集中豪雨がもたらした土砂崩れで、列車は駅と駅とのド真中で完全にストップ。

S重工企画総務課長・朝倉達也は、役員会議へ新企画報告のため、名古屋を発ち東京へ向った。

“首都消失”が長期化するにつれ、“雲”を軍事的に利用しようとするアメリカ、北方海域に大艦隊を送り込んできたソ連など外国の干渉も強まった。

林田吾郎とよし子は幼な馴染であった。そしてよし子には、忘れられない男でもあった。

全ヨーロッパが異例の上天気を共有したかのような、大戦前のある最後の夏。

時は春、のどかな季節。だが刑事部屋ののんびりした気分は1本の電話で破られた。

クリスマス間近のニューヨーク・チャイナタウンに4発の銃声が響きわたった。

9月はトロントでいちばんよい月だ。暖かく晴れた日が多いし、夜は涼しく眠りやすい。

ヴァージニア州の平和な田舎町シャーロッツヴィルは人種暴動で一触即発の危機をはらんでいた。黒人運動の指導者が殺されたのだ。

かつて植民化が企てられ、その後4半世紀にわたって放置されたままのアルファ系衛星には、いまだに地球人が生存していた。

平凡なサラリーマンが、ねごとで妻にもらした見知らぬ男への殺意。ねごとでの殺人計画はしだいに具体化していく。

時間が作り出し、いつか時間が流し去っていく淡い哀しみと虚しさ。

物見の塔、無窮の滝、版画画廊、球形住宅…天才画家エッシャーの描き出した超建築の街カストロバルバの不可解な連続殺人、幻想の都市を訪れた夢探偵万治陀羅男はこの白日夢的世界に事件の謎を追うが。

投票が始まった。黒ずくめの男たちが議員たちの脇についた。

航宙エンジニアとして宇宙にとびだすことを夢みている17歳の少女ティナ。

S県の大学教授訪中団の一員・入江章介から玉嶺の磨崖仏を視察希望にあげられて中国当局は戸惑いを示した。

シティ感覚の連続サスペンスドラマ『黒のエチュード』は、農村的じいさんばあさん的大テレビ局CHKの看板番組である。

千草検事は、路地からとび出した女の、異様な姿に目をひかれた。

妊娠7カ月の若い身寄りのない女が井田産院を訪れ、堕胎の処置をした。

プロ野球の若きエース梶は、八百長容疑で球界から追放された。

インドネシアから独立した人口百万余の島国スマリ。

蘭を愛する美食家で巨漢の探偵ネロ・ウルフの許へ、富豪の未亡人が訪れた。

ピーター・ヒューストンは妻ジャニスをともなって、墓参のためにフランスへ渡った。

コンピューターの超天才ブエルは退屈しきっていた。

遥かな未来、惑星ウールスの南半球を統治する強大な〈共和国〉。

絵理は推理小説の大好きな高校二年生。単調な毎日を過ごしながら、何か事件が起こらないかな、と思っている。

片山刑事と晴美、ホームズが、ドイツ旅行に招待された。

毎日が退屈で死にそうになっている団地の主婦政子が、高校以来の友人並子に再会したのは団地の公園だった。

半七捕物帳は、著者綺堂が、江戸末期の切絵図をはじめ、古今東西にわたる広汎な資料を渉猟する中から生まれた。

7年前に別れた妻・杏子がロス―東京を結ぶコカイン密売組織のトラブルに巻きこまれた。

桟橋を降り、ゆっくりとバイクを進める。この空気だ!この空気を裂いて走るため、ボクたちは北海道に来た。

「10日後の葬儀の日まで、遺産相続人は屋敷を立ち去ってはならぬ」奇妙な遺言をして老女山師が死んだ。

社会主義国ソビエト日本が世界に誇る古典女流作家紫式部―その否定は国家に対する裏切りと反逆を意味した。2073年の京都。

河合は十年ほど勤めた二流の商社を辞め、“サラリーマン問題評論家”として一本だちした。

48歳の未亡人ロレインに突然舞い込んだ遅咲きのロマンス―彼女の投書を雑誌で見たという男から、ラヴレターが届けられたのだ。

名探偵エルキュール・ポワロは実在し、名作『オリエント急行の殺人』事件は、それが書かれる前年の1933年、南インドで実際に起こった事件だった!45年後の1978年、作家・高田晨一はインド政府の招待旅行で、老人のポワロと出会う。

