華やかな芸能界の裏側に渦巻く、愛情のもつれ、ライバル意識、打算。ロケバスは俳優たちのさまざまな思惑を乗せて流れ橋へ。

海燕新人文学賞を23歳で受賞した実力派新鋭の奇妙な感性が今、ここに傑作を生んだ。

カリスマ的な人気をもつ美人歌手・千里と、母の遺言で千里に曲を届けるためロンドンからやってきた少年マイク。

市助には８人の子がいた。その子らが夜ごと寝間を抜け出して、朝まで箪笥の上に坐っている。

陸奥湾に向かって大きく突き出した夏泊半島。自生椿の北限として名高い景勝地である。

清痩鶴のごとし、と掉まれて逝った長塚節。

多くの人が出入りするテレビ局から、白昼、売り出し中の歌手が誘拐された。

高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。

人間は空を飛べるはずだ、と日頃主張していた幻想画家が、四階にあるアトリエから奇声と共に姿を消した。

魔女、魔女、魔女。名門女学校の恐怖。

見事な赤毛と死体の消失。これが連続殺害事件の共通項だった…。

ニューヨークでVIPを乗せた旅客機が墜落。現場からはソ連製の毒ガスが発見された。

「あいつを殺してやる!」黒星光警部は、フリーライター・葉山虹子と訪ねた鬼面村で、そう呟く異様な女に遭遇した。

函館で人を殺した、と十津川に言い残して親友は死んだ。だが調べてみると、その日友人は函館ではなく、大阪に出張していた。

石神探偵事務所の扉を、清麗女学院理事長・塩谷が叩いた。娘・美香の誕生会で奇妙な出来事が起きたのだ。

「気に入らない。獲物を横取りしたのはどいつだ?」クラブのマダム殺しを依頼された安本が見た女は、すでに死体となっていた。

39年ぶりに日本で発生した狂犬病患者。台風接近で孤立した幹根島を襲う白い狂犬の恐怖。

引退したアル中レーサーの復活を賭けた闘いが始まる。敗れざる男の心情を描く北方ハードボイルド最新長編。

伊達順之助―。その姓の示す通り、戦国の梟雄伊達政宗の後裔である。

極度に発達した“メディア”が支配し、現実と疑似現実が錯綜する近未来都市・東京では、麻薬テクに溺れ、罪悪感をなくした若者たちが犯罪を繰り返していた…。

謎を秘めた孤高の画家荻生仙太郎―その作品のオークションが開催された。そして会場では、奇妙な競売が進められていく…。

ソ連の軍事機密を奪取し、クレムリンの要人の亡命を幇助せよ―。

看護婦仲間の久江、和子、千寿。

「私を三日間護衛して!」突如現われた美女水木亜希子の依頼が、工藤兵悟の運命を激変させた。

もっと気楽に考えればいいじゃないか。手紙で近況報告するくらいの気持ちでね―という言葉に後押しされ、物語を書き始めた駒子。

矢的遥は、からくり人形の蒐集家として著名な加島が、「べんきちはゆるさないぞ」と書かれた脅迫文を見て怯える姿に愕然とした。

優秀なコンピュータ・エンジニアである本田一郎は、二つの顔をもっていた。

「被害者は、誰を殺したのか?」長崎の一流ホテルで起きた殺人事件に興味を抱いたルポライター浦上伸介は、被害者野山が「長崎駅近くのホテルで女を殺したらしい」と洩らしていたという情報を入手した。

