(短編集)
臨場 スペシャルブック
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臨場 スペシャルブックの総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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ドラマには特に興味が無いので、あらすじは飛ばして読了。文庫未収録作品集でありますが、それなりに良く出来ているのでは。もっと読みたいのは、ファンなら皆思う所でしょう。横山先生、是非お願いします。 | ||||
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作りが雑で、登場人物が間違っていたりして、『臨場』とは違います。 | ||||
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大好きな本の一冊です、何度も読み返しても飽きない数少ない名作だと思っています。 | ||||
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それぞれのキャストへのインタビューが面白かった。 テレビの画面だけではわからない、役者さんたちの思いと、苦労されたことなどがわかって、テレビ(再放送ですが)をみるときに、一層楽しみが 増しました。 でも、あらすじはなくても、いいかな? 未収録の作品の中にテレビや映画の背景になるようなことが書かれていて、よかったです。 | ||||
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少し前にドラマ化もされた『臨場』は、大人気ミステリー作家横山秀夫氏の人気作にして、素晴らしい内容の作品です。横山秀夫氏といえば、映画化された『半落ち』も有名です。このときは“内容に現実に沿わないところがある”と直木賞選考委員から指摘され、それが理由で横山秀夫氏は直木賞と決別しました。 2012年に発表された『64』は、ベストセラーとなり、さらにこのミステリーがすごい!と週刊文春ミステリーベスト10で1位にも輝き、増々人気は高まっています。 『臨場』は2004年の作品で、短編を集めたものとなっていますが、検死官の倉石がとにかく読者を惹き付けてやみません。超人的な眼力、そしてぶっきらぼうでありながら内に秘めた温かさ。この本を読んだら倉石のファンになること請け合いです。 そして、一筋縄ではいかない複雑に絡み合う事件の背景。とにかく全ての作品で真実が明らかになっていくときのワクワク感を味わえましたし、それだけでは終わらない作者の温かい目線。全てのミステリー・ファンに読んでいただきたい傑作です。 | ||||
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顔からすべての険が消え去っていた。知っている顔に見えた。これまでに何百回、何千回と目にしてきた顔に思えた。(「罪つくり」) 真実とはなんだろう。瞬時、女は自己犠牲の嘘を決意する。それが明かされてしまったら大切なひとが不幸になる。じぶんを過酷におくことになってもよい。この決意に陶酔や正当化がしのびこんでいるとしても、これは気高い行為というべきだろう。だがこの短編はそれを罪と指弾する。それは真実ではないからだ。犯人と取調官がむきあう取調室が、犯行動機の究明の範疇を越えて異様な輝きをおびる瞬間だ。 真実をいうことは、ひとを不幸にする。じぶんをもそう陥らせる。だからきりのない勇気がいる。そのときあったこと、じぶんがしてしまったこと、じぶんがかんじ、おもったこと、正当化も打算も陶酔も、とうぜんその結果おこる終わりないこともひっくるめて、すべてに誠実であることが、そのとき要求されるのだ。人為ではもはや辻褄あわせも、背負いもできないようにかんじられるそれへ、勇気をもって誠実に臨むことが要求されたとき、それは真実というべきものとなる。真実は真実をいうべきという行為をただちに要求し、どうじにそれをいうべき他者と場所をも要求するのだ。 犯罪小説とは、行為や心理の錯綜とした謎の脈絡を、物証と心証によりどう巧みに鮮烈に解き明かすか、という醍醐味をもったジャンルで「も」ある。この一編はまさしく動機を追及して過酷なる真実をも垣間見せる、突きつけてくる圧巻の一作だ。さらにいえば、女が口紅をひいたという心理の襞がいまだ解きつくせぬ謎としてとどまっている。 ストーリーが浮かばない。ネタとストーリーと人の感情が有機的に結びつかない。額に脂汗が滲む。指が震える。わかっている。スランプだ。(「墓標」) 横山本人のそうとうに自虐的な情況がネタになっていると思慮される。自殺、事故死、他殺と、どれがどれになってもおかしくない死の様相ひとつひとつに墓標を打ちつけていく、死神のような倉石の後ろ姿と、それに奮いたたされる小説家という構図が、横山の書く倫理をあかしているよう。 形容しがたい眼光だった。見当たり捜査で千人二千人の目を観察したとしても決して出くわすことのない代物だ。好奇も猜疑も驚きさえもとうの昔に組み敷いた、ただ本質のみを見極めんとする「直視」。そんな想像を掻き立てられる目だ。一瞬にして丸裸にされた。すべてを見透かされた気持ちになった。こちらの用件も思惑も。キャリアや立場や人格までも。(「未来の花」) 微細な物証、繊細なる心証にもとづく論理的な分析が対話形式でみごとにえんじられている。検視の直視が心眼の如くとらえていたのが、目の前の心身であったという第二のどんでん返しもきまっている。だがなにより《生活と戦ってたんだ。本気で戦ってる人間の頭には(自己破産すればいいんだという考えは)浮かばねえ。》と小賢しい後知恵をしりぞけて、ひとが現場で格闘する、すなわちすなわち犯人、被害者とおなじ身となって、臨場感ある心理をみつめる倉石終身検視官、ひいては作家横山の姿勢にふかく頷かされる。 それは孤独死ではなく、たんなる「急死」と受け止められるだろう。果たしてそれで満足して死ねるのか、激しく自問せねばならない。(「カウント・ダウン」) これは言葉にできない、言葉でいってしまっては憐憫におちいって嘘になるしかないそんな真実なるものを、入念に検討した行動によっていいつたえよう、ただ一個の事実として残そうとした男の誠実で壮絶なる物語である。尊厳(なる死)とは、孤高な意志にあるのではなく、命がけの、懸命な絆のもとにこそやどる。それを啓示するのが、もう一つの尊厳なる死であったという意表が、ただただみごととしかいうほかない。特攻における死という究極をかつて追求した横山ならではの一作といえる。ひとの心理や感情のあやを濃く、くどく、ときに大仰に描出する文彩がうるさかったりもするが(近作の『64』でも)、本編におけるトリックをひめてロジカルに、きめ細やかに感情を尽くしつつ、持続のはてに錯乱、途絶する筆致がすばらしい。シムノンの初期の犯罪小説をおもいだした。 テレビドラマ向けの方便に隙間をうめたかのような未収録四つ短編だが、第一巻『臨場』におさまっていてもおかしくない、いやそれどころか、よりハイレベルな出来となって秀逸な犯罪小説、臨場小説となっていることを繰り返しておきます。 | ||||
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