焚火と酒と木彫に生きる男、商社マンとして駆けめぐった戦場で人の死を見てしまった男、世捨人として山小屋で暮らす男。

ジェイクは半ば呆れていた。今日はディックが駆け落ちをやらかす日。

謎の失踪をしたヤミ金融の経営者は、横浜の暗い運河で他殺体として浮いた。そして金庫から、秋田の富豪の土地権利証が消える。

京都府下、雨の保津峡で男が墜落死した。目撃者によると、犯人は現場近くの無人駅から京都行き嵯峨野線に乗り逃走したという。

JR博多駅に到着した寝台特急〈あさかぜ1号〉の二人用個室から、女性の死体が発見された。

カナダ国境に近いムース郡は冬になると雪と氷に閉ざされる。

ミステリの女王クリスティの短編集九冊から重複作品を省き、全五巻に再編集した決定版！　5には中編推理小説、厩舎街の殺人、謎の盗難事件、死人の鏡、負け犬、の全四編を収録。

シャクリと呼ばれるポンプ・アクション6連発銃、ウインチェスター・M12。その銃を手にした男たちのそれぞれの生き方―。

行方不明になった義父を発見する手がかりを求めてアルプス山中の寒村を訪れたソールは、聖識者とおぼしき男たちに襲撃された。

世界各地で、次々と行方不明になる老人たち―ナチス・ドイツの残虐なテロ政策〈夜と霧〉が甦ったのか?暗い過去を背負い、イスラエルに隠遁していた元CIA工作員ソールは、モサド要員だった義父の失踪を知り、探索を開始した。

