夜は千の目をもつ



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初公開日(参考)1959年01月
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長編小説

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夜は千の目を持つ (創元推理文庫 M ア 1-4)

1979年07月01日 夜は千の目を持つ (創元推理文庫 M ア 1-4)

星のふる晩、青年刑事ショーンは、川に身を投げようとしている娘を救った。彼女の父親が死を予言されたというのだ。予言者は今まで正確きわまりない予言をしてきた謎の人物だという。父親は実業家であり財産家だった。犯罪計画の匂いがありはしまいか?ショーンの要請で警察の捜査が開始された。アイリッシュの真骨頂を示す不朽の名作。 (「BOOK」データベースより)




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夜は千の目をもつの総合評価:6.86/10点レビュー 7件。Dランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

題名が詩的なだけに勿体ない

アイリッシュ=ウールリッチの詩的で叙情的な文体はタイムリミット物のサスペンスに緊迫感だけではなく、美酒を片手に飲みながら物語を読んでいるような陶酔感を与え、豊穣な気分をもたらしてくれるのだが、それが曖昧模糊とした雰囲気を纏っているせいもあり、時には物語の進行を妨げるファクターにも成り得る。
本作はそれを実証したかのような作品だ。

今回アイリッシュが用意した設定はこのようなものだ。
仕事の帰り道で偶然出くわした自殺間際の女性を刑事ショーンは間一髪で助ける。事情を聴くと、父が死に直面しているのだという。父はひょんなことからある予言者と出逢い、彼の信望者となっていた。その預言者トムキンズは人智では説明できないような力を持っており、彼の予言は全て当たった。ある日、トムキンズは女性の父親ハーラン・リードに3週間後に獅子に喰われて死ぬという予言をする。その娘ジーンは夜が来るたびに死に近づく父に絶望し、川に身を投げようとしたというのだった。ショーンは上司マクマナスと共にハーラン・リードを予言から守ることを決意する。予言を阻止すべく必死の捜査、護衛が始まった。

どうだろう?
通常であればアイリッシュならではの独創的なプロットだと感嘆するのだが、今回は物語を構成するそれぞれの材料に無理を感じてしまうのだ。
まずジーンが川に身投げする動機があまりにも浅薄で頼りない。この自殺未遂がきっかけで警察に助けてもらうようになるのだから、結構重要な因子であるのだが、純文学的といおうか、何とも摑みどころのない動機ではないか。
次に“予言を阻止すべく警察が捜査・護衛に当たる”。実はここで私はかなり引いてしまった。
通常、警察とは事件が起きてから捜査に乗り出すものである。事件を未然に防ぐための予備捜査・予備護衛は警備会社とか小説では私立探偵の仕事になるだろう。ここのリアリティの無さでこの小説の内容には没頭する興味を80%は失ってしまった。

これ以降、物語は退屈を極めてしまった。アイリッシュのいつもの文体が事件の確信を直接に触れず、婉曲的に周囲を撫でつけているように感じ、もどかしくなり、また予言が現実となるその時までの主人公と親子3人の重圧感ある心理的駆け引きの模様は単純に暑苦しいだけである。

恐らく今まで読んだアイリッシュ=ウールリッチ作品の中にもこのように設定それ自体にリアリティが欠如していたものがあったかもしれない。しかし今までの作品にはその瑕疵を感じさせない「説得力」があったように思う。
今回はそれが無かった。詩的な題名も読後の今はもはや虚しく響くだけである。


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Tetchy
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.6:
(3pt)

終わり方がいまひとつ。

あることがきっかけで、予知能力を持つ男を知り、株の取引にその男の予知能力を利用していた金持ちの男が、自分が利用していた男から、自分が3週間後に死ぬと予告される。……その金持ちの男の娘が、父親の死期が近づくのが耐えられないと言って自殺を図ろうとしたところを、通りかかった刑事に助けられる。……事情を知った刑事が、上司に報告し、その上司と同僚とともに、男を救うため=”事件”を未然に防ぐため、八方手を尽くすが……という話。
 ※以下ネタバレ
 同じウィリアム·アイリッシュの『幻の女』が、極限状況に陥った人間が、苦悶の末に救われるという筋書きだったので、この話もそうかなと思っていたら、かなり違いました。……でも、この筋書きで、最後がハッピーエンドだと、白々しくなるから、無理にバッドエンドにしたんじゃないかという気がする。
 それと、死期が近づきつつある男が、一人になるのが怖くて、誰かそばにいて欲しがるのは、アメリカ人の国民性だと思う。……少なくとも私は、自分が死ぬときに他人にそばにいてほしいとは思わない。……信頼できる人なら、自分が死ぬときに、そばにいてもらって、気を使ったりさせたくないし、イヤなやつならなおさらそばにいてほしくない。……死ぬときに誰かにそばにいて欲しいというのは、アメリカ人特有の考え方なんじゃないかと思う。
 更に、死期が近づいて、男がすごく落ち込むんだけど、それなら、末期ガンの患者は、ずっと落ち込まなきゃいけないことになる。……それに、死ぬのがそんなに怖いなら、よほど生きてることが楽しかったのかというと、生きてるときは、株の売買くらいしかしていない。……そんなに生きてることが大事なら、金儲け以外になにかしているはずなのに、そういうことをしていた形跡もない。……そのため、死ぬのが怖いというのにも、説得力がない。
 また、人間の予知能力についても、認めるのか認めないのか、はっきりしないし、自分の死期を予告された男が、全くの被害者なのかどうかもはっきりしない。……『笑うせえるすまん』のような、予知能力やなんかに頼って金儲けなんかしてると、足元を掬われるという”教訓”めいた話でもない。(まあそんな教訓は、こっちも願い下げだけど。)
 いろんな意味で、中途半端な内容だと思う。
 本当は、別の結末を考えていたのが、作者が自分でその終わり方が気にいらなくなって、違う結末にしたんじゃないかという気がする。
夜は千の目を持つ (創元推理文庫 M ア 1-4)Amazon書評・レビュー:夜は千の目を持つ (創元推理文庫 M ア 1-4)より
4488120113
No.5:
(4pt)

