日本橋の玄冶店と呼ばれる路地で小間物屋を営むお玉は、元花魁。

日本橋「いせ辰」の手代・英助には誰にも言えない秘密があった。

鎖国体制が揺らぎ始めた江戸末期。浪人となった相田総八郎とその妻なみは江戸・神田三河町に移り住む。

茶碗、根付け、刀、簪(かんざし)、招き猫、徳利(とっくり)…… 古道具屋・鳳来堂に集まるものたちが浮かび上がらせる江戸人情譚、傑作連作集！ 本所五間堀にある鳳来堂は、親から継いだこの店を一度は潰しそうになった音松と、将来を誓ったはずの手代に捨てられたお鈴

将来を誓い合った男女に降りかかった突然の災難。

吉蔵は町火消し「は組」の頭。火の手が上がれば、組を率いて駆け付け、命懸けで火事を鎮める。

仙石藩士・刑部小十郎は、藩の御長屋を出て、江戸市中の借家に居を移した。

夜が更けるとともに、ある商家の通用口に、男がひっそりと座る。「お話、聞きます」。

神田須田町の大店を焼け出され、浅草御厩河岸に越してきた十七のおちえ。

江戸の小梅村で庄屋を務める家に生まれたおえいは気の強い母親と一家を切り盛りしていた。

父親の跡を継ぎ、日本橋小網町の料理茶屋で料理人を勤めるおせん。

日本橋の廻船問屋の番頭・栄助の前に現れたのは、以前同じ店で働いていた愚図でのろまの権助だった。

四人の子持ちで飲んだくれの畳職人、小普請組の武家に嫁いだ大工の娘、幼い頃から見世を支えた口入れ屋の若お内儀…倖せの感じ方は十人十色。

亭主の勇次が忽然と姿を消し、実家の口入れ屋「きまり屋」に出戻ったおふく。

北町奉行所同心の夫・霜降三太夫を卒中で亡くしたうめは、それまでの堅苦しい武家の生活から抜け出して独り暮らしを始める。

隠居した深川の茂平は大工の元棟梁。いつの頃からか「ほら吹き茂平」と呼ばれるようになった。

文明開化に沸く明治５年。突然の再会が若い男女の運命を変えた。

反乱、暗殺、裏切り、虐殺、謀略。栄耀栄華を極めた者は、明日は無残な敗者となった―。

足利幕府が擁立する北朝に皇統を奪われた南朝方。

応仁の乱以降、室町幕府は力を失い、群雄が割拠し、世は乱れた。

「天下布武」―武力を背景に世を変革してゆく信長は、天正九年、安土を中心に磐石の体制を築いていた。

倉橋長五郎政重は、徳川家御先手組にあって、無敵の大業“鬼落とし”で知られた槍の名手。

五百万両の借金をかかえる破綻寸前の薩摩藩の財政建て直しを島津重豪から命ぜられた調所笑左衛門広郷。

平安末期。平氏追討の決起を促す以仁王の令旨が兄弟の運命を変えた。

時は鎌倉末期。後醍醐天皇率いる軍勢が挙兵し、倒幕の機運が高まっている。

「その日を死に番と心得るべし」との覚悟で幾多の合戦を生き抜いた藤堂高虎。

理不尽な理由で牢人を命じられた祐筆・田代陣基。

小田原の北条氏を滅ぼし、天下統一の総仕上げとして奥州北端の九戸城を囲んだ秀吉軍。その兵力はなんと15万。

倒幕の機運が高まる鎌倉末期。

検事補のキャメロンはシカゴのホテルに滞在中、夜中に隣室から激しい男女の営みの音を聞く。

韓国で出版拒否された禁断の書! 脱北者の逃れられない地獄を脱北経験のある著者自身が“小説"として上梓。