24歳で渡米、事業を興したが失敗、逆境の中で生きるおれは皮肉まじりに“ラッキー”と呼ばれている。

おれはワゴンにムーニーとマギーを乗せ、欲望と腐敗の街ラスベガスを後にした。荒野の岩かげから、暗殺者がこちらを狙う。

見てくれが良く、手頃な家賃、名画『カサブランカ』のイメージで建てられた丘の上の小さな白いアパート。

大財閥・火枝家の血縁者・山川広治が、水没した車から心中死体で発見された。

四億五千万円、関央銀行で巨額の横領が発覚した日、貸付係二宮加代子の姿が消え、やがて絞殺体で発見された。

『誹風柳多留』の板元二代目・花屋二三が馴染みの女の部屋で偶然目にしたそれは、かつて見たこともないほどの強烈な役者絵だった。

職場結婚をし、平凡なサラリーマン生活を送っていた三宅の前に、ある日突然、中学校の同級生だった女性が現れた。

男は貧しいから頑張った。

旧式の双発プロペラ機ダグラスDC‐3で運び屋をする退役自衛官・北一馬。

銀座にある超一流フランス料理レストランの調理場で死体が発見された。

書きたいと強く願った少女が母となり、芥川賞作家になった日々―。

輝くアイドルへの道を着々と進む奔放な性格の安土ゆかりと、地味ながら真の役者を目指しコツコツと努力を積み重ねる原口邦子。

スターの座を夢みて、それぞれの道を歩むゆかりと邦子を陰ながら支える浩志は、二人を平等に愛し続けようとしていた。

並子と政子は親友で、東京郊外の大団地に「探偵局」を開いている。

今をときめく清純派タレント八木橋紀子と密かな交際を続けていた大学助教授の宮本の留守中、妻が何者かに陵辱、殺害され、子供の姿が消えていた。

日常の彼方へいざなう5つのこわいお話。

警視庁捜査一課十津川警部の部下である西本刑事は、ある夜、自宅マンション前で意識不明の女性を救護したが、これは罠かもしれない。

僕は殺されることにも慣れてしまったが、同時にまた憎まれることにも慣れていた。

画家を夢見、この世にかけがえのない存在として恋人を愛していた青年、成瀬純一を不慮の事故が襲った。

小樽在住の美人画家が、札幌のホテルで殺された。捜査の進展につれ、画家の過去に複雑な人間関係が浮かぶ。

妻と別れる方法は離婚だけではない。情事を仕向け、妻を追いつめ自殺へ導く男の心理(「夜のない窓」)。

戦いを終え、長い休暇を送る西城秀夫の安息を破ったのは警視庁からの緊急連絡だった。

沢原は焦っていた。一枚の写真と物語で世界を構築するフォトライターとして、手応えある狙うべき像が見つからない。

南国沖縄を訪れた、牧薩次と可能キリコのヤング探偵コンビの前に、難事件が続発する。

さびしげな花の色にたくして武家の老女が語る若き日の淡い恋とそれにまつわる仇討ちの話。―異色の表題作ほか名手会心の七編。

人を撃てる、こんな機会を誰が断わるか―。

冬が海からやって来る。毎年それを眺めているのが好きだった。

すべては夏のせいだった―。二十六歳の夕香は平凡なOL生活にうんざりしていた。

各企業が車を飾りたてて大阪・御堂筋をパレード―。その最中に事件は起った。

丹波篠山にいるはずの男が東京・多摩湖畔で死んでいた謎―。〈車椅子の少女〉と〈鬼刑事〉の感動的な捜査協力。

彫像という名を刻まれた男・新坂五郎。渡仏して15年。

組合闘争にゆれる本多銃砲火薬店。その工場に勤める花城由記子が、遺書をのこして失踪した。

怒鳴り合う声、立ち去る男、長き続く女の悲鳴。―同じマンションで愛人を待つ木部比呂子はそのとき不審な思いにかられた。

推理作家・朝比奈耕作は京都の小ラジオ局の深夜放送番組でゲストに招かれた。

阿部麻里亜は怯えていた。彼女と内縁関係にある評論家の南雲圭一郎の不気味な過去が次第に明らかになってきたのだ。

犯罪組織の大物・村上竜男の超豪邸で、元プロレスラーの用心棒・吉川が背後から心臓を銃で撃ち抜かれていた。

