ソ連の軍事機密を奪取し、クレムリンの要人の亡命を幇助せよ―。

「あいつを殺してやる!」黒星光警部は、フリーライター・葉山虹子と訪ねた鬼面村で、そう呟く異様な女に遭遇した。

「気に入らない。獲物を横取りしたのはどいつだ?」クラブのマダム殺しを依頼された安本が見た女は、すでに死体となっていた。

39年ぶりに日本で発生した狂犬病患者。台風接近で孤立した幹根島を襲う白い狂犬の恐怖。

引退したアル中レーサーの復活を賭けた闘いが始まる。敗れざる男の心情を描く北方ハードボイルド最新長編。

見事な赤毛と死体の消失。これが連続殺害事件の共通項だった…。

飛騨・白川村の廃寺『照恋寺』に住みつき、多数の女性信者をもつ僧侶・恋風が、突如、失踪した。

舞台は寒風吹きすさぶスコットランドの人里はなれたエルカニー城。

『誹風柳多留』の板元二代目・花屋二三が馴染みの女の部屋で偶然目にしたそれは、かつて見たこともないほどの強烈な役者絵だった。

「私にも殺したい人間が…」ひとり旅で岩手県遠野を訪れた律子は、雨宿り先で偶然三人の女と知り合った。

孫悟空タクシーのドライバー・夜明日出夫は三十八歳。三年前まで警視庁捜査一課の警部補だった。

見てくれが良く、手頃な家賃、名画『カサブランカ』のイメージで建てられた丘の上の小さな白いアパート。

自称翻訳家の稲葉が二年契約で借りた民家は美しい山里の奥にあった。

矢的遥は、からくり人形の蒐集家として著名な加島が、「べんきちはゆるさないぞ」と書かれた脅迫文を見て怯える姿に愕然とした。

おれはワゴンにムーニーとマギーを乗せ、欲望と腐敗の街ラスベガスを後にした。荒野の岩かげから、暗殺者がこちらを狙う。

嵐の夜、所沢市・円福寺の『飛び鐘』が人を殺した。820キロもの釣鐘が宙を飛び、崖下の家の鹿松徳造を押し潰したのだ。

旧式の双発プロペラ機ダグラスDC‐3で運び屋をする退役自衛官・北一馬。

四億五千万円、関央銀行で巨額の横領が発覚した日、貸付係二宮加代子の姿が消え、やがて絞殺体で発見された。

あんたは読書村を知っとるかの。今は南木曽町の一部になってしまったがの。

本書の主人公ジム・ガードナーが発見するのは、かつてのSF映画の定番、空飛ぶ円盤である。

本書は、50年代から60年代にかけてのB級SF映画でおなじみの、いわゆる円盤ものの枠組みのなかでストーリーが進められていく。

ラドルファス院長がつれてきた新任の門前通りの教区司祭。

8頭の黒い馬と棒線で消された耳の写真―87分署に舞いこんだ奇妙な手紙に、キャレラたちの表情が凍りついた。

眼の壁に囲まれた密室―。衆人環視の中での殺人事件は、両国N大講堂で開催された全日本学生剣道大会の決勝戦で発生した。

地下室に人工的に造られた“孤島”の扉が再び開かれるのは72時間後。

吉成行夫には、十二年来の秘密があった。

戦いを終え、長い休暇を送る西城秀夫の安息を破ったのは警視庁からの緊急連絡だった。

刑事をやめて、ルポライターと探偵業をこなす柚木草平。ある雨の日に、彼のもとに不思議な事件が持ち込まれた。

京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城を彷彿させる館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇の幕はすでに切って落されていた。

