黒いアリバイ



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初公開日(参考)1977年12月
分類

長編小説

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黒いアリバイ (創元推理文庫 120-10)

1977年12月01日 黒いアリバイ (創元推理文庫 120-10)

衆人環視のなかを逃げだして姿をくらました黒豹は、アメリカからの一女優の旅興行の宣伝のために連れてきたものだった。やがて、ずたずたに引き裂かれた娘の死骸がひとつ、またひとつ……追いつめられた犠牲者の恐怖と寂寥を描かせては並ぶ者のない、アイリッシュの、南アメリカの架空都市を舞台にした《ブラック》もの。完訳決定版! (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

黒いアリバイの総合評価:7.75/10点レビュー 4件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

タイトルはなぜ“アリバイ”?

やり手の興行マネージャー、マニングが売り出し中の女優キキ・ウォーカーの出演劇への入場演出として持ち出した黒豹が突如として逃げ出し、街の只中へ消えてしまった。その日が街の暗黒の日々の始まりだった。街の各所で女性の惨殺死体が発見される。死体の様子は明らかに獣が執拗に牙で噛み、爪で切り裂いた見るも無残な状態だった。しかしただ一人マニングだけは獣の仕業と見せかけた殺人事件だと頑なに信じるのだった。

今回もアイリッシュは上のような魅力的なシチュエーションを用意してくれた。1942年の作品だが、今を以ってもこのような設定の物語は出逢った事が無い。そしてアイリッシュが語る黒豹は詩的で美しく、そして強靭だ。
1章ごとに語られる女性の殺害譚は今までのアイリッシュ=ウールリッチの手法どおり、それ自体が一つの短編のように語られる。被殺人者の人となりを家族構成、今おかれている経済的な立場をしっかり描き、殺人に至る、なぜ殺人現場に行くことになったのか、居る事になったのかを入念に描くのだ。それは日常であり得る私・貴方の生活風景であり、またどこかにいる上流階級・下層階級の日常なのだ。これが抜群に上手い。

ここまで褒めていて何故星7つなのか。それは真相の呆気なさ故である。
各章で語られる殺人劇には第2被害者のコンチータまで死の直前まで豹が迫ってきたところまで描かれており、殺人後の現場調査も豹のいた形跡をはっきりと示している。これをどうにか上手く処理するために非常に突飛な結末を用意している。これが非常に戯画的でアイリッシュの設けた空間にそぐわない。
また今回は登場人物表に欠点があった。ミステリにおいて犯人というのは登場人物表に挙げられる人物でなくてはならない。今回の表は極限までに登場人物が絞られていた。途中疑いを掛けられる人物さえその名が無いほどだ。これはかなり痛い。

そしてとどめはタイトルの無意味さ。何故このタイトルなのかが最後になっても解らない。同じ「黒」シリーズとするならばやはり本作で最も相応しいのは『黒豹』・『黒い豹』・『黒い獣』とかだろう。
本作が他のアイリッシュ作品と比べてミステリファンの話題に上らないその訳を垣間見てしまった。


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No.3:
(4pt)

夜の闇の中、次々に殺されていく娘たち!真犯人は黒豹か、人間か?手に汗握る対決。

ダンサー兼女優のキキの宣伝のために、マネージャーのジェリー・マニングは、大人しい黒豹を借りてくる。キキと散歩中に、黒豹は逃げてしまい、警察がいくら探してもみつけられなかった。やがて、黒豹のしわざとみられる殺人事件が起こり始める。必ず夜中、被害者は若い娘、目撃者はなし。マニングは「本当に豹がやったのだろうか?」と疑うが、警部のロブレスは笑って相手にしない。4人目の犠牲者が出たところで、事態は急展開する。このあとは、ノンストップでラストまで突っ走る。犯行に無理があるが、ハッピーエンドなので、そこは眼をつむることにする。本当にこの作家は、都会の夜の孤独と、美しさを描くのが上手ですね。
黒いアリバイ (創元推理文庫 120-10)Amazon書評・レビュー:黒いアリバイ (創元推理文庫 120-10)より
4488120105
No.2:
(4pt)

殺される者の寂寥感

物語は宣伝の為に連れてこられたクロヒョウが、街中で逃げ出すところから始まります。

そして次からの各章は、殺される人達の物語が・・・
どの様な生活をしていて、なぜその時その場所にいたのか、そして殺されるに至るまでの恐怖。

一方でこの事件を追う男たち。
クロヒョウはどこにいるのか?
そして、殺され方のあまりの残虐性から沸き起こる疑問。。。

ジャンルでいえばサスペンスなのでしょうか。
あまり評価は高くなさそうですが、この著者独特の孤独感、寂寥感を感じました。
黒いアリバイ (創元推理文庫 120-10)Amazon書評・レビュー:黒いアリバイ (創元推理文庫 120-10)より
4488120105
No.1:
(4pt)

ブラック・シリーズの中ではイマイチかな

コーネル・ウールリッチ名義でブラック・シリーズの3作目として発表された作品です。南米のある都市で人間に飼われていた黒豹が逃亡し、その後女性の惨殺事件が何件も起きるという話。警察は当然、豹の仕業として捜査を進めるが、果たして真相はどうなのかということが興味の焦点です。『黒衣の花嫁』や『喪服のランデブー』でも用いられた、被害者を主人公とした短編小説がいくつも連なってひとつの長編小説になるという趣向が今作でも使われています。しかし、前述の2作と比べるとその効果はいまひとつのように感じられます。主人公が個性的でないことと、恋愛が殆ど登場しないことがその理由でしょうか。ほんの一部分だけ恋愛が登場するのですが、その部分だけ突出して筆が活き活きとしているところに、ウールリッチの個性が見え隠れします。
黒いアリバイ (創元推理文庫 120-10)Amazon書評・レビュー:黒いアリバイ (創元推理文庫 120-10)より
4488120105



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