燕飛び交う初夏に、将軍家治は日光社参を決行する。

坂崎磐音の父で豊後関前藩家老の正睦は、日光社参の無事を祝って城中で催された猿楽に異例の招きを受ける。

警視庁捜査一課の吉敷竹史は美術展で一枚の日本画に惹きつけられた。

芸術にすべてを懸けた男たちの、罪と罰。

故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、やりとげなければならないことがある。

森の中に建つ屋敷〈ブラックヒース館〉。

上野に到着した青森発上り急行「津軽」の車内で絞殺死体が見つかった。

父が殺された。父は詐欺師だった。

「この国に、真の諜報組織をつくれ!」警視庁公安部長の密命を受けた、国際派の若きキャリア公安マン片野坂彰。

師走、寒気増す江戸深川・六間堀長屋。

深川の長屋で浪人暮らしの坂崎磐音は、日光社参の勘定を担うことになった両替商・今津屋からある提案を持ちかけられる。

文政９年正月。今年こそは平穏な日々を送りたいと願う小籐次のもとに元日早々、藤藩の近習頭・池端が訪ねてくる。

中国の孤児院で育ち、富裕なドイツ人夫婦の養子となった盲目の青年、阿大ことベンヤミン。

夜行の鉄仮面、瞬間移動する引ったくり、謎のチンドン屋…相棒は犯罪マニアの押しかけ美女。

パートナーなしの妊娠、出産を目指す夏子のまえに現れた、精子提供で生まれ「父の顔」を知らない逢沢潤―― 生命の意味をめぐる真摯な問いを、切ない詩情と泣き笑いに満ちた極上の筆致で描く、21世紀の世界文学! 世界十数ヵ国で翻訳決定!

どの章にも、最後の1ページを捲ると物語ががらりと変貌するトリックが……! ラストページの後に再読すると物語に隠された〝本当の真相〟が浮かび上がる超絶技巧。

「先生に、私の全てを知ってもらいたいのです。私の内面に入れますか」心療内科を訪れた美しい女性、ゆかり。

中学三年生のための初の夏期強化合宿が開催されることになったJSS進学塾。

社運をかけて開発された身長80センチの人型ロボット・パティ。

戦後の復興をかけた五輪開催を翌年に控え、変貌していく横浜で起きた女性連続殺人事件。

大分県警刑事研修所、通称「刑事学校」の教官・畑中圭介は6人の若き刑事たちを実地で指導している。

4月、精神科医の藤代のもとに、初めての恋人・ハルから手紙が届いた。だが藤代は1年後に結婚を決めていた。

江戸に炎熱舞い落ちる頃、稼ぎが減って干上がる間際の坂崎磐音。

秋風が吹き始めた江戸。磐音は研ぎに出していた備前包平を受け取りに研ぎ師・鵜飼百助のもとを訪ねる。

文政８年冬。

第26回松本清張賞受賞作 大阪で与力の跡取りとして生まれながら、家が明治維新で没落したため幼いころより商家に丁稚奉公に出された錬一郎は、それでも士族の誇りを失わず、棒きれを使って剣術の真似事などをして周囲の人間から「へぼ侍」と揶揄された。