都屋百貨店へ入社した有馬正一は順調に出世の階段を登っていたが、系列ストアの用地買収に伴い自殺者が出た責任を負わされ、一転、非情な扱いとなった。

化粧品メーカーに勤務する魚住晋一は、立山で遭難しかけ、若い女性に助けられた。だが、女性は翌朝、忽然と姿を消した。

いつも人騒がせな女子大生亜由美のところに誤配された1通の手紙。

学生時代、美貌・才知・人柄の三拍子揃った才援の友人並子に、政子は団地の公園でばったり会った。並子はあいかわらず若々しい。

連休最後の朝、轢死体となった少女が猫を抱いた姿で発見された。場所は自宅から少し離れた道路わきのしげみの中。

たとえ天国の眼前にあろうとも、一人の餓鬼畜生道の徒あるかぎり我らは昇天せじ…。現世で世直しは可能なのか。

たとえ天国の眼前にあろうとも、一人の餓鬼畜生道の徒あるかぎり我らは昇天せじ…。現世で世直しは可能なのか。

恋人面川純子を北上栄二に奪われた雪吹晋平は、兄の遺志をついでヒマラヤ登頂を人生の目標にした。

雪吹晋平は、恋塚、印東、中里の三人と大学生活最後の夏の八ヶ岳登山中、面川純子、市毛京子ら四人の女子大生に出会う。

「頼子が死んだ」。

関ケ原合戦で徳川家康は死んだ。そして影武者世良田二郎三郎の存在。

連続して起きた殺人事件、ホテルの現場に残された花粉の謎、捜査線上に浮かぶ人々の過去を追い、刑事は走る。

奇術ショウの仕掛けから出てくるはずの女性が姿を消し、マンションの自室で撲殺死体となって発見される。

北陸の温泉を訪れた人間たちが次々と殺されていく。それも警察に挑戦するかのような手段で。

日航機に乗っていたはずの二人が、同時刻、鹿児島本線新特急「つばめ」のグリーン車で目撃されていた。

名探偵、信濃譲二が、ミニ劇団〈マスターストローク〉にマネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。

双子の兄弟が殺人犯?しかし兄の妻が余呉湖畔で殺されたとき、兄は博多、弟は酒田にいてアリバイは完璧だった。

一九三六年、スペイン内戦前夜。

社交界の花形にして暗黒街の女王、左の腕に黒蜥蜴の刺青をしているところから、その名も〈黒蜥蜴〉と呼ばれる美貌の女賊が、大阪の大富豪、岩瀬家が所蔵する日本一のダイヤ「エジプトの星」を狙って、大胆不敵な挑戦状を叩きつけてきた。

新任看護婦・規子が小耳に挾んだ「無脳症児」のひと言がきっかけだった。この病院で何か途方もないことが進行している―。

砂が流れ、風の集う時。走れ。

上海―。魔都と呼ばれた時代がかつてあった街。

2組の夫婦に秘められた背徳の過去。東京とスイスを結ぶ往復書簡が織りなすレターロマネスク。

伊豆の高級リゾート地で、総理の紀尾井、副首相の伊奈、大蔵大臣の湖東がゴルフを楽しんでいた。

義父の死をきいて故郷に帰ってきたぼくは、駅前で偶然、川村千里に出会う。ぼくの中学時代の初恋のひと、川村麗子の妹だ。

赤かぶ検事こと柊茂は、駆けだし時代の思い出の地・高山を訪れる。

朝倉理絵は東京都カルタ会の女王である。

岩手から奈良へ、久慈に住む青年男女が「琥珀街道キャラバン隊」と称して、一風変わった旅をした。

かつての恋人同士が弁護士として敵味方に分かれ再会した。現代の悪の構図を描く社会派ミステリー。

曲垣賞に沸く秋の競馬場で、一人の男が刺し殺された。

少年時代、虫でも殺すように幼女を川に突き落とし、溺死させた波多野と的場。

よろずもめごと仲裁つかまつり候。旗本妾腹の祝福されざる冷や飯食い平四郎の稼業である。

長女・綾子は友人・米原朋子の婚約披露パーティに出席。しかし、それは政略結婚だったものだから、当の朋子は大反発。

カメラマニアの三谷卓は、鳥取砂丘で女性の死体を発見。翌日、村田麻美と名のる女と宍道湖で出会った。