亡父の残した借財のことで、公事宿・巴屋を頼ってきた錺職人の弥七が、交渉相手であるもぐりの公事師、梅次殺しの科で捕縛された。

護送中の殺人犯が刑事を射殺して逃亡し、修道院に身を潜めた。同じ町で起きた、謎だらけの銀行たてこもり事件。

歌を愛し、吟遊詩人を夢見ながらも、唄う能力を欠いた19歳の少女シオリ。

老人の焼死体がO医科大学法医学教室に運び込まれた。

ゴシック風の豪奢な洋館のサロンで開かれる賀宴の出席者は、10人の客とサロンの女主人、そして令嬢柚香。

楽して簡単にお金を手に入れる方法はないものか。子どもを誘拐して身代金。

大和新聞東北総局遊軍記者の宮沢は、秋田の乳頭温泉で正月休みをとっていた。そこに秋田支局に向かえと電話が入る。

ヨット・レースに沸くパラダイスの港にドレスを着た女の溺死体が打ち寄せられた。

武蔵を心の師とする剣道エリートの香織は、中学最後の大会で、無名選手の早苗に負けてしまう。

彼女のこめかみには弾丸が埋まっていて、我が家に伝わる箱は、どこかの方向に毎年一度だけ倒される。

ホストたちの要望から、大幅改装を図ることになったclub indigo。

天使と人間との“関係”に疑問を持つ者が起こしたクーデターによって、「天使たちの楽園」ユーロランドは、一瞬にして人間を閉じ込める“檻”と化した。

寛政期、西国の小藩である月ヶ瀬藩の郡方・日下部源五と、名家老と謳われ、幕閣にまで名声が届いている松浦将監。

彼の告白には、まだ余白がある。まだ何かが隠されている。

9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。

母親業に週刊新聞の臨時記者、加えて図書館の理事まで引き受けてしまったルーシー。

同じ車両の乗客が2人とも殺人犯である確率は1億分の1…。新宿発村上行の快速「ムーンライトえちご」で隣合わせた女性客。

一枚の絵が「もし贋物なら、見た瞬間、苦味を感じ、本物なら甘みをおぼえる」という天才美術コンサルタント・神永美有が、短大の美術講師・佐々木昭友と二人で鑑定にまつわる五つの難題に挑戦。

町にアイスクリーム店がオープン。長蛇の列ができ、カラフルなアイスやサンデーを手にした笑顔の客であふれていた。

旧家・朝比奈家に嫁いだ苑香は才色兼備の完璧な嫁。

おれは、博多に住む売れないロッカー、青木満三十四歳。安アパートで見果てぬ夢を抱きつつ、ギターの練習に明け暮れる毎日だ。

七夕の日、突然、世界中のカップルがバタバタと死に始めた。お互いを貪るように求め合った後に悶死するのだ。

主婦の典子のもとに、差出人不明のまま突然届いた中学時代の「交換日記」。

フリーターの秋川瑞希は、テレビプロデューサーの叔母から、霊能力者・エステラの通訳兼世話役を押しつけられる。

早朝の鳥取砂丘に突き出た“足”。マネキンかと思われたその足は女性のものだった。

凄絶な死の瞬間、破裂する電球、捻曲がる銀食器…。“顕現”と名付けたそれを蒐集するため、男は女たちを惨殺し続ける。

母一人子一人で暮らしてきた四十五歳の娘は七十五歳の母親をなぜ殺害したのか?不明だった事件の動機を、美人大学院生・桜川東子が昔話・浦島太郎の大胆な新解釈で解き明かす(表題作)。

「親友を探してほしい」。探偵は、古ぼけた四枚の写真を手がかりに、一人の女性の行方を追い始める。

記憶喪失の吉田さんは、ミステリマニアの店主が作るマッシュルームカレーを食べるたびに、あの探偵、この探偵になりきってしまう。

喧嘩ばかりの毎日を送る28歳の設計技師・村田真司。

北前船が着き、米相場が開かれていた北の湊。銭と汗の匂いのする町を舞台に、運命に翻弄されながらも、しなやかに生き抜く人々。

第2回『このミス』大賞受賞作。 5億円強奪計画は謎のハッカーにより予想外の展開へ!一気読み確実の傑作誘拐ミステリー。

第2回『このミス』大賞受賞作、代理母が引き起こした前代未聞の誘拐事件! かつて新宿三丁目界隈に名を馳せるホステスだったが、現在は代理母として生計を立てる小田桐良江は、自分が産んだ子供が虐待を受けていることを見かねて連れ出してしまった。

