捜査を命じられたワシントン市警のアレックス・クロスは心理学の博士号を持つスター刑事だ。

常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。

鍋島藩に崩壊の兆しあり。藩主勝茂が孫の光茂を嫡子としたためだ。

慶国に、玉座に就きながらも、王たる己に逡巡し、忸怩たる思いに苦悩する陽子がいた。

由利江は驚いた。気がついたら自分の心臓が止まっている。

『11枚のとらんぷ』を筆頭に、『乱れからくり』等数々の名作でわが国推理文壇に不動の地位を築いた泡坂妻夫が、この一作をもってデビューを飾った記念すべき作品―それが本書冒頭に収めた「DL2号機事件」である。

こんがり焼けた肌、すらりと伸びた脚と長い髪。夕暮れの海辺で出会った美少女の名は美奈。

「小さかった頃にはまだ町ん中に原っぱがあって…」先輩の原口さんが、呑み屋で知り合った男と思い出話に意気投合しているのを、ぼくはぼんやりと聞いていた。

若くて美人で柔道初段の塚原婦警と、女房に逃げられた酔いどれ警察医の花井先生の名コンビ。

海峡を越える純愛逃避行の行く末に、2人を待ち受ける運命は。

浪人生・益子竜夫が何者かに刺殺された。死の直前に啄木の歌をつぶやいて…。

〈反権力〉と〈人権の砦〉を標榜してやまぬはずの「全日本弁護士連合会」。

人探し専門の私立探偵・桐沢香代の事務所に依頼に来た、死相ただよう佐藤志摩子が所持していた水晶の印鑑が妖しく光って…富士の裾野の自然歩道で、車に排ガスを引き入れた心中死体が発見され、事件は意外な方向へ。

最先端の心理療法、人気の新興宗教、「こころ」という果てしない謎を追う迫真の推理野心作。美貌の依頼人、危険な愛の禁忌。

北アルプス・槍ケ岳の観光開発をめぐり、鎬を削る若手エリート―国井、村越、弓場。

剣に将来を託し、武市半平太の命ずるままに暗殺剣を振るい続けた岡田以蔵の末路(「魔剣」)。

女陰をのぞいておのれの一瞬先の運命を知る「忍法破倭兵状」。斬った首を他人の胴につないで生きかえらせる「忍法小塚ッ原」。

一日じゅうヴィデオの貸出しなんてうんざり―レンタル・ヴィデオ店で働くルーンは、おとぎ話と冒険が大好きな二十歳。

極道温泉へようこそ。実力派が笑いと哀愁で紡ぐ愛と涙の傑作・極道ファンタジー巨篇。

六人組にいじめられて死んだ登。周囲はこの事件をうやむやにするが…。

日本ジャンプ界期待のホープが殺された。ほどなく犯人はコーチと判明。

信州毎朝新聞・牧田の絞殺死体が水内ダムで発見され、部下の中島が疑われた。

次々と興信所を訪れては、およそ事件とは思われない奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。

映画界の鬼才・大柳登志蔵が映画の撮影中に謎の失踪をとげた。すでにラッシュも完成し、予告篇も流れている。

円城寺実矢と麻堵―それが妖精のように美しい兄弟の名だった。

夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々―江神部長や有栖川有栖らの一行を、予想だにしない事態が待ち構えていた。

失踪したAV女優・一色リナの捜索依頼を私立探偵・村野ミロに持ち込んだのは、フェミニズム系の出版社を経営する渡辺房江。

将棋の世界では現金を賭けて対局する者を真剣師と呼んでいる。その真剣師の大会が東北と関西で開催された。

M航ジャンボ機の貨物室から、アルミ合金をとかす特殊細菌があふれだし飛行困難に。

十八世紀の昔、村人を殺して目をえぐり出し、魔術的儀式を行なったとして火あぶりになった女性エヴァンジェリン―新作の題材を探していた歴史作家のわたしは、彼女のたどった数奇な運命に興味を惹かれた。

