殺される前も後も室内には被害者ひとりきり。

走った。ひたすらに走りつづけた。

売れない作家の袴田勇二は、同居していた母の民子が死んで以来、急に暴力的になった息子の浩に翻弄され続けていた。

袴田は編集者の芝野から息子の浩の悪行と家庭崩壊のすべてを暴露するノンフィクション『鬼子』の執筆を迫られていた。

ウィッチフォード事件を見事解決に導き、名探偵の盛名あがるロジャー・シェリンガムは、「クーリア」紙の編集長から、ラドマス湾で起きた転落死事件の取材を依頼され、特派員として現地へ向かった。

運命の歯車が回り始めた。あの遠い夏の日と同じように…。

四十八歳の男三人が相次いで姿を消す事件が発生。失踪か誘拐か判然としないまま騒然とする田舎町で、密室殺人事件は起きた。

新宿のキャッチバーを辞め、騙されてタコ部屋暮らしを始めた。いまある現実をそのまま受け入れよう。

東北出身のホステスが、渋谷のモーテルで、農薬が混入されたジュースを飲んで死亡した。

用心棒の里村半九郎は、秋葉屋という商家の押しこみを撃退し、許嫁の奈津と穏やかな時間を過ごしたのもつかの間、再び秋葉屋本人の警護についていた。

八畳の部屋を埋め尽くす無数の白い羽と、傍らに置かれた七つの卵。その部屋の真ん中に死体は横たわっていた。

二十一年前、岐阜県美濃加茂地方で、運送会社を経営する一家が襲われた。

嵌められた男の出所から、新たなる惨劇が幕を開ける―。二十一年前の事件の加害者たちが、何者かによって次々と惨殺された。

家業の牧場を騙し取られ、非業の死を遂げた父。

柏木の復讐のシナリオは着実に進んでいた。そんな中、元強盗殺人犯・及川広美が刺殺される。

復讐のため全てを耐え財を成した男。ただ一度の選択を生涯悔いた女。

大晦日、都内ホテルで男性が変死。身体に毒蛇の噛み痕。

鮎川哲也が最後に描いた名探偵、氏名年齢不詳のバーテンの名推理。三番館シリーズ最終巻。

巷の小学生を恐怖に陥れた口裂け口が待っていた意外な人物!?マスクに秘められたあまりにも切ない過去!掌中の小壜から吸血鬼の正体、そして意外な来歴まで明らかに。

伊井直弼のはかりごとにより、51人の津和野藩士と姫・美雪が脱出不可能な山頂に幽閉された。男たちは誇りをかけて立ち上がる。

ベロニカは全てを手にしていた。若さと美しさ、素敵なボーイフレンドたち、堅実な仕事、そして愛情溢れる家族。

故郷とは、人に何をもたらす場所なのか?「読む者をリングに立たせる」と言われた迫力満点のボクシング小説でありながら、人と風土との関わりを深く見つめた傑作―故・江藤淳氏が選後評で「いつの間にか引き込まれていた」と語った、第25回文芸賞受賞作『汝ふたたび故郷へ帰

ドラマ完結後の、マックスらの闘いを描く、オリジナルストーリー第二弾！ マックスと出会う前、ローガンがX5の一人セスを死なせてしまっていたという秘密がとうとうマックスに知られる。

『ハリー・ポッター』のつぎはコレ！　とアメリカでいま人気上昇中のYA小説。

あらゆるものが退行し朽ち果てていく。

私立探偵サニーは精神科医の元夫に尾け回されて怯える女性の護衛を請け負った。

あなたの悪夢退治します！16歳のシェンと師匠のマエストロ二人のドリームバスターが、地球とは別の位相に存在する惑星テーラから、地球人の夢の中に潜り込んでいる懸賞金のかかった凶悪犯を退治しにやってきた。