俺たちは悪を裁く闇の検事、お前たちに弁護人はつかない―処刑軍団のリーダー・津場登は、利権の腐肉に群がるハイエナどもに宣告した。

一度だけドラマの主役を射止めたが、最近は声もかからず、妻にも逃げられた鳴沢。

〜どうしても許せない!/証拠不十分。

シングルマザーの遊佐ひろ子は、お侍の格好をした謎の男と遭遇する。

一九五七年名古屋市生まれ。中央大学経済学部卒業。

連載ファン増加中! 月イチ文庫小説誌。 人間の行為・行動を表す二文字の言葉 ――第7号の巻頭タイトルは「異境」。

国立O大学医学部附属病院助教授の神埼は、策略をもって前教授の追い落としに成功した。

「抜群の創造力で、侵略戦争を書けばＳＦか？」と、従来のコンタクト物に疑問を投げかけて、その答えに「思考する海」を書いた東欧の巨匠の一冊。

ビル火災のバックドラフトに巻き込まれ負傷した明神。鎮火後の現場からは、殺しの痕跡のある身元不明の二遺体が出た。

ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。

人の世はなんとおぞましく、美しいのだろう―。

昆虫好きの、おとなしい少年による殺人。その少年は、なぜか動機だけは黙して語らない。

ワシントンDCの控訴裁判所判事モーリーンの意識が戻ったとき、彼女は自分が世にも恐ろしい状況に置かれていることを知った。

誘拐されたモーリーン判事の遺留品に接触したFBI心霊捜査官キムに、異変が現れる。

小森谷芭子29歳、江口綾香41歳。ふたりにはそれぞれ暗い過去があった。

金なし、腕力なし、逃げ足速し。詐欺師よりも口達者、ハッタリと機転だけは天下一品。

長男の不祥事により所轄へ左遷された竜崎伸也警視長は、着任早々、立てこもり事件に直面する。容疑者は拳銃を所持。

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと―。

貧困に喘ぎ、暴言をまき散らし、女性のぬくもりを求め街を彷徨えば手酷く裏切られる。

恐怖はココロの隙間に入り込む―「君の『願望』は―何だね?そして、君の『絶望』は―」満開の夜桜の下、思わず見とれるほど妖しく綺麗に佇んでいたのは、密かに憧れていた従姉だった。

偶然の「雨宿り」から始まる、切ないラヴ・ストーリー。ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、譲原紗矢を助ける。

誰にでも、失いたくない楽園がある。息苦しいほどに幸せな安住の地。

優勝者には賞金1億円―視聴者参加型の新クイズ番組に興味本位で応募し、予選を突破した笠間翔太と添川陽奈。

「おいしい紅茶を、飲みに行きませんか?」常連客の純也からかけられた奇妙なデートの誘い。

警視庁捜査一課・継続捜査係の特捜刑事・香月功は、秋風の吹き始めた北アルプスの単独行を開始した。

「真相はここに書いてあるわ」私立芙藍(フラン)学園―憧れのヨット部に入部しようと、期待に胸を膨らませてその門をくぐった杏莉だったが、ヨット部は突然の廃部!彼女の前に現れた謎の美女は、自分が潰したのだと言って、1枚の紙切れを手渡した。

「真相はここに書いてあるわ」私立芙藍(フラン)学園―憧れのヨット部に入部しようと、期待に胸を膨らませてその門をくぐった杏莉だったが、ヨット部は突然の廃部!彼女の前に現れた謎の美女は、自分が潰したのだと言って、1枚の紙切れを手渡した。