イギリスの海辺の田舎町。シングルマザーのジョアンナは奇妙な噂を耳にする。

雨の夕刻、母親の目の前で幼い少年の命を奪ったひき逃げ事故。

杉本麻衣は横山大学工学部の二年生。

かつて刑事ポーによって一人の男が刑務所送りにされた――カリスマシェフとして名声を誇ったジャレド・キートン。

バラバラ死体に付いた謎の文字列の紙片。ポー刑事は事件の背後に潜む黒幕〈キュレーター〉と対峙する。

頭の怪我によって恐怖を感じなくなり、連邦保安官を退任したベン。彼はかつての上司から行方不明の娘を捜索するよう依頼される。

押し花を受け取った著名人が連続で殺される事件が起きた。

複雑な家庭環境の中、これまで会わずに育った「兄妹」が出会った瞬間から恋を育む──。

王立魔法院の捜査官・ダベンポートが難事件を解決していく、知性派魔法ミステリー 森に佇む広壮な邸宅で、伯爵夫人の無残な遺体が発見された。

自殺を図った陽子は、命は助かったものの、自分が不倫の末の子として生まれたことを知り逆に苦悩が深まる。

卒業式会場に向かっていた中3の羊歯子は、気づくと暗い部屋で目覚めた。隣に続くドアには貼り紙が。

2005年。“僕”は渚と東京に出て、六畳一間の安アパートで暮らし始めた。

第66回江戸川乱歩賞受賞作! 綾辻行人氏(選考委員)、推薦。

人もうらやむ瀟洒な住宅街。その裏側は、忖度と同調圧力が渦巻いていた。

祖母が遺したのは、血に染まったシャネルスーツだった。

鈴木勢太、性別男、33歳。未婚だが小学5年生の子持ち。

ローレルの15歳の娘エリーが図書館に行くと行ったまま戻らず、なんの手がかりもなく10年が過ぎたとき、エリーの持ち物と骨が見つかる。

この春大学を卒業し研修医となった志葉一樹。

血が怖いという致命的ハンデを抱える医学生・戸島光一郎。

現役医師が描く感動の医療ドラマ、第二弾! 食事は常にジャンクフードとコーヒー、身の回りの片付けができない社会不適合者な膠原病内科医・漆原光莉と、彼女の下で医者に大切なものを学ぶ医学生・戸島光一郎。

その眼で患者と病を見つめてきた医師にしか描けないことがある。

がけっぷちクリニックを救うたった一つのやり方。

平成二十二年（2010年）、ついに約束の時が訪れた。

エラリー・クイーン研究の第一人者によるクイーン入門ガイド! あなたは本格ミステリを読んでいて、エラリー・クイーンという名前を目にしたことはありませんか? 世界最高の本格ミステリ作家と呼んでも過言ではないでしょうーーこのクイーンから絶大な影響を受け続け、日

1995年6月4日、奇しくも同じ日に起こった“事件"により、9歳の二人の少女は49日間、一人きりでの軟禁を余儀なくされた。

ヴィクトリア朝ロンドンで暮らすメアリ・ジキルら“モンスター娘”こと〈アテナ・クラブ〉の令嬢たちのもとに、ウィーンから手紙が届いた。

倒産の危機に瀕する老舗のアパレル会社・ゴーラム商会を救うため、 弁護士の美馬玉子は先輩の剣持麗子とともに「会社を倒産に導く女」と噂される経理課の女性の身辺調査を行うことになった。

