SF作家の地球旅行記
- SF (392)
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実際の旅行記はコロナ禍もあり、なかなか旅行に行くことがままならない時に読み物として重宝されたのではないかと思います。ウラジオストクを訪れた際の紀行文「2時間半で行けるヨーロッパに行けない2年半に捧ぐ」は読み手に満足感を感じさせる珍しいエリアの記述でした。作者・柞刈湯葉さんの諧謔的な書きぶりもあり、物見遊山記とは一味違うテイストに仕上がっています。 カナダ編に登場する「法輪大法」の横断幕や「東トルキスタン共和国」の旗など、弾圧されている中国人かカナダ・デーで意思表示をしている実情を知りました。見聞記は役に立ちます。 「作家のトラブルは換金できる(47p)」と書いてありますが、まさしく旅行記を読ませるのにはその偶然性も必須ですね。 「南側と呼ぶには北すぎる (架空編・日本領南樺太)」が一番良かったです。SF作家の本領発揮と言ったところでしょうか。 1945年8月、終戦間際のソ連の非情な参戦により、千島も樺太も強奪のように占拠されました。サハリンそして戦前は樺太と呼んでいた極寒の地は、SF的な手法をとらない限り、なかなか訪れることのできない知られざる領域なのは間違いありません。 「国境標石(255p)」は現在ロシア側の博物館に飾られています。それを下敷きに上手くまとめていました。戦前の岡田嘉子と杉本良吉とのサハリン日ソ国境越え事件を持ち出すまでもなく、不思議な魅力を秘めた場所だといえます。サハリン鉄道紀行といえば鉄道紀行作家の宮脇俊三さんが1990年に乗車されたルポを思い出します。 樺太は戦前の一時期には日本の領土として多くの日本人が働いていました。短編でしたが、筆者によっていつの日にか長編SFとして書いて欲しいと願っています。 戦前から人々の行き来として使われてきた稚内と大泊(コルサコフ)の船便は欠航しており、ロシアのウクライナ侵攻により、ますます遠くなってしまいました。SFの手法でしか訪れることが出来ないのは残念です。 柞刈湯葉さんは良い仕事をしたと思っていますので。 | ||||
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めちゃめちゃおもしろかったです。 作者さんは淡々と旅の記録をつけているだけのつもりのようですが、作家ってこういうところに目をつけるんだ!ということを感じられてよかったです。作家といっても柞刈湯葉さんだけかもしれないけど。何なんだろう、この独特のセンス。 とにかく、ツッコミともボケとも取れない1人語りがおもしろく、笑いをそそられます。3行に一言は傍線引きたいくらいにやにやしたと思う。 特にモンゴルの馬の話が好きです。 | ||||
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楽しい旅行記でした。何度も笑いました。語り口がなんとも面白いから。 「国内編」と「海外編」の旅行記が混然一体となっていて、奇妙な面白さを出していました。 文句なしの良い出来です。 著者の柞刈湯葉(いすかり ゆば)さんみたいに、のんびり旅をしてみたい。 なにものにもとらわれずに、自由に気楽に旅をしてみたい。 巻末の二編の旅行記は、「架空編」という風変わりなフィクション。「架空」なのですから。 奇妙なヘンテコ感がしました。SF 小説でもなさそうだし。 本書の旅行記全体になじまない、違和感を覚えました。 「架空編」の旅の行く先が、「月面」と「日本領南樺太」だからでしょう。 本書オビには、「書き下ろし架空旅行記 [南樺太編/月面編] 収録!」とあります。 本書は「2019年から2021年にかけてブログで書き溜めた旅行記」(262頁)とありました。 タイトルで「SF 作家」を自称されているだけあって、 「月面」にだって、「日本領南樺太」にだって、ためらわず旅行に行ける人みたいです。 2022年現在では、「月面」も「南樺太」もどちらもまだ、 一般旅行者が気軽に旅行できる場所ではないようです。 本書のタイトルは『 SF 作家の地球旅行記』となっています。 「月面」は地球ではないのでは? また「架空編・日本領南樺太」についても、 政治的に微妙な場所です。 以上、「書き下ろし」の二編は、 もう少し書き加えて単独の SF 小説にするのは可能でしょうか。 | ||||
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消雪パイプで靴を濡らすこともありますよね。 | ||||
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大部分は無料で公開されている氏のnoteの加筆修正で、書き下ろし部分も分量としては少な目です。私の記憶はあてにならないため、どの程度文章に変化があったかは分かりません。それを差し引いても、旅行の友として気軽に携帯できるようになったのは大きい。 また、写真については白黒で枚数も少なくなっているので(電子書籍版で確認)、未読の方は読後に note 版を見てみるのもいいかもしれません。 旅先やその内容に新規性があるわけではないですが、柞刈湯葉節?ともいうべき独特の視点からのツッコミ(あるいはボケ)に面白さがあると思います。 雰囲気としては森博嗣の日記シリーズが好きな人には勧めやすいかもしれません。 | ||||
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