暗闇へのワルツ
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点10.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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まさかアイリッシュがこんな悲恋の物語を書こうとは思わなかった。冒頭、別人になりすました若き淑女の登場から、度重なる齟齬から発覚する、花嫁入替りの事実。その事実が発覚すると同時に主人公の巨万の富を持ち出して逃亡する花嫁。復讐の鬼と化した主人公は1年と1ヶ月と1日を費やし、とうとう彼女を捕まえる。しかし、そこで彼女の巧みな話術によって誑かされ、結局彼女とまた2人の生活を始める。それが彼の正に人生の大きな過ちの始まりだった。花嫁の捜索を頼んだ探偵を自ら殺めることで闘争の日々が始まり、拠点を転々とし、ついに私財も底を尽く。彼女に唆されて博打ぺてんを仕掛けたものの、呆気なくばれて、ついに一文無しになり、彼女は昔付き合っていた悪党に手紙を送り、とうとう主人公の保険金殺人を図るのだが・・・とまあ、波乱万丈な物語で特に主人公が復讐を成し得なかった辺りから正に先の読めない展開となり、主人公は人生の落伍者へと、花嫁は希代なる悪女へと転進していく。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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何のしがらみもなければ、とことん恋に狂い罪に手を染め、美しき悪女に破滅させられ終わるのが男の理想的終焉かもしれない。 | ||||
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本作品は2回映画化されている。カトリーヌ・ドヌーヴ主演版と、アンジェリーナ・ジョリー版。まっとうに生きてきた男が、悪い女と生活を共にしているうちに、悪に染まってしまう話。男が愚かなのだが、一途に女を思う愛の美しさに胸うたれる。エンディングは映画とは違っているがより悲愴である。映像表現では伝わらないものを美しい文章で味わえるのは読書の醍醐味である。 | ||||
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彼の長編作品の中でも屈指といっていい名作。しかしながら初めて読んだアイリッシュの作品がこれだとしたら運がいいとは言えない。奇想天外なストーリー展開、登場人物の性格の極端さ、そうしたものに納得いかないかも知れないからである。この作品を読む前にまず彼の代表作に触れてみることをお勧めする。そしてアイリッシュの描く強烈な個性をもった女たちの生き様、独特のストーリー展開を味わってほしい。その上でこの作品に挑めば必ず拍手喝采を送るはずである。この作品をミステリだとか恋愛小説だとか型にはめてよまない方がよい。あえて言うならばサスペンスに基調をおきながらも、登場人物の心理を徹底的に描写しつくした「アイリッシュ」というひとつのジャンルである。 余談だが現代サスペンスの巨匠シドニィシェルダンは彼の影響を強く受けているに違いない。この作品を読んでそう確信した。その意味ではシェルダンファンも必読の書である。 | ||||
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彼の長編作品の中でも屈指といっていい名作。しかしながら初めて読んだアイリッシュの作品がこれだとしたら運がいいとは言えない。奇想天外なストーリー展開、登場人物の性格の極端さ、そうしたものに納得いかないかも知れないからである。この作品を読む前にまず彼の代表作に触れてみることをお勧めする。そしてアイリッシュの描く強烈な個性をもった女たちの生き様、独特のストーリー展開を味わってほしい。その上でこの作品に挑めば必ず拍手喝采を送るはずである。この作品をミステリだとか恋愛小説だとか型にはめてよまない方がよい。あえて言うならばサスペンスに基調をおきながらも、登場人物の心理を徹底的に描写しつくした「アイリッシュ」というひとつのジャンルである。 余談だが現代サスペンスの巨匠シドニィシェルダンは彼の影響を強く受けているに違いない。この作品を読んでそう確信した。その意味ではシェルダンファンも必読の書である。 | ||||
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これぞアイリッシュ節全開といった趣きの作品です。はっきり言って推理小説としては全然良くありません。真相は最初からバレバレです。純愛小説としても大甘。リアリティのかけらもありません。しかし、それでも私はこの本を読むと涙が出そうになってしまいます。この、冷静に考えると凡作なのに読者を引き込んでしまう詩情こそがアイリッシュの魅力なのでしょう。『喪服のランデブー』とこちらのどちらが最高傑作か、思わず悩んでしまいます。 文通をきっかけに一度も会っていないにもかかわらず結婚することになった男と女。男が港に出迎えに行くと、船から下りてきたのは写真とは似ても似つかない絶世の美女でした。彼女は恥ずかしいので姉の写真を送ったのだと言います。しかし、真相は本物の婚約者を殺してなりすましているのでした。次に狙われるのは主人公の男性です。しかし、彼は彼女を信じようとします。そこのところが甘ちゃんです。犯行がバレた後に彼女は改心を誓うのですが、それを簡単に信じてしまう男は常識的には大馬鹿でしょう。だけど、私には彼の気持ちがよくわかります。アイリッシュもまた、人の心を信じたくて仕方なかったのでしょう。 | ||||
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