「我が王国を取り戻すために――」 友との誓いを胸に、少年はいま立ちあがる。

雨の翌日、消防司令の今垣は川べりを歩く女性と出会う(「石を拾う女」)。

漫画家になりそこね、路上で似顔絵を描いて生計をたてていた鉄雄。

穏やかな新年を迎えた江戸深川に、引く手数多の浪人がひとり。坂崎磐音である。

吉原で新たな太夫を客が選ぶ催しが行われることに。

日本に美術館を創りたい。 ただ、その夢ひとつのために生涯を懸けた不世出の実業家・松方幸次郎。

大晦日、実家に帰ると母がいなかった。 息子の泉は、夜の公園でブランコに乗った母・百合子を見つける。

美しい利尻富士で、一人の会社員が不審死した。

標高8000メートル峰が屹立するヒマラヤで、“魔の山”と畏怖されるナンガ・パルバット。

夕暮市消防署の消防士の棉苗上亮は、刑事の穂村彗星と火災現場で出会う。

山内の朝廷の実権を掌握した若宮。彼に仕える雪哉は、全軍の参謀役となった。

夏を迎えた江戸深川。浪人、坂崎磐音の用心棒稼業は相も変わらぬ貧乏暇なし。

おこんの慰労をという今津屋の心遣いで海晏寺まで紅葉狩りに出かけた磐音たち。

明治維新から数えて、百五十年を超え、歴史に対する認識が次々に見直される中、上野の西郷隆盛像を破壊せよ、という脅迫状が届いた。

総理がらみの疑惑の渦中にある代議士の孫が誘拐された! 犯人の要求は前代未聞――「罪の自白」。

戦後復興の礎を志す物理波矢多は灯台守の職に就くが、またも怪異に見舞われる。森と海に挟まれた地で彼を惑わす奇妙な物語とは。

19世紀末、キューバの独立戦争に米西戦争で介入した米国が勝利し、スペインの後釜に居座った。

自らを落伍者と呼び、路上生活を続けていたろくでなしの青年グンは、謎の浮浪者タイゼンに出会う。

先輩の結婚式で見かけた新婦友人の女性のことが気になっていた雄太。

正月を迎えた江戸。

東日新聞四日市支局長の水死体が発見され警察は事故死と判断した。新人時代に同じ支局だった同期三人が真相を探ると。

おやつは甘い派? しょっぱい派? 和菓子の魅力、銀座の名店から量販店のスナックまで美味しく語り尽くす! 単行本未収録小説も。

クワコーこと桑潟幸一准教授が、たらちね国際大学に転勤して最初の夏休み。

日常の謎も文豪の謎もコタツ探偵が名推理!父と娘の名探偵コンビ日常と本の謎に挑む!お父さんの推理が冴える8篇!

