関係の話。
    かつて愛した女性との再会を求めるのは女性よりも男の方がその思いが強いようだ。私も経験があるが、女性は恋に対して踏ん切りがつきやすく、別れてもすぐ次の恋に向かっていけるが、男は未練が残り、なかなか次に踏ん切れないでいることが多いのではないか。
    斯く云う私もその経験者の1人なのだが。
    本作の主人公の男もかつて別れた妻への思慕が募り、退職してから再会を望むようになった。彼の中に残る彼女の姿は若かりし頃の元妻の肖像。そして男は年不相応な若々しい風貌をしていることから、相手もそうではないかという錯覚に陥る。
    このオチは容易に読めるだろう。
    しかし愛は盲目で通常ならばそんな馬鹿な!と思われるようなことも盲目ゆえに信じてしまう。人を狂わせるのもまた愛なのだ。

    「四十年後」はそのタイトル通り、回想の物語だ。
    田舎の町で男女の不埒な関係がすぐに町中に伝わるような閉鎖された場所に送られた思春期の女性の回想譚。
    出征中の夫を待つ美貌の妻。そこに現れた美男のパイロット。それを盗み見て男と女のロマンスと、セックスの妄想に耽る私。
    いつの世も不倫に纏わる話の結末はこの上なく苦い。

    いわゆる曰く付きの家というのがあるが、「殺意の棲む家」はそんな家を買った夫婦のお話だ。
    幽霊が出るとか人殺しがあったとか、いわゆる曰く付きの家に住んだ人々には表面上は気にせずにいても、ふとそれが潜在的に意識され、そして妙な違和感を覚えるものである。スティーヴン・キングはそういう得体のしれない雰囲気を宿した物をサイキック・バッテリーと評したが、ある意味本作のカップルが買った家もそれに類するものだったのかもしれない。
    真夜中に勢いよく閉まる窓。この実に些細な厄介ごとが、住民たちの神経を蝕んでいく。

    「ポッター亭の晩餐」は一種面白みのあるデートシーンから始まるが、展開は予想外の方向へと移る。
    イギリス男児特有のプライドの話。
    最初はお財布代わりに誘われた男が、次から次へと高級料理を注文する女性に財布と心が蝕まれていく、半ばコメディな物語と思いきや、因縁の相手の浮気現場を目撃する展開になり、高額の食事代を立て替えられたことに奮起し、なけなしの貯金の中から鼓舞して返還をする若き男のプライドが示される。
    原題の意味は「賄賂と堕落」だが、堕落は賄賂に屈したわけではなく、魂を売ったことに起因するのがレンデル流の捻りだ。

    「口笛を吹く男」はレンデルでは珍しくアメリカと南米を舞台にした作品。
    海外のメイドや使用人は手癖が悪く、すぐに家主の持ち物をくすねるが、本書のジェレミーもまたそんな盗癖を持った若者だ。そして彼がどこかの家の鍵を手に入れ、そこにある物をくすねてしまおうと企む。しかしそれは家主の壮大な復讐計画だったことが最後に判明する。
    この復讐者マニュエルはいつも口笛を吹きながらその日暮らしをしている年輩の男性だが、のどかに見える口笛吹きが実は心の中では淡々と遠大な仕返しを練っていたと思うと、心に寒さを感じざるを得ない。

    いわゆる老害を扱ったのが「時計は苛む」だ。
    仲のいい老人たちが、いつか来るべき時と意識しつつ、また次第にボケが始まっていく恐怖に慄きつつもお互い行き来してそれぞれの生活に変化を与えながらその日その日を暮していく様を語りながらも、突然破局を迎える様がごくごく自然な成り行きで語られる。
    欲しいと思った時計が既に売却済みだったことがしこりとなり、店に再び行ってみると店主は居眠りして気付かないので、思わず魔が差して時計を盗み出してしまう。
    こんな些細な犯罪がやがて・・・。

    特異な性癖を扱ったのが「狼のように」だ。
    実に変わった内容だ。
    40を超えた男が狼の被り物を着て狼ごっこに興じる。定職にも就かずアマチュア劇団に所属して役者として出演する生活を送る男。
    しかしその狼ごっこがやがて彼の中で狼そのものと同化するようになる。
    人間の心の狂気を必然性を以って語るレンデルだが、こんな話、レンデルしか書けない。
    ちなみに原題の“Loopy”は英和辞典では「狂った」とか「ばかな」という意味が挙げられているが、本書ではラテン語で狼を表すルーパスから派生した言葉であるとされている。

