祭りの果て、郡上八幡
- 十津川警部シリーズ (466)
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600冊に近い著作を著し今も尚精力的に執筆し続ける西村京太郎氏が2001年に発表された311作目の長編推理小説です。本書はジャンル的には明らかにサイコ・サスペンスと呼んでいい作品なのですが、その部分には全く触れずに「祭りの果て、郡上八幡」と普段通りに「日本の旅情ミステリー」の趣を醸し出すタイトルにするのが如何にも日本的で著者らしいなと思いますね。 ダムの底から男女二人の遺体が見つかり、男は有名カメラマンで女の方は当初彼と同行していた有名モデルだと思われたがその後に別人で元ミス・郡上八幡の女性だと判明する。やがて男は警視総監の息子だと判り衣服から覚醒剤が見つかった事で捜査に当たる十津川警部に警察庁上層部からの圧力が掛かり始めるのだった。 本書はフーダニット・ミステリーではなく犯人の正体は推理の焦点ではないですが、捜査の途上で浮上する連続女性殺人事件の異常性がまさに血塗られた狂気の性を感じさせ、著者本来の社会派ミステリーというよりも一昔前の本格ミステリーのテイストが感じられて何時にない迫真性がありましたね。そして狂気の殺人犯を追い詰めるクライマックスまでの興奮に満ちた展開と遂に迎える意外な結末に続く十津川警部でさえ如何ともし難い理不尽な事後処理には憤りを覚えながらも現実に十分ありそうな日本の体質が肯ける興味深いストーリーを読めた事には満足しましたね。ここまでは良い点を並べましたが、不満な点をあげると結末から見て仕方ないですが狂気の殺人犯の心理にもう少し迫れなかっただろうか、あまりにも展開が速過ぎてじっくりと考える余裕のない性急さが感じられるのが残念でしたね。それから十津川警部が山勘で述べる推理が犯人のプロフィールを含めてことごとくピタリと当たるのがどうにも安易だなあと感じてしまいますが、これは忙しい現代人読者に向けて余計な面倒と時間を省く著者のサービス精神という事かも知れませんし、まあそこは理解するしかないのでしょうね。それから最後に読まれた方は気づかれたと思いますが、行方不明と見られていたモデルが世間に向けて出したFAXがその方法を含めて誰の仕業だったのかと言う点が最後まで全く書かれないままで終わってしまいましたが、まあもしかして著者が筋を見失ったか失念したかとは幾らなんでも思えませんので、そこはわざと書かずに謎のまま残したのかなと考えるしかありませんね。 | ||||
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郡上八幡の祭りの時に行方不明になった人が 御母衣ダムの湖底から現れた車の中に死体で発見された。 男性が写真家で女性がモデルだとの推測が外れ, 女性は近所の人だと確認された。 女性モデルはどこへ行ったのだろう。 写真家は、警視総監の息子とのこと。 麻薬所持の疑惑から,殺人の可能性を探る。 警視総監といえども人の子という西村京太郎の社会派の面目を示すものかもしれない。 十津川警部が処分されなかったのは何故だろう。 処分された後で、事態が変わるのが現実的ではないだろうか。 | ||||
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郡上市八幡地区は、奥美濃の小京都として知られている。 町を吉田川が南北に分け、水路では鯉などが泳ぎ、散歩道となっている。そして宗祇水など、清らかな湧き水が多くある水の町。 夏には「郡上おどり」で町全体が盛り上がる。7月中旬から9月中旬まで、いたるところで踊り明かされ、「徹夜踊り」の異名を持つ。 昨年の夏、一人のカメラマンが、この熱気を撮影すべく、モデルとともにこの地を訪れていた。しかし、二人は行方不明となっていた。 郡上市から白川郷方面へ向かう途中にある御母衣ダムでは、春先、ダムの底に堆積した土砂を浚うために、水位を徐々に下げていた。すると、沈んだ車が現れ、中から男女の遺体が発見された。男性の身元は、例のカメラマン。そして内ポケットからは覚醒剤が発見される。 事件を解くキーワードは、「血」。カメラマンは、現・警視総監の息子でもあった。 | ||||
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郡上市八幡地区は、奥美濃の小京都として知られている。 町を吉田川が南北に分け、水路では鯉などが泳ぎ、散歩道となっている。そして宗祇水など、清らかな湧き水が多くある水の町。 夏には「郡上おどり」で町全体が盛り上がる。7月中旬から9月中旬まで、いたるところで踊り明かされ、「徹夜踊り」の異名を持つ。 昨年の夏、一人のカメラマンが、この熱気を撮影すべく、モデルとともにこの地を訪れていた。しかし、二人は行方不明となっていた。 郡上市から白川郷方面へ向かう途中にある御母衣ダムでは、春先、ダムの底に堆積した土砂を浚うために、水位を徐々に下げていた。すると、沈んだ車が現れ、中から男女の遺体が発見された。男性の身元は、例のカメラマン。そして内ポケットからは覚醒剤が発見される。 事件を解くキーワードは、「血」。カメラマンは、現・警視総監の息子でもあった。 | ||||
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岐阜県の御母衣(みぼろ)ダムで、浚渫(しゅんせつ)のために水が少なくなった湖底から、東京ナンバーのベンツが見つかった。 1年前、郡上八幡の祭りの後に行方不明になった、カメラマンで、警視総監の息子である佐野恵一のベンツだった。そしてベンツの中には、佐野恵一と若い女の死体があった。 自殺か、殺人か。 佐野恵一が行方不明になる直前、一緒に撮影の仕事をしていたモデルの本橋やよいだと思われていた女の死体は、別人だった。 一緒に死んでいた女は、いったい誰か? 佐野恵一が追っていた連続殺人事件との関連は? すべてのカギは、一年前の郡上八幡の祭りにあるのか? 十津川警部と亀さんを初めとする部下たちの、推理と地道な捜査が、事件の謎と真実を1つずつ解き明かしていく。 その、祭りの果てにたどり着いた真実は……。 西村京太郎の初期作品に多かった、社会派ミステリーのテイストもちょっとだけ見せつつ、テンポ良くスピーディーな展開で、いつもながらスイスイ読み進めます。 最後は、サスペンスタッチで少しハラハラしました。 お馴染みの、はずれのない、十津川警部シリーズの1冊です。 | ||||
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