男らしさが何よりの自慢だった自分の肉体が、徐々に女になっていく!ボクシング世界王者の芹沢哲が衝撃の事実に気づいたのは、タイトル防衛戦の最中だった。

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。

19歳の綾乃は島での楽園生活を満喫し、大親友のオバァ、オージャーガンマーと遊び暮らす日日。

イザベルはエディンバラに住む“応用倫理学ジャーナル”誌の編集長。

奇人変人や怪事件を引きつけてしまう、あたしはステファニー・プラム。今度は超能力を持つ男ディーゼルが、あたしの前に現れた。

上から読んでも下から読んでも「きげきひきげき」―題名に始まり、章見出しや登場人物は回文ずくめ、言葉遊びが随所に鏤められた本書。

内堀優一郎は、五年前ストーカーに娘の優希を殺された。犯人の中下が刑期を終えて出所したあと殺害され、内堀に容疑がかかる。

酔いどれ左門は腕が立つ。酒より好きなものは怪談ばなし。

京都・苔寺の黄金池で、年配カップルの死体が発見される。

亜衣たち3姉妹のいる徳利長屋に落ち着いた夢水清志郎左右衛門は、住人たちと花見で浮かれる。

芸備線の三次駅で若い女の絞殺死体が発見された。被害者は“後鳥羽伝説”の地を訪ね終え、尾道から東京へ帰る予定だった。

24世紀、氷電人によって聖域と呼ばれる惑星バルガに上陸した恒星連邦の調査団が全員殺害された。

人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだーー あの事件から10年。

公事宿『巴屋』に訴訟を持ち込んでいた、鍛金師の文吉が謎の刺客の手にかかり惨殺された。

恋人の娘を一日預かることになった私は、実は子供が嫌いだ。作り笑顔とご機嫌取りに汗だくになっても、ぎくしゃくするばかり…。

英国の作家コナン・ドイルが生み出した名探偵シャーロック・ホームズの活躍する推理冒険譚は、世界中で熱い支持を受けている。

編集者の田中聡とライター・さとうゆうは幼なじみ。聡がファンだった小説家・小川満里花との仕事をきっかけに交流が復活する。

東京の夜空に珍しく一羽の鶴が舞った夜、一人の落語家・伊呂八亭破鶴が殺された。

片桐弦一郎の用人仲間である但馬佐兵衛が、何者かに殺された。懐中にあった大金が紛失している。

寝台特急「ゆうづる13号」と青函連絡船で、二人の男が殺された。

「この赤い方が、ゾクダム・一号機、通称、赤い稲妻だ」黒古葉博士が指さした先には全長十二メートルの巨大ロボットが!遊園地の地下にあるZOKUDAMに配属されたロミ・品川とケン・十河の任務は、このロボットに乗り込み戦士として怪獣と戦うことらしいのだが…。

旗本の三男として生れた日暮龍平。一生部屋住みのままよりはまし、と町方同心の家へ婿入りし生業を世襲した。

本所住まいの無役の御家人・土橋木兵衛こと「へっぴり木兵衛」は持ち前の絵心と達筆を活かし、看板書きの内職で生計を立てていた。

「君の奥底に眠る『願望』は、何だね?」小学校の校庭に立つ、大きな桜の木。この桜は子供を攫う。

高級レストランで男が銃を乱射。悪夢のような惨状に、デッカーら捜査陣は怒りと動揺を隠せなかった。

事件の捜査に、身も心も磨りへらすデッカー。

ファー・イースト30。

理想社会のシティ・システムは完璧なもので、市民にとってそこは真の楽園であるはずだった。

全世界がぼくの敵だった。ミラは自ら命を絶ち、ファンは永遠に去っていった。

「お前、“O”と関わっているだろ?」クラスメイト・大嶺醍哉が、星野一輝に向かって発したその言葉は、新たな“箱”への入り口だった。

若い頃は無頼の限りを尽くして悪の道にはまりかけ、しかしいまは「赤鬼」の綽名を持つ南町奉行の根岸肥前守（ねぎしひぜんのかみ）。

信長の伊賀攻めにからくも生き残った「疾風」の異名を持つ元忍者の三郎は、家康が開拓し始めた武蔵野の村に身を寄せ、畑を耕し静かに暮らしていた。

芦村節子は旅で訪れた奈良・唐招提寺の芳名帳に、外交官だった叔父・野上顕一郎の筆跡を見た。

新聞記者・添田彰一は、恋人・野上久美子の父の生存を確かめるため、ひそかに調査を始める。

作り事は一切無用。

職を追われた悪徳刑事の夢。迷宮入りした幼女神隠し事件の解明に執念を燃やす老刑事。