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(短編集)
女ともだち
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女ともだちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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「女ともだち 」。果たして異常なのは、どちらなのか?ああした、普通それこそ、配偶者にも言いずらい、嗜好を密かに隠し持つ彼、そして夫以外の男性に、異常なまでの憎悪と恐怖心を神経症的に抱き、日夜護身道具を持ち歩く女性。不思議な調和に満ちた彼らの秘密の交流の中にも、常にこの女性の神経症的昂ぶりが、重低音の如く見え隠れし、予想される破滅の予兆を静かに匂わせる。そしてまさにラストでの、一気になだれ落ちていく、決定的な破滅!という、緩急全く淀みのない傑作だと思う。 「ダーク・ブルーの香り 」。やはり、男性の方が、信じられないくらい、ロマンチストということでしょうか。 この二人の男女間での、決定的な意識のズレが、やるせない。 「四十年後」。一見、あれは空想力が豊か過ぎる少女の妄想に過ぎなかったのか?と思わせつつ、実はという感じですね。また主人公の少女時代の、人目を忍ぶ男女関係に用いる、ランスロットとギネヴィアの比喩が、いかにも世間知らずの少女の夢見がちな心理を象徴しています。 「殺意の棲む家 」。これはミステリーというより、オカルトと解釈した方が、いいのか? 「ケファンダへの緑の道 」。確かに表現者にとっては、自分の作品については、それこそ、批判さえもされない、全くの無視の方が、よほどこたえるでしょうね。 愛情の反対は無関心とは、よく言われますし。 それこそ身近にさえも、自分の作品の理解者を持てない、売れない作家の悲しみと絶望が、痛切に伝わってくる作品。 | ||||
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暗くて、底意地が悪くて、胸糞が悪くなりました。ストーリーテラーだとは思います。 | ||||
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一時期著作が出版ラッシュで大人気を博しましたが、今は殆ど新作の翻訳刊行が絶えているのが非常に寂しく残念な英国イヤミスの女王レンデルの絶品短編集です。著者は人間の本質的に持っている悪意がもたらす事となる不幸や悲劇が日常茶飯事という何とも気が滅入る世界をこれでもかと徹底的に描き出しますので読んでいると息苦しく厭世観に捉われそうになりますが、好き嫌いは別にしてもこの決して妥協を許さない冷徹な非情さを貫く姿勢には誠に感嘆させられますしある意味で稀有な才能だと思いますよね。 『女ともだち』夫以外の男(女ともだち)との密会という女の危険な遊びはやがて凶悪な破滅へと向かう。ラストの淡々とした筆致に戦慄が込み上げ却ってぞっとしますね。『ダーク・ブルーの香り』若い頃に別れた女が忘れられず老いた男が再び話をしようと近づくのだが・・・・。取り返しのつかないあまりにも痛ましすぎる残酷な勘違いですね。『四十年後』四十年前の14歳の少女時代を田舎の親戚の家に疎開して暮らしていた頃に私が体験した異常な出来事の記憶。若い男と浮気する既婚夫人と夫との三角関係の顛末と決着は大人になった今なら深く理解出来るのですね。『殺意の棲む家』過去に殺人犯が住んでいた為に格安の値段で家を手に入れた夫婦だったが・・・・。人間を狂気に陥らせる家とは?よくぞこんな不吉で恐ろしい話を思いつく物ですね。『ポッター亭の晩餐』恋人とのデートに高級料理店ポッター亭で食事をした男が高い食事代を元雇い主から賄賂として肩代わりされた事に後刻気づく。プライドを傷つけられ怒り心頭に発した男の痛烈な腹いせの倍返しですね。『口笛を吹く男』イギリスからの流れ者の男が富裕な雇い主の男の家で鍵を見つけ着服し何時か別宅を探し出して忍び込んでやろうと考える。狡猾な主人に隠れて悪い事は出来ない物で気がついた時には既に手遅れなのですね。『時計は苛む』老婦人が運良く無人の画廊から欲しかった時計を盗むが次第に心配で気が狂いそうになる。不正に手に入れた物では心楽しめず人は気を病んで遂に身も心も滅ぼされてしまうのですね。『狼のように』素人役者の男が狼の毛皮を身につけふざけて遊ぶのが気に入っていたが気難しい婚約者の女との間で取り返しのつかない事故が起きる。「こんな馬鹿な事が実際に起きてたまるか!」と信じられない気持ちが強いですが、著者にかかると「でも、ひょっとしたら有り得るかも」と思わせられるのが凄いですね。『フェン・ホール』三人の少年がキャンプに訪れた地フェン・ホールで責任者の夫婦に悲劇が起きる。著者の短編ではこれ程にあっさりと完全犯罪が成し遂げられるのですがよく考えたら恐るべき事ですよね。『父の日』妻以上に子供に愛情を注ぐ異常に過保護な夫が友人夫婦とギリシア旅行に出掛けるのだが・・・・。思わせ振りな疑惑に満ちた結末で妻は一体どうなったのやら?ですね。『ケファンダへの緑の道』幻想小説家に教えてもらった鉄道の跡地の道を探検する私はある日遂に驚嘆すべき緑の道を発見したのだった。ラストを飾るのは売れない作家の哀れな末路が悲劇的ではありますが、珍しくそれ程の悪意を感じさせないファンタジー色の濃い不思議な味わいの怪奇幻想譚でしたね。 | ||||
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レンデルの短編中で、『女ともだち』は最高傑作といっていい。原書でも読んだが、すばらしい!短いながら、レンデルの魅力要素が集結している。ファン必読の短編だ! 高齢にもかかわらず、本国ではいいペースで彼女の作品は出版されているのに、日本語版がここのところさっぱり出版されないのは嘆かわしいものだ! | ||||
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この英語担当の教授が、まぁねぼけた授業するもんで作品の良さがわからん。 原文読み終わって日本訳はどんなふうに訳してるんだろうとふと興味を持ったんで買ったまでさぁ。 原文・訳文それぞれの良さが味わえた。なるほどこんな訳になるのかと感心したところもあった。 | ||||
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