夜の闇の中へ



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初公開日(参考)1988年07月
分類

長編小説

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夜の闇の中へ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

1994年11月01日 夜の闇の中へ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

あなたが果たせなかったことを、わたしが成し遂げてみせる…拳銃自殺に失敗し、誤って見知らぬ女性を死なせてしまったマデリンは、その女性、スタアの身代りとなって生きようと誓う。マデリンはスタアの過去をさぐり始め、彼女が生前に、自分の人生を破壊した人々への復讐を決意していたことを知る―サスペンスの詩人が遺した未完原稿を、実力派作家ブロックが補綴。若い娘の憎悪と情熱、愛と復讐を描く幻の遺作長篇。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

夜の闇の中への総合評価:8.40/10点レビュー 5件。Cランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

面白かった。

読み応えがありました。

わたろう
0BCEGGR4
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ブロックよ、いい仕事したなぁ

ウールリッチの未完原稿をローレンス・ブロックが後を継いで完成させた本書。

生活に絶望した女、マデリンは以前からある古びた拳銃で自殺をしようとしていた。しかし、その拳銃からは弾は発射されず、自殺は失敗するが、それを勝ち得た生と信じた彼女は喜びのダンスを踊る最中に拳銃を落としてしまい、その拍子に屋外へ誤射してしまう。果てして弾丸は通りすがりの若い女に直撃し、彼女は絶命する。目撃者はおらず、誰かが通りがかりの車が殺して去ったという言葉が証言となり、彼女は容疑の外へ。マデリンは自分が命を奪った女、スタアの無念を思い、彼女の生前の願いを適えようとする。それはかつて幸せな結婚生活を奪った女とかつて幸せな結婚生活を築いた夫の命を奪うことだった。

設定は正にウールリッチらしく、流れるような文章で陰鬱な状況が語られる。特に冒頭の誤射の殺人の容疑からマデリンが外れるあたりの都合のいい件(くだり)はウールリッチそのものだ。ウールリッチはその設定の面白さを愉しむことに意味があり、この辺のおかしさは気にならず、むしろウールリッチ・テイストに酔ってしまった。
しかし、詩のように流れる優美なウールリッチ節はその後、成りを潜めるかのように文章が前よりも論理的で整然としているのが見受けられた。解説では冒頭と結末の方をブロックが補綴し、中間はほとんどウールリッチの手になるものだとのことだったが、私は読書の最中、ブロック自身が、物語のムードを継承しつつ、自身の作家としての矜持も保ちながら書いていると思っていた。違うとなれば、ほとんど区別がつかないわけで、ブロックの練達の筆巧者ぶりに全く以って脱帽である。

プロットとしては最後の一撃については結構驚かされたものの、読み進むにつれ、いささか使い古された手法であったと気付く。しかしそこはブロック。前に散りばめた布石を固め打ちして、設定の弱さを上手くカヴァーしている。特に最後にマデリンがデリックを撃たない場面は下手な三文芝居に堕さないぎりぎりのところで踏みとどまったという感があり、また最後の結末について読者に複雑な想いを抱かせる辺り、憎らしいほどである。
しかも、冒頭の一文、「はじめに、音楽があった」に呼応する形で終わる、これが非常に巧い!!はじめにある音楽と最後に聞く音楽は全くその意味が異なり、相反するものである。この冒頭文及び結末がブロックの追記によるもので、これによって物語としては一クラス上に行った感がある。

筆を進めるに連れ、ここいらの始まりと終わりのアレンジはやはりブロックの作家としての矜持を覗かせる心憎い演出で、この二つの、云わば物語にとって最も肝心要の部分において最高の仕事をした、それだけでブロックの手腕は評価に値するのである。

Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.3:
(5pt)

遺作!

あるドラマの原作で作者のことを知り、購入。
まだ、読み終えていませんが、他の作品が映画化されているので、期待しています。
夜の闇の中へ (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:夜の闇の中へ (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150706050
No.2:
(4pt)

最後がウールリッチらしくないが

主人公は一人の女と一人の男の殺人を計画するが、女の殺しで一つの山場を迎え、男の殺しで再び山場を作る手法は見事で、未完のままで終らせて日の目を見ずにおくのは惜しいと考えたのもむべなるかなと。解説では未完だったこの作品にローレンス・ブロックがどの部分に手を加えて完成させたかを詳しく紹介してあるが、結末はやはり解説に書かれてあるように下向きの結末の方がウールリッチらしかったと思う。
夜の闇の中へ (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:夜の闇の中へ (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150706050
No.1:
(5pt)

畢生の佳作となった遺作

ウイリアム・アイリッシュの別名で書かれたミステリー。
ウールリッチは結末を書く前に病死してしまいますが、結末はローレンス・ブロックが付け足しています。ご都合主義? いいえ、これしかない、というぎりぎりの選択の上で、アンハッピーなのにハッピーエンドという不思議な幕引になっています。ローレンス・ブロックの優しさに救われた思いがします。
余韻、余香のかぐわしさに何度でも読み直したくなります。
作家の資質、志向が非常に色濃くにじみ出ており、遺作になったのもうなずける、人間の根源的な哀しみを描写しています。
わかりあえない、手探りの人生。
しかし「愛する者」が果たしてどんな人間だったのか探る旅に出たときに、主人公マデリンの人生も大きく動き始めます。
嘘で固めた旅? いいえ、いいえ、通り一遍の感想では本書の不思議な魅力を語ることはできないでしょう。
ミステリー以前にビルドウングス・ロマンとしてもっと多くの人に読んでもらいたいです。
装丁が雰囲気にぴったりあっていてほの昏い演出を加味しています。
夜の闇の中へ (Mysterious press books)Amazon書評・レビュー:夜の闇の中へ (Mysterious press books)より
4152033584



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