ひとりでも寂しくない。 私はもっと、強くなれる。

デビュー作『元彼の遺言状』が大ヒットし、依頼が殺到した新人作家はアメリカに逃亡。

野党第一党の高月馨は窮地に追い込まれた。

おしゃべりと食べることと仕事が大好きな33歳のひまりは、ある夏の日交通事故に遭ってしまう。 目が覚めると体が動かない。

【罪を犯した「本当は良い子」の少年たち。奪われた命が、彼らの真実を浮かび上がらせる。

カジノのイカサマを調査中の友が殺された。

皆が望む、「いい子」を演じていた。 あの家族に出会うまでは――。

高2の女の子・蛍は修学旅行の途中、交通事故に遭い、命を落としてしまう。

詩織が、奈良のならまちにある朝ごはん屋『和温食堂』で働き始めて1年が経とうとしていた。

運転免許証を取得したつかさが家に帰ると、妹が父を殺していた。立ち尽くす姉妹。

百花繚乱の後宮で怪事件が――。

定年退職を目指して給料分はまじめに働くことが信条の内裏女房の大江〓子。

「お母さんは、私の幸せなんて望んでいない」 父を亡くし、編入した華族女学校の卒業式した海棠妃奈子は、 見合いを逃れる術(すべ)を探していた。

高校時代の初恋の相手・小夜子のルームメイトが、突然部屋を訪ねてきた。

ホラー作家、那々木悠志郎の担当編集となった久瀬古都美は、彼が初めて体験したという怪異譚を題材にした未発表原稿を読むことに。

霊を「祓うことはできない」中年霊媒師・櫛備十三と彼の助手でお目付け役の美幸。

石川宗生「うたう蜘蛛」 死ぬまで踊り続ける奇病が蔓延したイタリア。

今年進学した高校の入学式が三回あったことを、選ばれなかった一日があることをわたしだけが憶えている。

平穏な日々の内に次第に瀰漫する倦怠と無力感。

日本帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の戦艦「武蔵」――厖大な人命と物資をただ浪費するために、人間が狂気的なエネルギーを注いだ戦争の本質とは何か? 非論理的“愚行"に驀進した“人間"の内部にひそむ奇怪さとはどういうものか? 本書は戦争の神話的象徴である「武蔵」

シーボルトと遊女・其扇の間に生まれ、当時女性でありながら医学の道を志した楠本いね、「解体新書」翻訳を成し遂げた前野良沢、ロシヤ抑留中に種痘法を習得した中川五郎治など、後に著者によって長篇として描かれた人物を含む、日本近代医学の先駆者である十二人の医家たちの

何の自覚症状もなく発見された胸部の白い影ー強い絆で結ばれた働き盛りの弟を突然襲った癌にたじろぐ「私」。

陽炎パレス・共同生活のルール。一つ、七人で協力して生活すること。

暗殺者『屍』ミッション達成後、四人の少女が失踪した。選抜組のティア・モニカ・エルナ・アネット。

"不可能任務"専門機関『灯』、解散の危機が襲い来る――! 「寄越せ――お前たちのボスを」全スパイ養成学校のトップ6で編成された機関―鳳―はボス不在という問題を抱えていた。

聖夜を間近に控えた12月初旬。

誠実だけが取り柄の地味な子爵令嬢コニーは、とある夜会で婚約者を奪われ、窃盗の罪まで着せられる絶対絶命の窮地に陥っていた。

希代の悪女スカーレットの亡霊にとり憑かれたコニーは、その復讐に付き合う羽目になった。

探偵の音更風゛(おとふけぶう)は、カルト的人気監督・鳳灾子(おおとりさいこ)から新作映画の監修を依頼された。

「生まれたくなかった。……それはあなたの声なんだ」混迷と絶望の現代を撃つ、弩級の近未来×ハードボイルド。

『ループ・オブ・ザ・コード」の著者が紡ぐ、未体験ゾーン突入の歴史ハードボイルド超大作。

舞台は戦後ロンドン。戦時中にスパイ活動のスキルを得たアイリスと、人の内面を見抜く優れた目を持つ上流階級出身のグウェン。

わたしたちが王子の身辺調査をするの!?――戦後ロンドンで結婚相談所を営むアイリスとグウェンに、英国王妃に仕えるグウェンのいとこから驚愕の依頼が。

戦後ロンドン。

かつて愛した妻、入院中のお母さん、セフレみたいなあいつ、生まれくる我が子。 どの命にもいつか終わりが来るから。

東京の女たちが、私に憑依する―― 青山霊園で白い彼岸花を見た奇譚蒐集家の私は、その暗示的な花言葉を引きずるようにして谷中に向かう。

心臓が嘔吐く怖気! 地縁と血脈に因る祟りの恐怖譚! 恐怖が拡散していく実話。

怪異の体験者の話を直接聞き、怪異が起こった現場と言われる場所に足を向ける。そうして綴られた奇譚の数々――。

「口もとが犬の鼻面のように前に突出し、白目がない…真っ黒な二つの目が私を睨み付けた」~「降霊怪談顛末記~あとがきに代えて」より 徹底した現地調査から浮かび上がる恐怖! 実話怪談集! 「わたしを写すと化け物が写る」――心霊スポットで写された自分の顔がどれ

映像業界・ライター時代・引退後、川奈まり子が体験した恐怖の実話、街の怪異を集めた怪談集。

お寺に隠れたリアル怪奇譚 徹底取材で明かされる!!僧侶の恐怖・不思議体験、寺院に纏わる怪談 ナナフシギ・大赤見ノヴ氏の実体験も収録! 現世に立ちながら、あの世に一番近いところでその世界を見渡しているのは僧侶なのかもしれない。

怪異を紐解けば、血と土地の記憶がよみがえる――。