運命の倒置法
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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相変わらず重い作品だ。見開き2ページにびっしりと文字が詰まり、しかも事件当時の回想と現代の生活が入り混じった時制が混同する複雑な文章で久々に読むのに時間がかかってしまった。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ルース・レンデルの別名、バーバラ・ヴァインの代表作。 いかにもイギリスらしい階級制度が垣間見える世界観で、こういうの好きです。 最後のオチは、いささか唐突すぎますが、ま、許容できる範囲です。 | ||||
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R.レンドルが別名義で書いた重厚な作品。原題は「The Fatal Inversion」。inversionとは本作の事件の舞台の愛称エカルペモス(Ecalpemos)が"some place"の逆さ綴りであるような意。冒頭から、10年前に主人公アダムを初めとする5人の若い男女が、アダムが相続した田舎の屋敷でコミューン的に暮らしている内に惨劇を引き起こした事が示唆される。アダムが手放した屋敷の動物墓地から、若い女性と赤ん坊の人骨が発見されたのだ。 ここから、アダムの怜悧な悪友ルーファス及び"お坊ちゃん"のアダムの回想と現在とが交互に切れ目無く描かれる。コミューンを構成する他の3人はインド人で生真面目なシヴァ、連れのヴィヴィアンは母性本能豊かで全員の母親代わりの良識人、アダムの愛人ゾシーは情緒不安定で盗癖がある。アダム、ルーファス、シヴァはヤッピー予備軍である。10年前のエカルペモスの夏は酷暑だった。その暑さの中、様々な草花や木々や鳥達の様子が木目細かく描かれ、英国流田園小説の味が濃厚。現在におけるアダムやルーファスの焦燥感と好対照で、物語に重層感を与えている。当然、読者は事件の顛末に興味を抱くが、作者は悠揚迫らぬ筆致で過去と現在の人間模様や田園風景を描きつつ、徐々に核心に迫って行く...。 真相が明かされる終盤で、過去と現在が織り成す人間関係のモザイク模様が鮮明になる。本作をミステリと呼べるか否かはかなり疑問だが、読み応えはある。ルーチン的ではあるが、ラストの趣向も中々皮肉が効いている。題名は、「もし、あの時***していたら、運命は変わっていたのに」の意か。「ロウフィールド館の惨劇」のような奇抜さは無いが、作者の練達した技巧が味わえる歯応えのある作品。 | ||||
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ヴァイン名義で発表された文学性の高い作品なのに、ちゃんとミステリになっています。題名からしてミステリらしくないのですが、単に小説として読んでも、ミステリとして読んでも楽しめると思います。 冒頭の白骨屍体の発見から、十年前の事件が現実と交錯しながら少しずつ明らかになるのですが、こうしたところにも著者のトリックが仕掛けられていて、終盤で「あれっ?」と言わされてしまいました。私はこれまで多くのミステリを読んできましたが、こんなに自然に驚かされたのは初めてでした。 また、ムード溢れる作品で、楽園に喩えられた舞台となる邸宅の様子の移り変わりはとても印象的でした。結末は、ハッピー・エンドかどうかは見方によって違うでしょう。私はあれで良かったんじゃないのかと思います。ラストのくだりにはカタルシスを感じました。 | ||||
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