東西の接点ベルリンに暗躍する国際スパイ・ミステリー。

中米の小国サン・カルロに革命が起り、米大使館が占拠された。

張英蘭―中国残留孤児。来日したが肉親に会えず、切々たる思いを胸に離日した。

ドイツ軍の空襲で両親を失った、英国の名門プラドロマン家の8歳の若き公爵ロビー・バーンズは、ニューヨークにいるという叔父のもとへ疎開させられることになった。

英国国防省の諜報機関で中東情勢分析を担当するオードリーにある夜、本部から指令が入る。

「メイブリッジ主任警部、できたらこの殺人のあらを捜してみてください」―推理作家たちが三十人、〈ゴールデン・ギロチン・クラブ〉の年次例会に集まったその夜、会長の大物作家グラントが怪死。

鑑定のミスから1億2000万もの人を殺してしまった元惑星鑑定士のセイタロ。

江戸中期の尊王論者、山県大弐と出会ったことから藩の内紛にまきこまれた二人の青年武士の、友情の破綻と和解までを描いた初期の中編「夜明けの辻」。

――殺しだよ。 傷は、柔術で言う独古(どっこ)と呼ぶ急所を抉ったあとだった……。

強烈な太陽。薄暗い路地。

羽が舞うように、ふわりとスツールに腰かけた女。黒いドレスに流れるような髪。

看板間際、雨に濡れて男はやってきた。マスターを訪ねてきたのだ。

「彼女…ぼくと一緒に死にたいなんて…そんなことまで言いだしました」修学旅行先で、高校生の男女が心中する!?二階堂日美子が、姉のように尊敬している女性の一人息子から打ち明けられた、G・Fとの危険な関係!悪い予感を抱きつつ、日美子は奈良、京都へ…。

そうなんです。ルパンはまた難事件に巻き込まれちゃったのね。

東京大空襲を生きのびたのは、娘・唐子の霊感のおかげと母親は思っていたが、実は半身不随の父を猛火の中に残した母親に反発して、わざと母の指示に逆らっただけだったのだ。