あの頃の私、“永遠”という響きにめっぽう弱かった。青々とした10代。

第28回川端康成文学賞を受賞した「権現の踊り子」ほか「鶴の壺」「矢細君のストーン」「工夫の減さん」「ふくみ笑い」「逆水戸」の全6編からなる短編集。

大人の男と女が綾なす、恋愛小説アンソロジー。

待てど暮らせど花婿は来ない…。傷心の結婚式を気に病み、自殺をはかったしのぶは記憶喪失に陥ってしまう。

暴力、ドラッグ、幼女売春…。ジャズバーのバーテンの顔をもちながら、闇の世界に生きる夏彦。

ミステリアス学園ミステリ研究会、略して「ミスミス研」。

小説の面白さが凝縮!超ベストセラー作家の神髄、ショートショート27編。

一読、脱帽せざるを得ない。最盛期を迎えつつある宋の時代を舞台に、秘密捜査官の大活躍。

大都会ニューヨークへ引っ越してきたシングル・マザーのブランチは、三歳の娘バニーを保育園に預けて仕事に出る。

――シュルーズベリは混乱の極みにあった。

1950年代前半のミステリー界は同人誌の活動が盛んだった。

夫の後輩夫妻をホーム・パーティに招待したら、気付かれていないはずの…。

11歳になったぼくは、きょうは絶対、日記帳を買うんだ、と決意し、境界を越えてとなり町に足を踏みいれた。

評論家・真木英介が小諸駅頭から姿を消した。

M女子学園に転校したての芝奈々子は、知らぬ間に生徒会長に立候補させられていた。すべては学園の女王、矢神貴子の罠と圧力。

――12世紀、イングランドはシュロップシャ、シュルーズベリ大修道院の修道士達は、副院長・ロバートを先頭にウェールズに向かった。

深更、濃霧の中を彷徨って帰宅した三輪与志に、瀕死の兄高志が語り始める。

正岡子規、山頭火らの俳人で有名な松山で開催された俳句祭りで、警視庁の亀井刑事が投稿した句が特別賞に選ばれた。

“世界を我が物にせん”と、この世を統べる“理”を動かそうとするマッド・サイエンティストたち。

歯が弱い家系なのか、二人の兄は既に総入れ歯である。

兄は強盗殺人で服役中。その時、弟は…。

倒産寸前の零細代理店・ユニバーサル広告社に大仕事が舞いこんだ。

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。

突然、邸内は真っ暗になった。南米のある小国の副大統領官邸がテロリストに占拠された。

お酒と一緒に大量の睡眠薬を胃に流し込んでから、プラトニックチェーンの噂を思い出した。

「あんた、あいつに瓜二つだ」飲んだくれの役者ロディングがロンドンの街頭で出逢った孤児のファラー。

鉄道カメラマンの古賀は、深夜に京都を発車した寝台特急「はやぶさ」の車中で、瀕死の美女―小田あかりを助けた。

19歳の姫子が恋した美しい青年・翼。翼を追うアーバン・リサーチの探偵・佐竹。

一碗に宇宙を感じ、一編に真理を見る。

主人公の青年、通称ダスティ。母はすでにこの世になく、父はある事件で職を失なってしまった。

「次の月曜日に、Aを爆破する K」謎に満ちた予告状が警視庁に送りつけられた直後、予告どおり空港で爆破事件が起きた。

革命の嵐が吹き荒れるロシアで、20世紀最大の神秘思想家グルジェフを巡って発生した殺人事件!新本格界きっての鬼才がそのポテンシャルを炸裂させた異色傑作。

オペレータールームに配属された梶本大介。その社内では寄妙な事件が発生する。

第1回『このミス』大賞優秀賞受賞作！ 湘南の海にうごめく国際的陰謀！ 青春を疾走するダイビングミステリー 話題作揃いの『このミス』大賞シリーズ中、最も異彩を放つ語り口と瑞々しい文章で選考委員を魅了した優秀賞受賞作。