    次の短編「フェン・ホール」のタイトルは主人公プリングル達3人の少年がキャンプをしに連れられたリドゥン氏の家の名を指す。
    父親の友人宅の近くでキャンプをすることになった彼らが遭遇した事故。それは前日の強風で倒れた木を剪定している時に起きた不意の事故。木を切った時にバランスが崩れ、根っこが穴に落ち、そこにいた妻が下敷きになって死ぬ。
    しかしその前夜に夫婦が云い争う声を聞いていた彼らはそれが本当に事故なのか故意なのかが解らない。

    不穏な空気を纏って物語が閉じられるのは次の「父の日」も同様だ。
    結婚し、子供が生まれて家族が形成され、それは安らぎの場になったり、もしくは疎ましく思う場になったりと様々だが、愛情が強すぎるとそれを失う恐怖感に苛まれるようにもなるようだ。この実に特異な恐怖観念に囚われた男の話だ。
    子供を大事にするあまり、外出時もベビーシッターに頻りに連絡を取り、安否を確認する、妻が綺麗になったら子供を連れて逃げやしないかと慄く。勝手な被害妄想だが、旅行最終日に現地の友人と食事に行った夫婦は夫しか戻ってこなかった。
    彼の話では妻はその友人とドイツに帰ると云って家族を捨てたと云う。しかし彼の掌にはざらざらした石の表面に押し付けたような小さな穴がいっぱいついていた。それは滑りやすい崖で落ちないように踏ん張ったかのように。
    果たして本当に彼の妻は家族を捨ててしまったのか。
    それともいつか子供たちを盗られると思って夫が崖から突き落としたのか。
    しかしこの結末はもはや自明の理だろう。
    そして題名「父の日」には一読後、戦慄を覚える。のどかな言葉が一転して恐ろしさを帯びるところがレンデルらしいと云えばらしいが、それにしても…。

    さて最後の短編「ケファンダへの緑の道」はそれまでとは毛色の違った作品だ。
    何とも云えない味わいを残す作品だ。
    小説家が小説家を語る時、そこには小説家自身が投影されているだろうと思えるが、レンデルは英国女流ミステリ作家としてP・D・ジェイムズと比肩する一流作家であるのに対し、本書に登場するアーサー・ケストレルは新作が発表されても批評家も取り上げない売れない作家であるところが興味深い。
    本作はそんな不遇な小説家がヒットを放つ、というような話ではなく、あくまでレンデルはシビアに描く。
    ファンタジーのシリーズ小説を発表しながら、決して書評に挙げられることはなく、毎月数多出版される作品群の中に埋没するだけ。従って毎回作品を発表した後は鬱に見舞われ、家に引きこもる。それを繰り返す。
    そして初めて書評に挙げられた作品が最後の作品となる。

    レンデルの第3集目となる短編集は1985年に本国イギリスで刊行された物で、バーバラ・ヴァイン名義であるの第1作『死との抱擁』が発表される前年に当たる。
    ヴァイン名義の作品は犯罪を扱いながらも純文学に寄り添った作風であるのが特徴だが、その志向が滲み出ているせいか、本書収録の作品も純文学に寄り掛かったミステリが多いように思える。内容的には人間の心が思いもかけない行動を起こす物が多いように感じるのだ。

    それは各編が男と女の関係の纏わる皮肉な結末を扱っているからだ。

    特殊な不倫関係、別れた妻との再会を望む男、出征中の夫を持つ妻の不倫、曰く付きの家を購入した夫婦、父親の敵の浮気現場を見つけた息子、家主に隠れてセックスを交わす若い男女、40を超えたカップルと息子離れしない母親、価値観の違う夫婦、綺麗になった妻に子供と一緒に逃げられやしないかと恐れる夫。

    そして内容は自分を変えたと錯覚したがゆえに陥った過ちだったり、幼い頃のトラウマとなったことが年月を経て判明した事実で自分の抱いた推測が確信に変わったり、噂だと一笑していたのにいつの間にかそれに取り込まれてしまったり、プライドを護ろうとしたことが相手に格の違いを見せつけられ、卑しき虚言者に陥る者や相手の寛容さを利用して金を騙し取ろうとしたが逆に罠に嵌る者もいる。

    その中でも最も変わったのが「狼のように」に出てくるコリンとその母親だ。

    後半に行くと更に真相は曖昧になる。
    例えば「フェン・ホール」と「父の日」がそれに当たるだろう。

    収録作品中男女の情愛がないのは「時計は苛む」と「ケファンダへの緑の道」だ。
    前者は仲の良い老人仲間の話でそこにしかしそこには長らく築いた友好関係が存在するのだが、微罪によってそれが崩壊する、実に皮肉な様が描かれている。
    後者は売れない小説家が初めて自作を批評される話だ。