今をときめく清純派タレント八木橋紀子と密かな交際を続けていた大学助教授の宮本の留守中、妻が何者かに陵辱、殺害され、子供の姿が消えていた。

好評を得た『シャーロック・ホームズの秘密ファイル』につづいて気鋭の女流が贈る、正調贋作第二弾。

犯罪組織の大物・村上竜男の超豪邸で、元プロレスラーの用心棒・吉川が背後から心臓を銃で撃ち抜かれていた。

冬が海からやって来る。毎年それを眺めているのが好きだった。

怒鳴り合う声、立ち去る男、長き続く女の悲鳴。―同じマンションで愛人を待つ木部比呂子はそのとき不審な思いにかられた。

かつてベトナムの逃亡米兵を国外脱出させた川久保は、極秘依頼を受けた。

新型特急「あさぎり」車内の全裸殺人と、秋田へ向かう深夜バス内での殺人事件二つの事件の関連を追う、お馴染みTVディレクター朝比奈孝彦の活躍。

名コンビ笹谷美緒&黒江壮が、寝台特急「あけぼの1号」で北津軽の「斜陽館」に着いたころ、前夜に上野を発った「北斗星5号」が男の刺殺死体を乗せて札幌に着いた。

一人息子を突然失った泉恵理は、絶望と悲しみの中にいたが、別居中の夫・耕一と離婚の話し合いをするために釧路へと旅立った。

彫像という名を刻まれた男・新坂五郎。渡仏して15年。

化粧品メーカーに勤務する魚住晋一は、立山で遭難しかけ、若い女性に助けられた。だが、女性は翌朝、忽然と姿を消した。

〈アインシュタイン〉が不安げに窓の外をうかがう回数が日ましにふえてくる。

大学の文学部で漫画研究会に入っている田辺真紀子は、好奇心旺盛で活発な女子大生。

あの時わたしが力をかしていたなら…。荒れた手に銀の指輪をした彼女の面影が、今も頭から離れない。

まさか、ダンが撃たれたなんて。

核戦争で灰燼に帰した地球、疑似生命体へと進化していくロボット、社会システムのために踏みにじられてしまう人間の尊厳、相互に浸透し交錯しあう複数の現実、絶望的状況の中で苦闘を続けるごく普通の職業の主人公たち―デビュー以来、近未来を舞台に悲惨な人間の状況を書き続

亡父が残した京都の邸「人形館」に飛龍想一が移り住んだその時から、驚倒のドラマが開始した。

「頼子が死んだ」。

双子の兄弟が殺人犯?しかし兄の妻が余呉湖畔で殺されたとき、兄は博多、弟は酒田にいてアリバイは完璧だった。

奇術ショウの仕掛けから出てくるはずの女性が姿を消し、マンションの自室で撲殺死体となって発見される。

名探偵、信濃譲二が、ミニ劇団〈マスターストローク〉にマネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。