大学陸上部で同級生だった三人が、オリンピック男子マラソン代表・最後の一枠の選考レースに出場する。

毎週木曜日の夜。外科医夫人レイチェルは、おれだけのために素人ストリップ・ショーを演じることになっている。

レイチェルの夫を殺ったのは、本当におれなのか?「おまえがあいつを殺すところを見た」と電話で告げた男の正体は?法廷はさながらゲームの様相を呈してきた。

1931年、パリ。

銀行頭取ヴェルカーから匿名の預金者の身元調査を依頼されたゼルプ。

昨日、私は拳銃を拾った。これ程美しいものを、他に知らない―第128回芥川賞候補作、新潮新人賞受賞作。

好きな人を思うとき、必ずその思いには別離の予感が寄り添っている。―もし、そうだとしても。

杉原爽香、中3、15歳の秋。行方不明だった親友久代が教室で謎の死をとげた。

『エリアス・ザウエルの人喰いピアノ』と呼ばれた古きグランド・ピアノ。

一人目は自販機業者、二人目は庭師…。お年寄りが優雅な老後を過ごす高級老人ホーム“海の上のカムデン”で連続殺人が発生。

連続殺人、失踪、不審船、里見伝説―美しく豊かな自然の裏に潜む、現代社会の底知れぬ闇。

十一年前、房総の海。

いまわのVサインは何を意味するのか?財川財閥の御曹司が、新婚旅行先の伊豆で謎めいたダイイング・メッセージを遺して惨殺された。

長野県飯田市のダム湖で、バラバラ死体が発見されるという現実の事件が起きた。

事件のなかにちりばめられた伏線をたどり、読者は「三番館」のバーテンと同じ条件で謎解きを楽しめる安楽椅子探偵譚第二弾。

ケータリングを中心としたイベント企画をするわたしに、ロサンゼルスを訪れた教皇さまの歓迎朝食会というビッグな仕事が舞い込んだ。

神遊びをすると怖いものに遭うという。祭りの夜に神社に向かった明、俊介たち。

スカーペッタとCOOKING！ 「ケイ・スカーペッタのポリシーは、最高のものしか使わないこと―― 捜査の成否は、よい証拠が決め手。

大坂城落城により、天下を握ったはずの家康に驚倒すべき情報がもたらされた。

夫を亡くした綾乃は、息子を無認可のベビーホテルに預け、クラブのホステスとして働いている。

新妻恭子は妊娠5ケ月。夫を会社に送りだし、のんびり本を開く。

国際会議のため来日した、ゾエザル王国の外務大臣・ジュサツ。

得体の知れぬ目眩（めまい）に襲われたその日、小兵衛は、恩師・辻平右衛門ゆかりの侍・井関助太郎を匿うことになる。

小兵衛は今も時折、二十六年前、門弟・滝の仇討ちに立会った際の、相手方の助太刀・山崎との死闘を思い出す。

小兵衛は見た。凄腕の二人の浪人者をたちまちにして蹴ちらした、その巨漢の剣客の手並みを。

名探偵エルキュール＝ポワロがデビューした記念すべき長編！ イングランドのエセックス州郊外。

小兵衛の剣友を見舞った帰途、大治郎の頭上を一条(ひとすじ)の矢が疾(はし)った。

晩夏酷暑の或る日、郊外の風癲病院の門をひとりの青年がくぐる。

「半どのに、会いとうて、ここへ来た…」はじめて女の体を教えてくれた於蝶と再会した半四郎。

於蝶とともに信長の本陣を襲ったあの夜、半四郎は織田軍の中を必死に逃げのびた。

信長の対抗勢力は次第に駆逐されつつある。於蝶の胸に密かな決心が湧きあがった。

現代調査研究所所長の岡坂神策は、ひとりでイベント企画からライターまでこなす、いわば「便利屋」だ。

「密約」が真実ならば―。戦後史を塗り替える日ソ間の重大疑惑に、岡坂神策は巻き込まれていく。

待っていた。足の震えを寒さのせいにしながら。

石神探偵事務所の野上英太郎のもとに全身黒ずくめの女が訪ねてきた。

山陰本線の出雲市駅に到着した特急「おき3号」の車内で、写真家の石田が刺殺体で発見された。

矢吹徹治は、多忙な毎日を送るフリーライター兼編集者。郊外のマンモス団地で、妻のそのみ、娘の愛と暮らしている。

区議会議員の名刺を持った男性の死体が上野公園で発見され、多摩川では会社社長の名刺を持った女性の死体が。

水は心を素直にさせる。喜び、哀しみ、口惜しさ、怒り。