    この「ケファンダへの緑の道」が本短編集の中の個人的ベストだ。

    全ての作品に共通するのは錯覚であれ、疑問であれ、懸念であれ、それらは最初はほんの些細な火種に過ぎない事だ。それがしかし各人の心の中で肥大し、暴走し、そして取り返しのつかないほどまで成長する。そしてそれが過ちへと繋がる。
    それは我々一般読者でも抱くような小さな火種で決して他人事ではない。つまり日常と非日常の境は斯くも薄い壁で遮られているのだということ思い知らされるのだ。

    しかし各編ページは少ないながらもなかなか入り込むのに手間取った感がある。長い物でも30ページ前後でほとんどが20ページ前後と実にコンパクトだ。
    しかしそれでも読むのに時間がかかったのはレンデルの創作作法にある。

    導入部がいきなり渦中から始まるため、各登場人物の設定やシチュエーションが頭に入ってこず、把握するのに何度も読み返す必要があったからだ。しかも案外各編の設定は特殊なため、なかなかその世界に入り込むのに苦労した。きちんと状況は書かれているが、数ページしてようやく設定が判ってくるため、それまでの地の文などに書かれた時間軸や場所、更に登場人物の相関関係、果ては性別までもが後からついてくる形となり、結構手こずった。

    しかしそんな困難さが逆に物語の味わいを深めるのも確か。特に最後に収録された「ケファンダへの緑の道」を読むと主人公の口から小説をいかに読むかを示唆され、また悪意ある書評に対する作者への非難も行間から読み取れ、レンデルが目の前で訓辞を垂れているかのような錯覚までに陥る。

    そしてこの作品の結びのように作者の思いが読者に届くことこそ小説家の本望だろう。私にはその思いは確かに届いた。

    しかし作者の思いが届くには物語が読み継がれなければならない。レンデルの死後、彼女の作品の大半が絶版状態で読めなくなっている。英国女流ミステリ作家の大御所だった彼女でさえ、そんな
    悲惨な状況だ。

    今なお未訳作品も多いレンデル=ヴァイン。是非ともジョン・ディクスン・カーのようにいつか全作翻訳され、そして新訳復刊されるようになってほしい。


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    No.5:
    (5pt)

    この一連のレンデル傑作選では、やはりまさにサイコサスペンス感一番、神経症的な昂ぶりがついに破滅へと一気に向かう「女ともだち」が一押し!

    「女ともだち 」。果たして異常なのは、どちらなのか?ああした、普通それこそ、配偶者にも言いずらい、嗜好を密かに隠し持つ彼、そして夫以外の男性に、異常なまでの憎悪と恐怖心を神経症的に抱き、日夜護身道具を持ち歩く女性。不思議な調和に満ちた彼らの秘密の交流の中にも、常にこの女性の神経症的昂ぶりが、重低音の如く見え隠れし、予想される破滅の予兆を静かに匂わせる。そしてまさにラストでの、一気になだれ落ちていく、決定的な破滅!という、緩急全く淀みのない傑作だと思う。
    「ダーク・ブルーの香り 」。やはり、男性の方が、信じられないくらい、ロマンチストということでしょうか。
    この二人の男女間での、決定的な意識のズレが、やるせない。
    「四十年後」。一見、あれは空想力が豊か過ぎる少女の妄想に過ぎなかったのか?と思わせつつ、実はという感じですね。また主人公の少女時代の、人目を忍ぶ男女関係に用いる、ランスロットとギネヴィアの比喩が、いかにも世間知らずの少女の夢見がちな心理を象徴しています。
    「殺意の棲む家 」。これはミステリーというより、オカルトと解釈した方が、いいのか?
    「ケファンダへの緑の道 」。確かに表現者にとっては、自分の作品については、それこそ、批判さえもされない、全くの無視の方が、よほどこたえるでしょうね。
    愛情の反対は無関心とは、よく言われますし。
    それこそ身近にさえも、自分の作品の理解者を持てない、売れない作家の悲しみと絶望が、痛切に伝わってくる作品。
    女ともだち (角川文庫 赤 541-19 レンデル傑作集 3)Amazon書評・レビュー:女ともだち (角川文庫 赤 541-19 レンデル傑作集 3)より
    4042541194
    No.4:
    (4pt)

    レンデル傑作集〈3〉女ともだち(角川文庫)...ルース・レンデル

    暗くて、底意地が悪くて、胸糞が悪くなりました。ストーリーテラーだとは思います。
    女ともだち (角川文庫 赤 541-19 レンデル傑作集 3)Amazon書評・レビュー:女ともだち (角川文庫 赤 541-19 レンデル傑作集 3)より
    4042541194
    No.3:
    (5pt)