上海―。魔都と呼ばれた時代がかつてあった街。

築六十年近くなる「樹影荘」にいつとなく奇妙なことが起こるようになった。

新任看護婦・規子が小耳に挾んだ「無脳症児」のひと言がきっかけだった。この病院で何か途方もないことが進行している―。

黄色い煉瓦のオズの国、『ガリバー旅行記』の小人国…。

女性として初めて、英国秘密情報部の長官に昇りつめたダビナ・グレアムは、恋人と訪れたベニスで、アメリカの国防長官の爆殺事件に遭遇した。

諸流派が日本各地に盛名を競った天正年間、常陸の刺客諸岡一羽斎の、剣の理法と謎の秘伝書は、3人の高弟たちを翻弄する。

秋ホテルは伊豆の静かな岬に佇む小さなホテル。

かつての恋人同士が弁護士として敵味方に分かれ再会した。現代の悪の構図を描く社会派ミステリー。

活魚料理店で美貌のグルメ評論家が活けじめされ、女拓までとられて発見された。雑誌で批判した料理人の逆恨みか。

義父の死をきいて故郷に帰ってきたぼくは、駅前で偶然、川村千里に出会う。ぼくの中学時代の初恋のひと、川村麗子の妹だ。

九歳の少年ルークは“悪魔の子”だった。これまで自分の弟や幼児を刃物でめった刺しにして殺していた。

ハープの夕べに、愛がめばえ、シンバルの夜は、恐怖に凍る。行間からメロディが聞こえてくる愛とホラーの連作集。

日本ダービー出走を取り消せ！12連勝中の本命馬のオーナーとジョッキーに届けられた脅迫状。続いて起こる怪事件。

ジョージ王朝様式の家々が緑の丘のあいだに優美に波打つ伝統の町、バース。その近郊の湖に女の全裸死体が浮かんだ。

鎌倉で出会った少年は、一年前に交通事故で亡くした夫・和彦によく似た面差しを持っていた。

世界的登山家のグレアムは、転落事故のショックで透視力を得た。

麻薬密輸の取り締まりに命をかけるハードキャッスルとゲファー、ハマーヘッズの司令官となったエリオット将軍と副司令官マクラナハンたちが繰り広げる死闘。

妻を殺そう。

「それで―誰が夏子姉さんを殺すの?」警視庁の片山義太郎は、殺人事件の捜査のため、中華料理店の一室に張り込んでいた。

私(北海道警刑事)の恋人智子は、借金を残したまま蒸発した。牧場主の野宮は、女の行方を追う私の相談相手だ。

通産省に就職が決まっていた東大生が、卒業式の二日後に原因不明の自殺を図った。

若林嘉男は傷害罪で裁かれようとしていた。夜道で学生に殴りかかり、けがをさせたというのだ。

一本のビデオテープを観た四人の少年少女が、同日同時刻に死亡した。

わたしはけしてセンチメンタルな人間じゃない。

ロサンジェルスの大学病院に一人の男が収容された。彼の名はベンスン。

伝説のピアニスト、バローは生きていたのか?40余年ぶりの新録音がCD化され、話題を呼んだ。

「チャーチルは裏切り者だったか?」というショッキングな問いかけで始まるこの小説は、第二次大戦勃発とともに「イギリス特別諜報活動機関」に入隊し、パリ西南でスコルピオというレジスタンスの組織を指揮するフランス育ちのイギリス青年マクリーンが主人公である。

巨額の遺産を相続した若い独身女性の家に侵入してみると、なぜかどの部屋のなかも鏡だらけ。

東京の大宝石商の一家を恐怖のどん底へと突き落とす無気味な数字の通信。

戦局悪化と持病のパーキンソン氏病にくるしむヒトラーは、夢魔の床で幻影をみる。

九州肥後市で、市長選候補者の大曽根英隆が毒殺された、遺跡群に建設予定の大レジャーランド推進派と対立していた彼は、手帳に邪馬台国に関する奇妙なメモを残していた。

中世の花と闇を描く伝奇ロマン。

美人アナウンサー細川知子は不倫相手の杉正彦とデート中、杉の妻が何者かに殺される。

モース警部がジェリコ街に住む女アンに出会ったのは、あるパーティの席上だった。

霧につつまれたコスタリカの孤島で、極秘のうちに建設が進められているアミューズメント・パーク―それが〈ジュラシック・パーク〉、バイオテクノロジーで現代によみがえった恐竜たちがのし歩く、驚異のワンダーランドだ。

「あたしのパパが作ったタイム・マシンを見てくださる?」―ぼくの決死のプロポーズに、彼女は笑ってそう答えた。

ソ連軍の動向を瞬時にして探知する〈シルヴァー・タワー〉のレーダーを用いて、アメリカ軍は驚異的な反撃を開始した。

雨と霧に煙るカナダ沿岸部の小さな町、セケルト。この地に住みついた美貌の中年女性ゾーイは、優雅なひとり暮らしを営んでいた。

雑誌の特集で邪馬台国をとりあげることになった編集者津野田は、邪馬台国があったと思われる九州へ向かった。

かつて都から伊勢に遣わされた哀しみの皇女が辿った道で、崇りとも思われる殺人事件が発生。

孤高の新宿署刑事・鮫島―。犯罪者たちは「新宿鮫」と恐れる。