死者との結婚



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    初公開日(参考)1976年11月
    分類

    長編小説

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    死者との結婚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 9-3)

    1976年11月01日 死者との結婚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 9-3)

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    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    死者との結婚の総合評価:8.20/10点レビュー 5件。Cランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (7pt)
    【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

    物語の裏にアイリッシュの境遇が垣間見える作品

    アイリッシュ=ウールリッチお得意のサスペンス。1人の女性の運命が翻弄されるプロットが実に心憎い。やはりアイリッシュは、こうでなくてはならないという期待に必ず応えてくれる信頼できる作家だ。

    アイリッシュの作品の登場する女性には悪女という冠がつくことが多いが、本書の主人公ヘレン・ジョーゼッソンは列車転覆事故がきっかけで実業家の息子と結婚した女性に成り代わるのに、彼女は決して悪女ではないのが特徴的だ。

    彼女は運命に翻弄されるか弱い女性であり、常にいつ自分のついた嘘がばれないか、怯えている。しかも彼女を受け入れてくれたハザード家がこれまた善人たちの集まりであり、そんな善良な人たちを騙す行為に常に罪悪感が抱いているのだ。

    しかし彼女は決して真実を話そうとはしない。なぜならば折角得た幸福を逃したくないという願望が強いからだ。
    冒頭で語られる人生が変わるまでの彼女の人生はなんとも悲惨なものだ。8ヶ月の胎児を孕んだ身重でありながらその父親は賭博師で認知もせず、彼女にたった5ドルと彼女の故郷までの切符を郵送で送りつけただけ。貧乏のどん底に逢った彼女のよすががこのろくでなしの彼スティーヴンだけだったのだ。
    そんな彼女に降って湧いたような豊かな生活。これは誰しもそう簡単に手放せるわけでないだろう。

    アイリッシュのプロットはよくよく考えると非現実的だ。本書でも実業家の息子ヒューの花嫁パトリスが相手の両親に逢った事もないのに結婚をしている。これは今では考えられないシチュエーションだ。
    しかし詩的な文体が織成す前時代性的雰囲気、そして行間に流れる登場人物の哀切な心情が読者の共感を誘い、一種の酩酊感すら覚え、これが一種荒唐無稽な設定に疑問を抱かせず、流麗な筆致で語られる物語へ没入させられるのだろう。

    しかし私が本書で語りたいのは本来の幸せの形ということではなく、作者アイリッシュに対する母親という存在についてだ。
    本書が発表されたのは1948年。『暗闇へのワルツ』、『喪服のランデヴー』と同時期に書かれ、正にアイリッシュが作家として爛熟期にあった頃だが、実はこの頃アイリッシュは同居していた母親が重病となるという不幸に見舞われている。恐らく彼女の看病をしながらの執筆活動だったと思われるが、本書でも義母グレースが重病に瀕しており、いつ死んでもおかしくない状況であり、ヘレンを含めた家族はとにかく刺激を与えるような事を知らせないように神経質に動いている。
    まさにこれこそ当時のアイリッシュの状況を髣髴とさせる。

    そんな意味からも本書は今まで読んだアイリッシュ作品の中でも、実に彼の素顔が色濃く現れており、それが悲痛な叫びと感じられる、物語の外側が妙に意識させられる珍しい作品だった。


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    Tetchy
    WHOKS60S
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.4:
    (5pt)

    サスペンスよりメロドラマに重点がおかれた作品

    不安に苛まれる若妻の独白からはじまる今作。次の章で、貧しく不幸で身重のヘレンが列車内で裕福な若夫婦に出会う描写がはじまる。列車事故で夫婦は亡くなり、ヘレンが若妻パトリスと間違えられて、生れた赤ん坊と共にハザード家に迎え入れられる。幸せな日々のあと脅迫状が届くようになり…何度も本当のことを打ち明けて出ていこうとするヘレンだが、赤ん坊の将来や、心臓の弱い優しい義母が心配になったりで実行できない。サスペンスよりもヘレンと義弟ビルのメロドラマに重点がおかれていて、ビルの愛の告白シーンは全ての女性をロマンチックな気分にさせてくれる。
    死者との結婚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 9-3)Amazon書評・レビュー:死者との結婚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 9-3)より
    4150705534
    No.3:
    (4pt)

    繰り返しの多い文

    ラブコメディになった映画版のほうを先に見ていて、ミステリー小説が原作だと聞き興味を持って読みました。軽いミステリーは好きなんですが、この作品は文章が凝っていて…長さと相まって少し疲れました。面白いのは確かです。「あたくし」という元場末の女の主人公が時代を感じさせます。
    死者との結婚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 9-3)Amazon書評・レビュー:死者との結婚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 9-3)より
    4150705534
    No.2:
    (4pt)

    若い方におすすめしたい

    若いうちに読んでおいた方が感激する、逆にいい歳こいて読むと良さがわからなくなってくる。そんなタイプの小説のひとつ。着想の妙と文体で読ませるので、雰囲気にドップリはまれる感受性があるうちに読んだほうが良い。何十年も前の訳文なので、小説を読みなれている人でないと読みづらいかもしれない。(この当時の訳としては非常に良いのだが)
    死者との結婚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 9-3)Amazon書評・レビュー:死者との結婚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 9-3)より
    4150705534
    No.1:
    (4pt)

    死者と結婚するってどういうこと?

    読む前はタイトルの『死者との結婚』というのは単なる比喩なのだろうと思っていました。ところが、読んでびっくり。この本の女主人公は本当に死亡した男性と結婚してしまうのです。よくもまあ、こんなアイディアを思いついたものです。その点以外には特に魅力はなかったりもするのですが、それだけで十分という気がします。
    死者との結婚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 9-3)Amazon書評・レビュー:死者との結婚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 9-3)より
    4150705534



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