この国はいちど滅びるのだ―長文の遺書を残し、陸軍大将・蒲生憲之が自決を遂げたその日、時の扉は開かれた。

鳥取と岡山の県境の村、──かつて戦国の頃、3千両を携えた8人の武者が、この村に落ちのびた。

同級生の宮前由紀子は俺の子を身ごもったまま、そして俺の愛が本物だったと信じたまま事故死した。

紅一点会員のマリアが提供した“余りに推理研的な”夏休み―旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。

偽札造り―それは究極のだましのゲーム。新境地を拓くハイテク犯罪小説、ノンストップ1400枚。

新宿・アンダーグラウンドを克明に描いた気鋭のデビュー作!おれは誰も信じない。女も、同胞も、親さえも…。

門限はなんと六時!恐怖の厳格教育で育てられた箱入り娘の女子大生、通称ハコちゃんこと浜口美緒がやっと勝ち取ったアメリカ旅行。

魅力的な謎、破天荒なトリック、緻密な論理、奇矯な人物、衒学趣味、毒に満ちたユーモア、意外な解決…。

「ね、遊んでよ」謎の言葉とともに、殺人鬼の凶器が振り下ろされた―。

金雀枝（えにしだ）の花が満開に咲くころ、1年に1度、かれらがこの館を訪ねる。また、あの季節が巡ってきた……。

突然の大地震で、ファーストフード店にいた6人が逃げ込んだ先は、人格を入れ替える実験施設だった。

「あなたが私の息子を殺したのよ!」山倉史郎は狂乱する冨沢路子の前に絶句した。それは悲劇的な誤認誘拐だった。

身の毛もよだつおかしさ、思わず吹き出すおそろしさ―奇妙な味わいの12篇。

同僚の誘いで低温度実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園萌絵。

6つめの「館」への御招待―自分が何者なのか調べてほしい。推理作家鹿谷門実に会いたいと手紙を送ってきた老人はそう訴えた。

自殺の偽装を施され最愛の妹を殺害された愛知県警豊橋署に勤務する和泉康正は、“現場検証”の結果、二人の容疑者を割り出す。

「探偵倶楽部とは、政財界のVIPのみを会員とする調査機関。

美しい異国の蝶々に囲まれて殺害された男の意外な過去が、真犯人解明への重要な鍵を握る表題作『ブラジル蝶の謎』。

紀州随一の超大富豪・柳川家の女主人とし子刀自が、「虹の童子」と名乗るものに誘拐された。要求された身代金はなんと百億円。

戦国の頃、三千両の黄金を携えた若武者が、七人の近習を従えてこの村に落ちのびた。

アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。

大生部一家はテレビ局の特番取材で再びアフリカへ旅立つ。

通訳のムアンギ、テレビクルーたち。6人もの犠牲者を出して大生部は娘を取り戻した。

賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。

14歳のとき両親殺害の罪に問われ、外界との交流を拒んで孤島の研究施設に閉じこもった天才工学博士、真賀田四季。

荒涼とした雪原は「この世の終り」にふさわしいこの閉ざされた山荘に7人が揃った時皆殺しゲームのスイッチが入る…ゲームの名前は「電脳山荘殺人事件」。

『人狼城』は独仏の国境の峻嶮な渓谷の上に屹立する古城。城主を「人狼」に惨殺されたという言い伝えのある曰く付きの城だ。

「J・Mを殺したのは誰か」―そんな一文で終わる原稿を、私はもてあましていた。

その人は、何でも治してくれる。壊れた人形、死んだ猫、そしてあなただって…。

まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。

深夜のファミリーレストランで突如、男の体から炎が噴き出した。その数日後、天王洲では無残に咬み殺された死体が発見される。

サム元警視のもとを訪ねてきたのは、色眼鏡をかけ髭をまだらに染めた異様な風体の男だった。

「西の魔女」とは、中学生の少女まいの祖母のこと。学校へ行けないまいは、祖母のもとで「魔女修行」をすることに。

密室トリック、首なし死体、消えた凶器…快刀乱麻の名探偵・天下一が挑む難事件。

ニューイングランドの片田舎で死者が相次いで甦った。この怪現象の中、霊園経営者一族の上に殺人者の魔手が伸びる。

夏期合宿のため双葉山を訪れた親睦団体「TCメンバーズ」の一行。

1度限りの大トリック！ たった1度の大トリック！劇中の殺人は真実か？ 俳優志願の男女7人、殺人劇の恐怖の結末。

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。

失踪した息子・小松原淳の伝記を書いて欲しい、との依頼を受けたゴーストライターの島崎。

御手洗潔が日本を去って一年半、横浜馬車道に住む御手洗の友人で推理作家の石岡のもとに、二宮佳世という若い女性が訪れ、「悪霊祓いに岡山県の山奥に一緒に行ってほしい」と言う。

石岡は岡山の村での大量連続殺人事件をノルウェーにいる御手洗に書き送り指示を仰いだが、彼からは「リユウコワセ」という意味不明の電報が来ただけだった。

精神医学の未開の領域に挑んで、久作一流のドグマをほしいままに駆使しながら、遺伝と夢中遊行病、唯物化学と精神科学の対峙、ライバル学者の闘争、千年前の伝承など、あまりにもりだくさんの趣向で、かえって読者を五里霧中に導いてしまう。