    不幸や悲劇が日常茶飯事という気が滅入る世界を描くイヤミスの女王の絶品短編集。

    一時期著作が出版ラッシュで大人気を博しましたが、今は殆ど新作の翻訳刊行が絶えているのが非常に寂しく残念な英国イヤミスの女王レンデルの絶品短編集です。著者は人間の本質的に持っている悪意がもたらす事となる不幸や悲劇が日常茶飯事という何とも気が滅入る世界をこれでもかと徹底的に描き出しますので読んでいると息苦しく厭世観に捉われそうになりますが、好き嫌いは別にしてもこの決して妥協を許さない冷徹な非情さを貫く姿勢には誠に感嘆させられますしある意味で稀有な才能だと思いますよね。
    『女ともだち』夫以外の男(女ともだち)との密会という女の危険な遊びはやがて凶悪な破滅へと向かう。ラストの淡々とした筆致に戦慄が込み上げ却ってぞっとしますね。『ダーク・ブルーの香り』若い頃に別れた女が忘れられず老いた男が再び話をしようと近づくのだが・・・・。取り返しのつかないあまりにも痛ましすぎる残酷な勘違いですね。『四十年後』四十年前の14歳の少女時代を田舎の親戚の家に疎開して暮らしていた頃に私が体験した異常な出来事の記憶。若い男と浮気する既婚夫人と夫との三角関係の顛末と決着は大人になった今なら深く理解出来るのですね。『殺意の棲む家』過去に殺人犯が住んでいた為に格安の値段で家を手に入れた夫婦だったが・・・・。人間を狂気に陥らせる家とは?よくぞこんな不吉で恐ろしい話を思いつく物ですね。『ポッター亭の晩餐』恋人とのデートに高級料理店ポッター亭で食事をした男が高い食事代を元雇い主から賄賂として肩代わりされた事に後刻気づく。プライドを傷つけられ怒り心頭に発した男の痛烈な腹いせの倍返しですね。『口笛を吹く男』イギリスからの流れ者の男が富裕な雇い主の男の家で鍵を見つけ着服し何時か別宅を探し出して忍び込んでやろうと考える。狡猾な主人に隠れて悪い事は出来ない物で気がついた時には既に手遅れなのですね。『時計は苛む』老婦人が運良く無人の画廊から欲しかった時計を盗むが次第に心配で気が狂いそうになる。不正に手に入れた物では心楽しめず人は気を病んで遂に身も心も滅ぼされてしまうのですね。『狼のように』素人役者の男が狼の毛皮を身につけふざけて遊ぶのが気に入っていたが気難しい婚約者の女との間で取り返しのつかない事故が起きる。「こんな馬鹿な事が実際に起きてたまるか!」と信じられない気持ちが強いですが、著者にかかると「でも、ひょっとしたら有り得るかも」と思わせられるのが凄いですね。『フェン・ホール』三人の少年がキャンプに訪れた地フェン・ホールで責任者の夫婦に悲劇が起きる。著者の短編ではこれ程にあっさりと完全犯罪が成し遂げられるのですがよく考えたら恐るべき事ですよね。『父の日』妻以上に子供に愛情を注ぐ異常に過保護な夫が友人夫婦とギリシア旅行に出掛けるのだが・・・・。思わせ振りな疑惑に満ちた結末で妻は一体どうなったのやら?ですね。『ケファンダへの緑の道』幻想小説家に教えてもらった鉄道の跡地の道を探検する私はある日遂に驚嘆すべき緑の道を発見したのだった。ラストを飾るのは売れない作家の哀れな末路が悲劇的ではありますが、珍しくそれ程の悪意を感じさせないファンタジー色の濃い不思議な味わいの怪奇幻想譚でしたね。
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    No.2:
    (4pt)

    『女ともだち』はレンデルの短編の中でもベスト!

    レンデルの短編中で、『女ともだち』は最高傑作といっていい。原書でも読んだが、すばらしい!短いながら、レンデルの魅力要素が集結している。ファン必読の短編だ!

    高齢にもかかわらず、本国ではいいペースで彼女の作品は出版されているのに、日本語版がここのところさっぱり出版されないのは嘆かわしいものだ!
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    4042541194
    No.1:
    (3pt)

    試験対策

    この英語担当の教授が、まぁねぼけた授業するもんで作品の良さがわからん。

    原文読み終わって日本訳はどんなふうに訳してるんだろうとふと興味を持ったんで買ったまでさぁ。

    原文・訳文それぞれの良さが味わえた。なるほどこんな訳になるのかと感心したところもあった。
    女ともだち (角川文庫 赤 541-19 レンデル傑作集 3)Amazon書評・レビュー:女ともだち (角川文庫 赤 541-19 レンデル傑作集 3)より
    4042541194



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