探していました

昔読んだのをもう一度読みたくて…この話は凄いなあと思います。今読み返しても怖すぎる。
夜は千の目を持つ (創元推理文庫 M ア 1-4)Amazon書評・レビュー:夜は千の目を持つ (創元推理文庫 M ア 1-4)より
4488120113
No.4:
(4pt)

予言の恐怖

作者の繊細な感受性、そこから産み出される表現力、描写力が、この作品でもいかんなく発揮されています。
「夜は千の目を持つ」というタイトルを見て、素敵なタイトルだなあと思いましたが、千の目は夜空に浮かぶ星を意味しており、登場人物が星に見られていることに対して恐怖心を持つという内容であって、タイトルから受けた第一印象とはずいぶん違っていました。
未来に起こることを次々と言い当てる予言者に死を宣告された男とその娘との恐怖が巧妙なストーリー運びで描かれていきます。特に、第15章のルーレットの場面が印象的でした。死を宣告された夜にリードはルーレットで負け続け、家も金も失います。運命の賭けに勝ちたいと思ったリードが賭けたものとは……。
本作品は最後まで読むと、サスペンス小説ではあってもミステリー小説ではないと感じます。
夜は千の目を持つ (創元推理文庫 M ア 1-4)Amazon書評・レビュー:夜は千の目を持つ (創元推理文庫 M ア 1-4)より
4488120113
No.3:
(4pt)

予言は当たるのか??

最初のほうの場面からなかなかいいです。暗闇、水、自殺志願の女性、通りかかった刑事、星空・・・自殺志願の女性は「父が予言者によって死を予言されたこと」を伝える・・・。なんとその死はライオンによってもたらされるという。警察たちはその予言に関する調査を始めるが・・・。
ちょっと神秘感?を感じさせる名前のソコルスキー・ドブズ・モロイというのも気に入りました。「予言は当たるのか」という興味で最後まで引っ張っていくのですが、「警察の捜査は何を明かすか」「もしあたるとすれば、ライオンによる死とはなんだろう」という興味も尽きません。
ストーリー展開のほかに、個人的には死を予言された人物たちが「最後の晩餐」や「ルーレットギャンブル大会?」を行うシーンが印象に残っています。どのようなことをしても、運命の恐怖からは逃れられないのか?ということを思わずにはいられない。後者のシーンは、狂ったようなムードが特徴的です。
さあ、予言の真相とは???
夜は千の目を持つ (創元推理文庫 M ア 1-4)Amazon書評・レビュー:夜は千の目を持つ (創元推理文庫 M ア 1-4)より
4488120113
No.2:
(4pt)

予言は当たるのか??

最初のほうの場面からなかなかいいです。暗闇、水、自殺志願の女性、通りかかった刑事、星空・・・自殺志願の女性は「父が予言者によって死を予言されたこと」を伝える・・・。なんとその死はライオンによってもたらされるという。警察たちはその予言に関する調査を始めるが・・・。

ちょっと神秘感?を感じさせる名前のソコルスキー・ドブズ・モロイというのも気に入りました。「予言は当たるのか」という興味で最後まで引っ張っていくのですが、「警察の捜査は何を明かすか」「もしあたるとすれば、ライオンによる死とはなんだろう」という興味も尽きません。

ストーリー展開のほかに、個人的には死を予言された人物たちが「最後の晩餐」や「ルーレットギャンブル大会?」を行うシーンが印象に残っています。どのようなことをしても、運命の恐怖からは逃れられないのか?ということを思わずにはいられない。後者のシーンは、狂ったようなムードが特徴的です。

さあ、予言の真相とは???
夜は千の目を持つ (創元推理文庫 M ア 1-4)Amazon書評・レビュー:夜は千の目を持つ (創元推理文庫 M ア 1-4)より
4488120113



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