小説家、芥川龍之介。東方と西方の物語と伝承と信仰に魅せられた男。

チェルノブイリ原発事故から1年―1987年(昭和62年)4月、東洋新聞の記者・土井垣侑が特派員としてモスクワに降り立った。

左手に宿る“兄”と俺。奇妙な2人の逃避行が始まる―ある事故以来、左手から死んだ兄・海斗の声が聞こえるようになった岳士。

宇野警部と恋人の女子大生・夕子がレストランで食事をしていると、一家皆殺しの犯人がすぐそばの席に! 名コンビが活躍する全五篇。

母国アルゼンチンで医師免許を取得したエルネストは中南米への新たな旅に出る。

四国遍路を終えた帰路、冬の海に消えた父。

敗戦に志を折られた物理波矢多は、九州で炭坑夫となる道を選ぶ。

新型ウイルスの出現によって、日本中がパニックに―― ある日突然、同棲している恋人が高熱で意識不明の重体となり、 救急車で搬送される。

娘の命が惜しければ、おまえがいま乗っている飛行機を落とせ。

前作で、捜査一課から南大田署に異動し、管内で起きた殺人事件を解決した〝事件を呼ぶ”ベテラン刑事・岩倉剛。

大志を抱き切磋琢磨した友を喪い、豊後関前藩を出奔した坂崎磐音は、江戸・深川六間堀の長屋で浪々の日々を送る。

安永二年、深川の夏祭りをめぐって、地元の親分の間で起こった諍い。

町名主のお気楽跡取り息子・麻之助。周囲の心配をよそに、恋よりも揉め事に振り回される日々。

鉄砲をどう運用すべきか。毛利水軍に勝てる船とは。

突然、死んだ夫は名前も職業もすべてが嘘だった。真実を求めて、雅代は彼の遺した小説を読み進める。

偉大なるスター、キング・オブ・ポップが51歳で急逝した。

八月十六日、京都・五山の送り火の夜。興奮にざわめくホテルの屋上から、情事の相手が姿を消した。

地球へとやってきた愛にあふれる宇宙人モーンガータと、北海道陸別町でともに暮らす少年少女が出会うちょっとだけ不思議な日常の謎。

失踪した妹の家を訪れた私が見つけたカメラ、カメラ、カメラ。バスルームにも居間にも勉強部屋にも。

駿太郎は亡き両親の想いを胸に、丹波篠山へ――。 親子の情に心打たれる、書き下ろし第13弾！ 文政8年秋。

豊後関前藩の若き武士３人が帰藩したその日に、互いを斬り合う窮地に陥る。

小籐次一家三人は、老中青山忠裕の国許であり駿太郎の実母・小出お英の故郷でもある丹波篠山へと旅立つ。

恐怖の帝王、ひさびさの正統ホラー巨編。

牧師のあやつる電流が忌まわしいものを呼び寄せる。 僕が少年だった日、町にやってきた若き牧師と、やがて訪れた悲劇……。

土地も金も水も米もない、ないない尽くしの藤戸藩に、道具役(能役者)の長男として生まれた屋島剛は、幼くして母を亡くし、嫡子としての居場処も失った。

土地も金も水も米もない、ないない尽くしの藤戸藩に、道具役(能役者)の長男として生まれた屋島剛は、幼くして母を亡くし、嫡子としての居場処も失った。

赤川ミステリーの世界を堪能できる、人気シリーズの第二十七弾が登場! 宇野と夕子が旅先のレストランで食事をしていると、”死んだはずの男”から「予約」の電話が入った。

失業中の28歳青年の冴えない日常に押し入ってきた強盗。「大声をだすな」というその声はやけに甲高く、背が低くて…。

特殊能力を活かし、裏のコンサルタントとして生きる女・水原は、旧知の湯浅に堂上という男の調査を依頼される。

水原は、自分の存在意義や能力を知らされた中国人の頂点捕食者が、ある目的をもって日本にやってきたと推測する。

未確認テロ情報を受けた十津川警部は、乗客の危険を未然に防ぐため豪華客船「飛鳥2」に乗船する。

ニューヨークの地下で拉致された女性は毒の針で刺青を刻まれ、死亡していた。

ニューヨークの地下迷宮で殺人を繰り返す犯人。毒針で被害者の皮膚に刻まれた謎の文字は何を意味するのか。

東京マラソンと浅草三社祭で覚醒剤混入殺人事件が相次いで発生!警視庁公安部のエース青山の大胆な捜査の末に、暴力団と中・韓・露マフィアの複合犯罪が明らかに。

『希望荘』以来2年ぶりの杉村三郎シリーズ第5弾となります。

今回の舞台は名古屋。

世紀の奇書『熱帯』に惹かれ、秘密を解き明かさんと集まった“学団”によるソウダイなる追跡劇。

見合いのために山口までやってきた浅見の親友・松田。

山陰の小京都・萩で失踪した地方紙の記者・奥田。行方捜しを頼まれた浅見光彦は、防府市に住む妻のもとを訪れる。

ミステリーの名手・真保裕一の最新刊は、港町・横浜ならではの、出会いと別れの物語。

離婚した杉村三郎は私立探偵事務所を設立。

暗い霧雨の朝。仕事を求める人々の列に、何者かが駆る暴走車が突っ込んだ。

暴走車による大量殺人犯、ブレイディ。母親とともに暮らす孤独な男。

“ゼロ”の研修から戻った倉島警部補は、外事一課と掛け持ちで「作業班」に入ることになる。

定年まであと十年のベテラン刑事岩倉剛。

六年間の記憶が一夜にして消えた。刑事である自分に一体何が起こったのか?昨日まで追っていた事件は解決済み。

ニューヨークからナポリへ―― 〝漆黒の絶叫〟にとり憑かれた犯人を追え! ニューヨークの路上で男が拉致されるのを少女が目撃した。

容疑者は彼女を愛した普通の人々。 哀しき復讐者たちの渾身のトリックが、湯川、草薙、内海薫の前に立ちはだかる。

〈ままならぬ人生……でも捨てたもんじゃない!〉 「あたためますか?」 「アイスあっためてどうすんの」 「あたりぼう、早く見たいでしょ」 「んなわけあるかい!」 俺はコンビニバイトの傍らネタを作り続けている。

旅行代理店を経営する男が、ある晩仕事帰りに待ち伏せされ、二人組の男に暴行を受けた。物盗りの犯行ではない。