死体が殺した。切断された左手薬指の謎。

浅見光彦と名乗る男の、妙に手慣れた110番通報で始まった新宿歌舞伎町の殺人事件。

都内のホデルで謎の男に死の直前、赤ん坊の入った篭を渡された私立探偵・冴木涼介と隆の親子は、男と赤ん坊の身許を探る。

失恋の痛手を癒すために、ヨーロッパ・ツアーに参加した穂積裕希子。

白馬岳山頂で偶然に出会った三人の若者は、「青春の抵抗の記念」を理由に、大金を強奪し二度と会わない約束で下山した―。

嵐の夜、悪魔は18歳の美少女スター松永栞に襲いかかった。毒殺、絞殺、撲殺、刺殺、溺殺。

武器商人との壮烈な闘い。ただひとり、敵の懐深く潜入した情報員に危機が迫る。

チューリヒの名門ホテルのイギリス人ナイト・マネジャーであるジョナサン・パインは、雪の夜、忘れることのできない過去と遭遇した。

聖地に巡礼に出たが旅の途中で死んだ商人の柩が修道院に着いた。

血なまぐさい風が吹く居合道場、一心館。完全な密室状態の中で、二つの白装束の惨殺死体が発見された。

精神ダイバー九門鳳介は、不死の秘密を探るため、秘密結社“ぱんしがる”が聖域高野山から盗んだ空海の即身仏に潜ることを決意した。

ホールを埋めた聴衆の前から、オーケストラのメンバー全員が消えた。

有能な教師にして模範的市民のコンラッドの運命は、あの夜から大きく狂いはじめた。

親友モーラの結婚式でマイアミを訪れた探偵リーガンは、老人アパート〈たそがれ荘〉に住むモーラの伯父リッチーの身辺警護を頼まれる。

脳移植手術を受けた青年にしのびよる灰色の恐怖。君を愛したいのに、愛する気持が消えてゆく…。

傷ついた心を癒す旅に出た香島紀子は、山間の村で急に増水した川に流されてしまう。

著者は『孤独な殺人者』に、こんな創作メモをつけている。「あどけなくて、可憐で、純情そうな少女。

戦後を代表する名作「奇蹟のボレロ」に「緑亭の首吊男」「Yの悲劇」ほか5編、終戦直後の混乱した世相を背景に重厚な推理を展開、強烈な個性で本格新時代の到来を告げた加賀美シリーズ全短編を収録。