日本シリーズ2戦目、人気投手小野が突然、マウンドの上で殺された。

オートバイの疾走に陶酔する安城はるな。幼くして母を失い、父は英国軍人だったことしか分からない。

暗闇で彼はスクリーンを見つめていた。画面には、彼とヌード・モデルの情事が次々と映しだされていく。

ミステリー研究家・久我京介の助手・明夫の姉が、自室で殺された。

幼稚園のお遊戯会を楽しみにしていた矢先、厚子が誘拐された！　なぜか犯人は何も要求してこない。

愛しあう佑伍と多恵に突然の別れが訪れた。

この物語のヒロイン、塚川亜由美。私立大の文学部に通う二年生、少々あわてんぼうの19歳の娘である。

日米開戦前夜の昭和十五年、東亜新聞記者中沢靖彦は、米国から帰国したばかりのかつての恋仇岩岡の土産話を聞きに、従妹の香代子と共に出かけた。

日本映画界の巨匠・都築昭彦の助監督・宮地晃が大船駅でのロケ中、赤い上衣を着た謎の男に突き落とされ轢殺された。

越前大野の旧家の令嬢・野路真利子は、死の恐怖に怯えていた。

弁護士・猫尾恭介は出張先の浜松で、不思議な魅力を持つ柏木品子と知り合った。

三流広告会社のアルバイト学生不破太平は親友の朱雀秀介から人形の家を借りてCM撮影現場に持ち込んだ。

博士から大金を払って買ったロボットはなかなか優秀で良く働くが、ときどき働かなくなったり逃げだしたりする。

文化8年元旦、豊漁に賑う房州白浜で、鯨の胎内から書状がでてきた。書状の主は長崎留学中の蘭学生・鬼頭朱之助。

本当はこの事件に首をつっこみたくなかった。株券偽造の疑いをかけられたおばは昔わたしの母に冷酷な仕打ちをした張本人なのだ。

マイアミのモーテル経営者ジョージ・モランはふと思い立ってドミニカ共和国のサント・ドミンゴに飛んだ。

大学の図書館で厳重に保管されていた中世の稀覯書〈ゴッドウルフ彩飾写本〉が何者かに盗まれた。

インド駐在の英国高等弁務官事務所代表ヒューゴー・フレンチャムが自宅で殺害された。

霧の深い夜、若い女性が切り裂かれて殺された。変質者の犯行か、それとも何か目的があるのか?(外科)。

ヨーロッパのハネムーンから戻った伸子は、出迎えた兄から突然、会社重役の父羽川重信に会うようにと告げられた。

被害者捜し、探偵捜し、と一作ごとに新機軸を出して読者を魅了した才媛パット・マガーの長編代表作。

競馬界を舞台にしたミステリーの最高傑作。北海道で3億2千万円のサラブレッド「セシア」が盗まれた。

ひょんなことから社会派の超大物作家辺見圭吾の身辺を守ることになった高松圭介に血の脅迫が始まった。

妙なる楽器の音色と、血も凍る殺人劇との組み合わせ。そのアンバランスぶりが、いわゆる音楽ミステリの妙味となろうか。

嵐の軽井沢を舞台に国際謀略の渦中に挑む若き探偵!佐久間公の本業は失踪人探し。

東京から特急で2時間ほどの山中に山科警部の親威がオープンしたばかりのペンションに幽霊が出没、客足もすっかり途絶えているという。

鴨池信夫は売れない作曲家。彼には、鴨池商事を経営している女性実業家の徳子という猛妻がいる。

劇画原作者・大日方徹は、人気劇画家の城友也と沖縄の神島を訪れた。

蔵王トンネルを通過中の東北新幹線「やまびこ17号」のグリーン車1A席で、男が殺された。

大阪で私立探偵を開業する元刑事が、久々の上客にありついた。若い未亡人に同行して佐世保へ行ってほしいとの依頼。

デュマレストは、宇宙船で同室になった男が疫病の疑いをもたれたため、二人で無人の星に置き去りにされた。

殺害現場の天井に貼られた1枚のカード、ダイアモンドのジャック。

著者綺堂が、長く病床に臥せっていたとき『江戸名所図会』を通読、これが半七捕物帳を書くきっかけになったという。

なぜ愛人の娘は死んだのか?背後に潜む戦慄の魔手。松永は34歳のサラリーマン。

巨大自動車会社が、すべてを支配する東海の地方都市。

凄まじい閃光と炎に包まれた竜が浜地熱発電所。その炎のシャワーから、精悍な少年が、はだかで突っ走ってくる。

憂鬱な月曜日の午後のこと、年の頃18、9歳の別嬪が私の探偵事務所を訪れてきた。

内なる妄念に突き動かされ次々と若い女を惨殺する孤独な殺人者。“詩人”と呼ばれるその男はいつでも彼の最愛の女性を殺すのだ。

16年前に兄を殺した不良少年たちが、当時の姿で転校してきた!高校教師を脅かす悪夢『やつらはときどき帰ってくる』、腐ったビールを飲んで怪物と化した父親『灰色のかたまり』、血の味にめざめたクリーニング工場『人間圧搾機』、宇宙飛行士の手の中に寄生

ロンドン近郊の閑静な村で殺人事件が発生。頑固で旧弊な治安判事が、牧師館の書斎で射殺死体となって発見されたのだ。

競馬写真家のジョージが交通事故で世を去った。

映画館の暗闇を出た途端、君は見たこともない「幽霊都市」に放り出された。

精密機器の東洋製作社米国支社駐在の町田が、情報漏洩調査の密命を帯びて忍びこんだ館で、支社長の鍛治の惨殺体が発見された。

排水溝へ身を乗りだした男はあまりに無惨な光景を見て絶句した。

汎銀河プレセペ大戦で、あまたのイナゴ型宇宙人の操る戦闘艇を破壊した宇宙船〈仰天〉号。

ロックの鳴り響く真昼の映画館でムアンのママ和子が殺された。追うように縊死した高柳社長。