(短編集)

晩餐後の物語: アイリッシュ短編集1



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    初公開日(参考)1972年03月
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    短編集

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    晩餐後の物語―アイリッシュ短編集 (1) (創元推理文庫)

    1972年03月10日 晩餐後の物語―アイリッシュ短編集 (1) (創元推理文庫)

    戦後のわが国に紹介されたミステリ作家のなかで、もっとも広く歓迎されたサスペンス・スリラーの第一人者ウィリアム・アイリッシュの傑作の粋を集めた待望の短編集。大都会のなかの人間の孤独、しのびよる死の影の戦慄、絶望と焦燥にさいなまれる犠牲者等、常に意表をつく技巧と主題の多様性に加えて、作者の独壇場ともいうべき哀切な雰囲気描写と緊迫したサスペンスは永遠に読者を魅了せずにはおかない強烈な磁力を秘めている。1には、名作「晩餐後の物語」をはじめ、「遺贈」「階下で待ってて」「金髪ごろし」「射的の名手」「三文作家」「盛装した死体」そして、日本を舞台にした「ヨシワラ殺人事件」の八編。 (「BOOK」データベースより)




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    晩餐後の物語: アイリッシュ短編集1の総合評価:7.75/10点レビュー 4件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (7pt)

    アイリッシュの本質が垣間見れる

    アイリッシュの経歴によれば、当初は普通小説の作家から短編作家へ転身しており、彼の本質は短編にあるとの見方もある。実際、諸々の長編の中には短編で扱った題材を焼き直ししたものも多くないという。そんな前知識を与えられていた上で臨んだ初の短編集は、とりあえず水準をクリアしているとの印象を得た。

    アイリッシュと云えば叙情溢れる文体と読んだことのないようなシチュエーションというイメージが強いが、本作品集においてもそれは発揮されている。8作品のうち平凡な設定であるのは「盛装した死体」と「ヨシワラ殺人事件」の2作品のみ。
    前者はアイリッシュには珍しい本格ミステリで借金の返済に困った男が仕掛ける完全犯罪を扱っている。倒叙物で刑事が執拗に犯人を追い詰めるさまはアイリッシュの長編にも通ずるものがある。
    後者は日本に停泊中に吉原を訪れた水兵が巻き込まれる殺人事件。恐らく作者が日本を訪れたときに強く印象が残ったのであろう、なかなかに細かく日本が描写されている。しかしところどころ勘違いしている内容もある(番犬の代わりにコオロギを買っているなんていうのは聞いたことが無いし、結末の切腹も西洋人にとってやっぱり日本といえばこれになるのかとがっかりした)。

    その他6編ではやはりアイリッシュならではの魅力的な導入部を用意してくれている。
    表題作「晩餐後の物語」は7人の男が乗り合わせたエレベーターが事故で地下まで墜落し、その中で起きた殺人事件についての復讐譚という内容。最後のどんでん返しもなかなかなのだが、エレベーターが落ちるときはバウンドするというのと乗客は即死しないという点が引っかかった。
    次の「遺贈」は夜、疾走するスポーツカーのカージャックという内容。展開が読めたが、死体が何者かを明らかにしないのが逆に新鮮。

    「階下で待ってて」はいつも階下で待っている男という設定が都会の一シーンを切り取る彼らしい作品。次の「金髪ごろし」の地下鉄の入り口にある新聞売り場を中心に繰り広げられる形もその例に漏れない。
    「射撃の名手」の詐欺師が陥る犯罪事件も短編にしては濃厚な内容である。アイリッシュらしい強引な設定ながらも最後の一行にも気を配るあたり、余裕が感じられた。
    「三文作家」は原稿を落とした作家の代わりに作品を仕上げることになった作家の話。これははっきり云って最後のオチからしてミステリではない。恐らく作者自身の経験から生まれた作品だろう。

    今回の中でのベストは「金髪ごろし」に尽きる。それぞれの客に金髪美女殺されるという見出しの新聞に対するそれぞれの事情。最後に出てくる実業家が洩らす一言は果たして真実なのか?都会派小説というか、群衆小説というか都会の一角で新聞売り場を中心に描いた小説はアイリッシュの洒落た感覚で物語を紡ぎだす。新聞を買うそれぞれの客のドラマが描かれる。題名の金髪ごろしはこれらの人間たちを描写する1つの因子に過ぎないところがいい。だからこそ逆に最後の言葉が余韻を残す。事件は解決されないながらも最も印象の残る作品となった。

    次点では「階下で待ってて」か。純な日常の出来事がやがて国際的スパイ組織の陰謀と繋がっていくというのは派手派手しいが、短編でここまで読ませることに賛辞を送りたい。題名もなかなかである。

    長編では復讐譚がほとんどだが、短編ではヴァリエーション豊かな物語があり、愉しませてくれた。一気に読むのが勿体ない、そんな気にさせてくれる。昔の作品なのに訳も違和感なく、むしろ風格さえ漂っている。
    評価は7ツ星だが限りなく8ツ星に近い。それは単純にアイリッシュに対する要求が高いゆえなのだ。


    Tetchy
    WHOKS60S
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.3:
    (5pt)

    とても状態のよいお品です

    発行から20年以上たっているにもかかわらず、とても状態のよいきれいな本でした。
    晩餐後の物語―アイリッシュ短編集 (1) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:晩餐後の物語―アイリッシュ短編集 (1) (創元推理文庫)より
    4488120032
    No.2:
    (2pt)

    ・・・いまいち

    たまたま、アイリッシュの存在を知って、紹介が面白かったので買ってみたのですが・・・
    説明不足っていうか、状況の描写がされてないっていうか、
    トリックだけでひっぱてて、話の内容が無いっていうか、
    短編だから仕方ないのか?
    特に「遺贈」、いやいや、その前段階の話の種明かしもしろよ、て感じで
    とても消化不足。
    なかでまともだったのは「三文作家」だけど、
    これはほかの作品とは逆に、必要も無いのに話を延ばしてる感があったけど
    これくらいの方が親切だと思う。
    結構、作品数も多そうなのに、そこまで有名でないのはそれなりの理由があるんだなと思いました。
    でも、とりあえず、次回は長編を読んでみようかな。
    晩餐後の物語―アイリッシュ短編集 (1) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:晩餐後の物語―アイリッシュ短編集 (1) (創元推理文庫)より
    4488120032
    No.1:
    (5pt)

    ヨシワラ殺人事件

    アイリッシュの小説は大きく分けて3タイプあり、そのどれが彼の真骨頂かということについては評者によって立場が異なっています。第1のタイプは『幻の女』や『暁の視線』のようなタイム・リミット物。第2のタイプは『黒衣の花嫁』や『喪服のランデブー』のようなブラック物。そして第3のタイプが短編です。どのタイプもそれぞれ魅力的なので、私にとってどのジャンルが一番か、それを考えるのは楽しくも悩ましい行為です。

    この『晩餐後の物語』は創元推理文庫のアイリッシュ短編集の第1巻にあたります。各々の作品の発表年が書いていないのですが、概ね時代順に並べてられています。第3巻の『裏窓』に比べると哀愁味はやや弱いようですが、その分心理的なサスペンスはさすがといったところです。ところで、ここに収められている「ヨシワラ殺人事件」はタイトル通り日本を舞台にしたものなのですが、アイリッシュはどうして日本の事情にこんなに詳しいのでしょう。欧米人が小説の中に日本を登場させたものの中で、こんなに正確なものを読んだことがありません。
    晩餐後の物語―アイリッシュ短編集 (1) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:晩餐後の物語―アイリッシュ短編集 (1) (創元推理文庫)より
    4488120032



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