(短編集)
中野のお父さんは謎を解くか
- 名探偵 (559)
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北村 薫が好きで 殆ど読んでます 謎をいとも簡単に解決してくれて、読みやすいです | ||||
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前作の方は日常的なミステリーのお話もあったのに今作は昔の文豪のお話ばかりで、本当に本が好きな読書家の方は楽しく読めるのかもしれないが、そこまで本を読んでない人間からすると、読むのが苦痛だった。さすがにお名前位は知っているが文豪と文豪の関係なんて話されてもよくわからない。日常ミステリーを求めて購入したのだが、期待が外れた。日常ミステリーをお求めの方にはオススメしない。 | ||||
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本書に登場する、松本清張の「再春」(『隠花の飾り』第10話)を読んだ時、私の頭に浮かんだのは、1960年頃に起きた、大藪春彦の短編「街が眠る時」をめぐる盗作騒動だった。 この短編がアメリカの作家フランク・ケーンの「特ダネは俺に任せろ」にソックリだと指摘され、「才能の乏しい青年」と酷評されたのだが、大藪春彦本人は「数人の友人と下宿で雑談していて、ある友人からアイディアをもらった」もので、ケーンの小説は全く読んでいなかったと主張し、盗作を否定した。 だが、その後、さらに長編『火制地帯』がロス・マクドナルドの『青いジャングル』にパクリであると批判され、大藪春彦は探偵作家の親睦団体「他殺クラブ」を脱会、日本探偵作家クラブからも除名された。 「他殺クラブ」を脱会する際には、佐野洋から「君一人でしたことではないのだろ?誰に言われてやったのか?」という趣旨の質問をされたが、大藪春彦は「自分で責任を取る」と言ったという。 ここで大藪春彦の熱心なファンなら「そう言えば大藪春彦の妻は元・担当編集者だったよな」と気が付くのだが・・・。 そういう経緯を参考にしたのかと思っていたが、実は松本清張自身にも、同じような盗作疑惑があったのだと、本書収録の短編「水源地はどこか」で知って、驚倒させられた。 他の短編も非常に面白い。シリーズ1冊目とは面目一新の感がある。 しかし・・・ 読者のレベルを主人公と同程度、と考えるなら、解説でもう少し説明が必要ではなかろうか? たとえば「俗情と結託している」という言葉の元ネタは、大西巨人の評論『俗情との結託』であろう。 「怪人対巨人」とは、保篠龍緒の翻訳によるルパン全集の1冊すなわち『ルパン対ホームズ』のこと。 (これが「巨人対怪人」なら、松竹映画『怪人二十面相 第二部 巨人対怪人』のことで、明智小五郎と怪人二十面相の対決をさす) その他、作品中に出てくる言葉に、解説があっても良いのではなかろうか。 何より、松本清張は小説『深層海流』(1962年刊)について、著作権侵害だとして告訴されたことがあった。その一部が、三田和夫の著書『赤い広場 霞ヶ関、山本ワシントン調書』(1955年)からの無断引用だと指摘されたのだ。 しかし出版界からの圧力で不起訴処分となり、松本清張は全集収録時に『深層海流』の無断引用と指摘された箇所を削除して改訂するとともに単行本は絶版とし、一方的に事態を収拾させたという。 今も『深層海流』は文庫化されず、全集でしか読めない。 この件に、小説の中でも解説でも一切触れていないのは、『深層海流』の単行本が文藝春秋から出版されたからであろう。 その関係からか、徳田秋聲が、いわゆる通俗小説を濫作した時期にゴーストライターを使っていたとされていることにも、まったく触れていない。 徳田秋聲記念館の学芸員に、当たり障りのない解説を書かせたのも、都合の悪いことには触れたくないからか、と言いたくなる。 (なお、『隠花の飾り』を収録した『松本清張全集』第42巻の月報に掲載の「着想ばなし」で、作者自身が盗作と疑われた経緯を解説しているそうだ。また「春の血」は角川文庫版『延命の負債』に収録されている) | ||||
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『中野のお父さんは謎を解くか』(北村薫著、文春文庫)は、大手出版社の編集部員の田川美希が持ち込んだ謎を、東京・中野に住む高校国語教師の父が解くという、安楽椅子探偵小説の連作短篇集です。 さすが北村薫と舌を巻いたのは、松本清張、荒正人、横溝正史、江戸川乱歩らが登場する「水源地はどこか」です。 次の号で企画されている対談「松本清張を語る」には、美希が担当している原島博が登場します。その原島から、美希は気になる依頼を受けます。「『清張先生の<隠花の飾り>に中に<再春>というのが入ってる。目を通しといてくれないか。短いから、すぐ読める。それから、昭和三十三年の<文藝春秋>新年号に載った<春の血>いう作品のコピーがほしい』」。 『再春』は女性作家が主人公となっているが、清張の実体験が描かれていることが分かります。「『思いがけない(荒正人の、その清張作品はトーマス・マン作品の模倣だという厳しい)指摘に、清張先生は衝撃を受けた。二十年の時を経て、ようやく、その時の痛みについて書く気になったわけだ』。・・・『人間というのは、感情を持つ生き物だからね。原作の『春の血』を作中作にしても、ただの回顧談では終わらせない。そういうところまで踏み込み、一瞬、心をひやりとさせる見事な物語に仕上げている。さすがは清張先生だ』」。 「『荒正人は、暮れの雑誌のことを、なぜ、三月になってから書いたか――だ』。『そんなこと、分かるの?』。父は美希に、結び前の文章を示した。荒はいう。清張作品は『スリラー風の探偵小説としては、一応成功しているが、本格探偵小説としては、疑問の余地が残されている』」。 調べが進むうちに、当時の文壇において密やかなバトルが繰り広げられていたことが明らかにされていきます。「『うわああ』。乱歩、横溝、清張。向かい合う剣豪の姿を見るようだ」。 人間清張にも清張作品にも私淑している私にとって、この父親の言葉が救いになりました。「『当時の<宝石>は探偵小説専門誌だったから、本格ファンによる<点と線>否定論は、投書欄にも載っている。――<点と線>の功績は、そんなことなど気にならない人達にまで読者層を広げたことにある。本格ミステリとしては失敗作だが、小説としては優れている。この号の<編集後記>で乱歩は昭和三十三年を振り返り<松本氏の新作風が圧倒的威力を持ち、純探偵作家は色あせて見えたのである>といっている。そういう年だったんだな。・・・いずれにしても、荒正人も松本清張も、この頃すでに若くはない。それでもこうしてみると、まるで青年同士の喧嘩を見るようだ。血気盛ん。――時が経ってみれば、若々しいよさがあるなあ』」。 久々に、読み応えのある推理短篇に出会うことができました。 | ||||
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脱力で読んでいると、ウィットに富んだお父さんの、おやっと思うような博識を受けたり、 あらあら、と恋ばなが出てきたり、仕事に追われているうちに、爽やかイケメンと遭遇したり、と 行き慣れた洋食屋で、食べ慣れたメニューの中に キラリとシェフお薦めの新作がサービスで出てきたりと そんな楽しいひとときをこの一冊でプレゼント! | ||||
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