ゲームの最中、突然マスコットガールに襲いかかったプロ野球選手・追分知之。

日美子は友人の菱田実那子から相談を受けた。彼女の父・大学教授の英太郎が、神戸で殺人を犯したと、脅迫されたのだ。

25歳のサラリーマン秋葉誠一。端正なマスクで育ちが良く独身。

20歳の自称“うら若き乙女”奈々子がアルバイトする喫茶店〈南十字星〉を、しっとりした美人・美貴が訪れた。

衣子は白昼、幽霊を見てしまった!岩本武夫は車にはねられ病院で息を引き取ったはずだ。

鑑定ミスのため、自分の妻子を含む1億2千万人もの人たちを殺してしまった惑星鑑定士セイタロは失意の旅に出た。

西伊豆大瀬崎で身元不明の死体が発見された。

女は出雲の日御碕で殺されていた。同時刻、容疑者は寝台特急「出雲」に乗っていた。

きらきらと華やかな平安の宮廷。

きみに仕事を頼みたい、と殺人課の部長刑事が言った。言われた当人は茫然自失。

頑固で陰険でひどい食道楽で回りの人間をイビリまくる―。そんな父を私が憎むのは当然だった。

1933年刊の本書は、著者としては異色の怪奇幻想譚を中心にした短編集である。

天下布武をとなえる織田信長は元亀二年、ついに比叡山に攻め込んだ。

ある日故郷へ戻ってみると、そこは街並も住民も見覚えのない見知らぬ街になっていた。

久々の休暇にかみさん連れで京都旅行へ出かけた赤かぶ検事。だが事件は旅先まで追ってくる。

人類の中から突然変異的に現出した超人たち、〈新人〉と〈異人〉の前に、60億の人間はとりえのない〈旧人〉として支配されるしかなかった。

「わたし、どうしても一人でいたいの」そう言ってスーザンは去っていった。西海岸で新しい仕事につくという。

癌に苦しむ老人、謹厳実直な大学教授、前途有望なエリートサラリーマン、輪廻転生を信ずる老婦人の、平穏な日常生活のなかにふと芽ばえた殺意…。

花々が咲きそろった明るい春のニューヨーク。

都会からはなれた小さな入江で出会った老人と新婚の夫婦。その夜、老人が見たのは、新婚の2人が殺しあう夢だった。

画家志望の少年が自宅で殺された。

赤かぶ検事と行天燎子警部補は、富士山麓・朝霧高原の田貫湖で首を切断された死体を発見した。

アルプスの観光地・ユングフラウヨッホを訪れた三毛猫ホームズの一行。

推理トリック研究家の久我京介のところへ、女子高生から手紙がとどいた。「父が青酸カリで毒死、警察は自殺と断定しました。

内閣調査室副室長からオチコボレ親子探偵、冴木涼介・隆の事務所へ来日した東南アジアの島国ライールの王女ミオの護衛依頼がきた。

恋人の瞬ちゃんと一緒に、名門私立高校・清蘭学院に入学した泉。

失われた過去の記憶が浮かび上がるにつれ、男はその断片的“事実”に戦慄する。

失踪した夫を待った女の決着を描く「忘れ草」。

1782年、船頭大黒屋光太夫ら17人の男と、廻米・木綿等を積んだ神昌丸は、伊勢から江戸へ向かった。

日美子自身が誘拐され、夫の二階堂警部に身代金要求が。

東京南青山の高級マンションで、プレイボーイの青年実業家高原雅之が刺殺された。

情報屋のケンドリックから数枚の写真を見せられたのは、八月の暑い盛りのことだった。

どうしてこんなことになってしまったんだろう?春までは、受験も遠い第四学級生として控え目な青春を送っていた。

山深い別荘でのクリスマス・パーティに向かった敦子と喬二。

片山と妹の晴美、石津と三毛猫ホームズは、久々に自宅で夕食をとっていた。

最愛の女性、久迩子が初めて私の家で夜を過した晩、それは起った。時限発火装置を使った放火であった。

美しく聡明な妻と可愛いさかりの二男一女、自然豊かな南部の町で生活をエンジョイする弁護士一家に、ある日不吉な報がとびこむ。

小学六年生の明男と窓際サラリーマンの倉地は、ともに学校や職場で陰湿なイジメに遭い前途をはかなんで自殺しようと東京駅にやってきて、意気投合した。

メキシコ湾の夜明けは稲妻に震える。

イスラエルとアラブとの熾烈な諜報戦の渦中に身を投じたチャーリィ。

ヨーロッパ各地で頻発する、ユダヤ人を標的としたアラブの爆弾テロ。

戦争で父を、戦災で母と弟を喪くし、10歳で孤児となった春日正明。

高松の死を契機に、高松商事をやめた正明は日本に帰った。昭和35年、もうすぐ25歳になろうとしていた。

共同で「有楽法律事務所」を開設している弁護士の花吹省吾と虻川照夫。

横須賀の朝、高台の洋館で女の死体が発見された。そして、米軍桟橋沖に沈んだワーゲンからは男の死体が…。

松本方面行の終列車、急行「アルプス号」は行きずりの四人の男女を乗せ、新宿駅を出発した。

辺境の荒野に囲まれた〈螺旋の街〉。そこは貴重な鉱石パラサンサを採掘する男相手の歓楽街、女ばかりの街だった。

一触の指の力で、未来を開くことのできる武器、それは同時に地獄のドアを開く鍵でもある。

お姉ちゃんは高校二年までしか生きなかった。

元政府機関の腕利き謀報員だった加賀哲は、“裏切り者”として組織を追われ、ある都市で高級レストラン・クラブの経営者に納っていた。

ミセス・ポリファックスは、ひょんなことでCIAに採用されてしまったおばちゃまスパイ。

フライ級・4回戦。対戦中のボクサーが突然相次いで倒れ死亡した。

最後の木版浮世絵師といわれた光線画家・小林清親の波瀾に充ちた半生と江戸から明治に移りかわる風俗、庶民の生きざまをあざやかに描いた第百回直木賞受賞の長篇。

美人で独身、バイタリティあふれるしのぶセンセと子供達が2人の刑事と一緒に大阪を舞台に大活躍!明るくユーモラスでちょっと切ない物語―。

連也斎・十兵衛・宗冬・友矩らの鮮やかな生死。奔放な発想とゆるぎない筆致で迫まる奥深い人間のドラマ。

また一人、奇妙な傷を負った死体が発見された。

「庭は、寝がえりをうって、背をむけた。…庭にまで馬鹿にされるのは、いい気分ではない」(「風」)。

明治7年、時は文明開化真っ盛り。往来には義経袴に革靴の女の後を、大礼服に山高帽の男が続く。

星霜移り明治16年。ガス燈けぶる銀座の片隅で絵草紙屋を営む傍ら、出獄人保護所の善行に身を投じるか弱き乙女ふたり。

名コンビ活躍の連作短篇集。

風に向かい、悪に挑む女…。インテリア・デザイナーとして独り立ちした鹿島美有。

自殺した若い娘砂上彩子の遺書には、死を誘う歌としてジャーナリズムを賑わせる「天国は遠すぎる」の歌詞が記されていた。

ドジな三流夕刊紙の記者の可能克郎は、終電に乗り遅れて、深夜サウナにもぐりこんだ。

ミステリ専門書店を経営するアニーは、地元劇団のリハーサル中に起きた本物の殺人事件に巻き込まれてしまった。

酒に酔って妻に暴力をふるう夫を、同居の義父が殺害した。

絶大な人気を誇る「赤かぶ検事シリーズ」。

日美子は友人の片桐朱美から相性占いを頼まれた。

京都・桃山城近くのマンションで二十三歳の独身OLの毒殺死体が見つかった。

八月の月曜の晩、わが家でひとり過ごしていたところ、出張中のはずの夫スティーヴンが突然帰宅してきた。

夫に性病をうつされ、それが不治の病いと知ったとき、若妻は狂った。

大道棋士・今井清司の娘・香子は、東京へ向かう新幹線の中で、「あとで取りに行く」と見知らぬ男から一通の封書を預かった。

往年の二枚目俳優、上島健との間に大スキャンダルを巻き起こした歌川洋子が突然行方をくらました。

ある高校生が自殺した。その後発見された彼の遺作小説には、実在の人物が登場し、しかも、この不気味な事件の端緒ともなった―。

名作『野菊の墓』に隠された謎が、殺人事件の鍵を握る。

休日にホンダのバイクで出かけたまま姿を消した私立探偵を見つけてほしい―。

詐欺商法でのし上がった悪徳会社「シルクハウス」の会長が殺された。

京都有数の資産家・西沢家の家人が次々と殺された。

どこからともなく供給される麻薬、物質Dがアメリカ中に蔓延していた。

婚礼当日発見された初老の花婿の死体。

一流商社マン松平京一郎は、人気歌手マヤと結婚し幸せの絶頂にあった。

東京の浜野のもとに、10年前に別れた女・京子から電話があった。

兄が死んだのは、ぼくが十三のときだった。線路を渡ろうとして転び、第三軌条に触れて感電死したのだ。

ナルが、ついにやられた。日本海を臨む断崖の上に建つ吉見家は、代替わりのときに必ず怪異が起こり、多くの人が死ぬ。

ニューヨーク暮らしにうんざりしていたサイモン・モーリーは、九〇年前に投函された青い手紙に秘められた謎を解くため「過去」‐一八八二年のニューヨークへ旅立つ。