偽りと死のバラッド



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初公開日(参考)1987年08月
分類

長編小説

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偽りと死のバラッド (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)

1987年08月31日 偽りと死のバラッド (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)

キングズマーカムの町始まって以来の大イベント、8万人を集めた野外コンサートは無事おわった。だがウェクスフォードの安堵も長くはつづかなかった。会場となった緑地のはずれから、とんでもないものが見つかったのだ。顔面を無残に叩きつぶされた女の死体である。被害者は地元出身の女、ドーン・ストーナー、そして殺害時刻はコンサート以前と判明した。ドーンが緑地へ向かうのは近所の主婦が見ていた。ドーンは何のためにそこへ行ったのか?そして死体の着衣が変っているのはなぜなのか?ウェクスフォードの捜査の前に、やがて恐るべき悲劇の構図が浮かびあがってくるのだが。 (「BOOK」データベースより)




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偽りと死のバラッドの総合評価:7.50/10点レビュー 2件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

ムーヴメントを食い物にする者たちの宴

1973年の本書はキングスマーカムという田舎町でロックフェスティバルが催されるというシーンから始まる。1969年に開催され、今や伝説となっているウッドストックからブームになった。レンデルが本書でも扱っているぐらいだから当時の熱狂ぶりは凄かったのだろう。

今回の事件はそのロックフェスティバルが開催されている会場で最終日に顔を潰された女性の死体が発見されるというもの。フェスティバルの乱痴気騒ぎの中で殺された者かと思いきや、それが始まる前に殺されたことが判明するが、被害者ドーン・ストーナーは服を二種類持っており、また死ぬ直前に誰かと食べるためと思われる食材を買い込んでいた。しかもドーンはフェスティバルの出演者ジーノと知り合いだった。
この一見何でもないような殺人事件だが、犯行当時の状況にどうにも説明のつかないところがあるという違和感が実にレンデルらしい。

この奇妙な事実と被害者とフェスティバルの出演者との奇妙な繋がりから事件の謎が綻び、全容が浮かんでくる。

本書における犯人は実は物語の5/6辺りで突然犯人による自供によって判明する。しかし本書におけるメインの謎は犯人は誰かではなく、なぜ被害者は殺されるに至ったかというプロセスにある。

本書の原題は“Some Lie And Some Die”。ジーノ・ヴェダストの「レット=ミー=ビリーブ」という歌に出てくる歌詞の一節だ。
「だれかは偽り、だれかは死ぬのか」。

これはレンデルから世の大衆に向けての痛切なメッセージなのだ。
当時ヴェトナム戦争、欧米とソ連との一触即発の緊張関係など荒んでいた政情に反発した民衆が音楽で世の中が変えられると信じ、ロックスターをアイコンにして運動を起こしていた。しかしそのアイコンたちはラヴ・アンド・ピースを叫びながら、実はそれを食い物にし、アイコンに群がるファンたちを弄び、金儲けしていたという事実。
君たちの信じる者は所詮虚栄に過ぎないのだという警句を本書で投げかけている。
本書が1973年に発表されたことを考慮して初めて本書が当時書かれた意義が解る(とはいえ、本書を読み終えた後に冒頭の献辞を読むと母から子への痛烈なメッセージにも取れて苦笑してしまうが)。

ただ単純にロックフェスティバルが流行っているから作品を一つ仕上げたのではない。レンデルはそこに一種の疑問と危機感を読み取り、それを小説として形にしたのだ。
改めてレンデルは世の狂乱の渦とは一線を画した視座で世の中を観ている作家であることを認識させられた。


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Tetchy
WHOKS60S
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No.1:
(4pt)

正当な警官小説

ウェクスフォード警部シリーズ第8弾。

フェスの最中、顔面を殴打された女性の死体が発見される。早々に地元出身の女性であることが判明するが、どこから来たのか、何故、舞い戻ってきたのかが突き止められまない。そもそも被害者には地元に帰る理由がないのだ…。

ねじれた心理描写がお得意の著書だが、本作品は至極正当な警察小説である。足で証拠を集める警官たちがたどり着いた真実は…という、じれったくもある過程が楽しめる。

結局のところ、やっぱりねじれにねじれていたというオチではある。フェスのスターの歌詞にねじれの一端が垣間見えるという凝りようだ。
偽りと死のバラッド (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)Amazon書評・レビュー:偽りと死のバラッド (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)より
4042541135



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