「真梨子が緊急入院したのよ、自殺未遂かもしれないって…」 原田は呼んでも一向に応えない娘に強く語りかけた。

天空の蜂はいかなる毒針を刺そうとするのか。前代未聞。

編集者の主人公に、大学の後輩から郵便が届いた。「読んでください。

切断した男女の死体が合成され両性具有者となって蘇る。窓の外には荒涼たる世界の終焉の光景が広がっているばかりだ。

幾度も繰り返される殺人。殺されるのはいつも渕上零治郎。

怪しい笑いが新たな不気味な笑いを呼ぶ9編からなる作品集。

原因不明の突然死を追うルポライターがたどりついたのは呪詛にまみれた一本のビデオテープ。

日本最大の貯水量を誇るダムが乗っ取られた。人質は発電所員と下流域の市町村。

東京・新宿の公園で爆破事件が発生、多数の死者が出た。犠牲者のなかに「私」の、ただひとりの女性、ただひとりの友人がいた…。

一本のビデオを見た直後謎の死を遂げた男の解剖を担当した安藤は、人類の存在をも覆す暗号を発見した!!　神の啓示“リング”に抗う人間、最後の叡知。

時間のねじれのなかで「17歳」の力が25年の時空を超えて、動き出す。人生の時間の謎に挑む書下ろし長編。

深夜の交差点で衝突事故が発生。信号を無視したのはどちらの車か。

「魔の山」双葉山で発生した恐るべき大量殺人事件から三年―。正体不明のあの殺人鬼が、新たな獲物を求めて山を降りてきた。

「新本格」の旗手の1人としてデビューしながら、4年間の沈黙を破り挑む、ミステリのフロンティア。

館を埋める百八個の時計コレクション。鎌倉の森の暗がりに建つその時計館で十年前一人の少女が死んだ。

鹿島翔香。高校2年生の平凡な少女。

ミステリ作家・有栖川有栖が取材で訪れた雪深い裏磐梯には、地元の人々からスウェーデン館と異名をとるログハウスがあった。

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。

六年半前の月蝕の夜、美島夕海の姉・紗月が惨殺された!―夫の明日香井叶ではなく、双子の兄・響を伴い、鳴風荘を訪れた深雪。

戦争で負傷したヘイスティングズは、旧友の招きにより、閑静なスタイルズ荘で静養することになった。

…永島利明は大学の薬学部に勤務する気鋭の生化学者で、ミトコンドリアの研究で実績をあげていた。

45の密室トリックを発表した推理小説の大家、真壁聖一が殺された。

八人の男女が集まる山荘に、逃亡中の銀行強盗が侵入した。

地図に秘められたトリック。時刻表でも、旅情でもない、本格推理の新境地。

衆人環視の中で、施錠されたガラス箱から突如消えた“人形の首”。

「記憶」のなかで君を愛してる。俺は親友の恋人を手に入れるために“本当の過去”でいったい何をしたのか。

或る晩秋、信州の山深き地で猛吹雪に遭遇した8人の前に突如出現した洋館「霧越邸」。

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。

嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。

僕、西岡悟郎は28歳独身。警備保障会社に勤める、まったく普通の人間だった。

厳冬のヨーロッパを走る国際列車オリエント急行が大雪のため立往生してしまう。その車内で老富豪が殺された。

六つの箱に分けられた男。七つの首が順繰りにすげ替えられた連続殺人。

『占星術殺人事件』を愛読する青年の戦慄すべき日記。

エジプト・ギザの大ピラミッドを原寸大で再現したピラミッドで起こる怪事。

一代で財を成した一ケ原高顕が死んだ。

就職しアパートで一人暮らしを始めた清水真弓は、絶えず隣家からの視線に晒されている感じに悩まされる。

“我が国の犯罪史を見渡してみても、あれほどに異常な殺人事件は他に例がないのではないか。

ロンドンから70マイル。ここ田舎町のデントンでは、もうクリスマスだというのに大小様々な難問が持ちあがる。

この世には不思議なことなど何もないのだよ―古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。

惨殺、そして凌辱―。何ものかに憑き動かされるように次々と猟奇殺人を重ねていった男の名前は蒲生稔。

『11枚のとらんぷ』を筆頭に、『乱れからくり』等数々の名作でわが国推理文壇に不動の地位を築いた泡坂妻夫が、この一作をもってデビューを飾った記念すべき作品―それが本書冒頭に収めた「DL2号機事件」である。

君にもこの光は届いているか―。光の演奏―“光楽”―を通じて、子供たちにメッセージの発信をはじめた天才高校生・光瑠。

エラリー・クイーンの〈国名シリーズ〉のひそみに倣った会心の第一作品集。奇怪な暗号、消えた殺人犯人、ダイイングメッセージ。

日本ジャンプ界期待のホープが殺された。ほどなく犯人はコーチと判明。

次々と興信所を訪れては、およそ事件とは思われない奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。

チェルノブイリ原発事故による放射能汚染食品がヨーロッパから検査対象外の別の国経由で輸入されていた。

映画界の鬼才・大柳登志蔵が映画の撮影中に謎の失踪をとげた。すでにラッシュも完成し、予告篇も流れている。

円城寺実矢と麻堵―それが妖精のように美しい兄弟の名だった。

夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々―江神部長や有栖川有栖らの一行を、予想だにしない事態が待ち構えていた。

さらし首の名所・暗闇坂にそそり立つ樹齢2000年の大楠。

脳移植手術を受けた青年にしのびよる灰色の恐怖。君を愛したいのに、愛する気持が消えてゆく…。

傷ついた心を癒す旅に出た香島紀子は、山間の村で急に増水した川に流されてしまう。

へんなことがあった。なんだか、今でも不安で落ち着かない。

「あたしには幼い頃の思い出が全然ないの」恋人が失った記憶を取り戻すために、“幻の家”を訪れた僕たちを恐るべき事実が待っていた。

異常の烙印を捺され社会から肉親から隔絶されたまま流れ流れる果てしない時間が突如として破られた…。とある精神病棟。

中学校に入ったばかりのまいは、学校へ行けなくなった。そして田舎のおばあちゃんのところへ行くことになった。