晩秋の気配漂う恵那峡で若い人妻の絞殺体が発見された。被害者の足取りを調べるうちに浮かんだ容疑者は夫。

東京・国立市の豪邸で謎の殺人事件が起きた。

激動のうちに20世紀も暮れようとするなか、フランスの大富豪ピエール・ベナック男爵は私財を投じて国際科学オリンピックを開催した。

顔にドーランを塗り、民族衣装をまとった奇妙な死体―オックスフォードにあるホテルの別館で撲殺されていた男は、仮装大会の優勝者だった。

地面に縛りつけられ無残に殺された犠牲者たち―カップルばかりを狙った三件の連続殺人の容疑者が逮捕された。

〈プタ・クリーク連続殺人事件〉の公判が始まるが、訴訟を指揮するポールら検事局の前には、さまざまな難問がもち上がる。

米空軍が極秘裡に開発を進めていた次世代主力戦闘機ドリームスター。

流行作家・角田博紀の妻、僚子にある日届けられた豪華な花束。

「生きてるのがつまらないという顔をしてるな」無為な日常のある日、俺に声をかけてきた爺さんは、クラブのジャズピアニストをやる裏で、薬を売っていた。

エリート警部補だった青野は、警察の閉鎖的な世界に倦んでいた矢先、飲酒運転で依願退職した。続いて、誤認による殺人容疑。

野末総子はバンクーバーへの独り旅の折り、ホテルで素敵なカップルを見かけた。

看護婦・戸田鮎子の勤務する病院で中絶手術をした患者が、数日後宇治の天ヶ瀬ダムで水死体となって発見された。

かつて銀河系へ進出した地球人の末裔が宇宙国家連合を形成し宇宙をわがものとしている現在、地球は孤立し、宇宙進出もままならない。

惑星オーロラで、ベイリはジスカルドとダニールというふたりのロボットとともにロボット破壊事件に取りくむが、捜査は難行をきわめる。

ゴーントさんがこの商売をはじめたのは、何年も何年も昔のことだった。

初老の殺人課刑事リアダンが指名を受けて担当することになったのは、動物園の鹿の惨殺事件。

英国情報機関内にどうやら「もぐら=二重スパイ」がいるらしい。

銀行に数十ドル、腰に腰痛、胸に中年の悲哀をかかえながら、私立探偵トビー・ピータースはハリウッド・スターのために骨身を削る。

私立探偵ジョン・タナーにとって、救急車の運転手をしているトム・クランドールは大切な友人だった。

カフェ・コメディの人気女性コメディアン、トレイシーが二年前の雨の夜、突如姿を消した。

へんなことがあった。なんだか、今でも不安で落ち着かない。

建設会社のワンマン会長・丹波竜造が、伊豆沖でヨット航海中に遭難した。

ハードボイルドの生みの親として知られ、数々の名作、傑作を世に送り出したハメット。

ハードボイルドの生みの親として知られ、数々の名作、傑作を世に送り出したハメット。

今世紀初頭のシカゴ。全米一優雅で華やかな娼館として知られる〈エヴァーリー・クラブ〉に市当局から閉鎖命令が。

この男を消していただきたい。謝礼は4千万…。

「ドルフから聞いてないんですね。

ノルマンディ上陸作戦の陰で、世界史を決した軽井沢の殺人事件。

テキサス州の高地砂漠地帯にあるグアダルーペ山脈国立公園。

地球からあふれてもなお増え続ける人類。その期待を担って、NASAの宇宙船が火星に向かった。

美貌の元侯爵夫人に想いを寄せる二人の青年。その一人がある日、断崖から墜落死した。

ある星に被害者、犯人、目撃者、警官、探偵、新聞記者と役割の定まった男女がいた。

フィリピンの有力な貿易商が京都清水寺で刺殺された。ガイド・森麻子の一瞬の隙を狙っての犯行だった。

ピーター・ウィムジイ卿の兄ジェラルドが殺人容疑で逮捕された。しかも、被害者は妹メアリの婚約者だという。

クィラランは幽霊の存在なんて信じてはいなかった。けれど、博物館の女性館長の怯えようはただことではなかった。

猫が消えたことは、始まりに過ぎなかった。謎の女はその奇妙な暗い部屋から、僕に向かって電話をかけつづける。

明治29年、帝都。

かつて法医学教室の助教授であった江崎伸介は、法医学界の権威、嵯峨宗晴教授から故なき攻撃をうけ、学界を追放された。

「神の領域」は存在するのか。かかわった人間を破滅に導く未完の原稿。

十六歳の女子高生片桐瑞穂が文通マニアの専門誌「月刊ペンパル」に気まぐれに出した伝言に応じてきたのは四人の男女。

あまりにも突然のことで、わけがわからなかった。いきなり男に腕をつかまれ、地下鉄のホームから線路に突き落とされたのだ。

〈精神ダイバーとは人間の頭脳に潜入し、その秘密を探り出す特殊能力を持つ超戦士である〉聖域高野山から盗まれた空海の即身仏を追う密教術の達人美空と精神ダイバー九門鳳介は、中国拳法の達人文成仙吉の案内で、秘密結社“ぱんしがる”の暗黒祭に潜入した。

薄紫の香腺液の結晶を、澄んだ水に落とす。

女子大生と円紫師匠の名コンビここに始まる。爽快な論理展開の妙と心暖まる物語。