捜査線上にヨーガの行者が浮上した。

冬、七海西高校の屋上で、少女は“運命”に追いつかれた。

「天皇の真実を公表する」と言い残して絶命した友人。歴史作家・望月真司は彼の消息を辿って中国・西安に飛んだ。

日本兵が陥った隘路とは?戦地の法則とは?つきつけられた選択とは?一兵士が抱く感情・判断・意志を、冷静な眼差しと丹念な描写で浮き彫りにする、体験記でも戦記でもない、古処誠二の戦争小説最新作。

不可思議に目がない商人・蜘蛛助と、その用心棒の武士・兵庫。

上方には上方の仕掛けあり。「これで終いの金比羅さんやで」巷説シリーズ、新機軸の第五弾。

“君は、わたしを捜せないかね…?”あの日の囁きが予告であったかのように、突然学園から消えたヴィクトリカ。

晩春の夜更け、聖ミカエル病院に瀕死の女性が担ぎこまれた。

400年来の宿敵として対立してきた甲賀・伊賀の忍法二族。彼らは服部半蔵の約定によって、きわどい均衡を保っていた。

省エネをモットーとする折木奉太郎は“古典部”部員・千反田えるの頼みで、地元の祭事「生き雛まつり」へ参加する。

「わたしはこんな三角関係をぜったいに認めない」―穂村チカ、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。

「助けて、『奴等』が来る―!」和歌山県でひそかに開発されていた自衛隊の特殊兵器。

ねえ、七虹。私は親友だけど、やっぱりあんたが何を考えていたのか最後まで分からなかったよ。

30歳の誕生日を挟んで、ふたつの大災難に見舞われた松村鳩子。婚約者に逃げられ、勤め先が破綻。

村が水害にあい、練習もままならない蜷谷高校・通称ニナ高の野球部。剛速球投手コーキも、日々その素質をくすぶらせていた。

「養父に身体を触られるのが、嫌で嫌でたまりません。

それは不思議な「誘拐事件」だった。

シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――。

人気女性アナウンサーの誘拐事件が発生した。

凶悪事件が頻発する新宿・歌舞伎町の治安を守るため、歌舞伎町特別署が新設されて一年。

スキーバスのダム転落事故から生

内藤新宿開宿以来の老舗磐栄屋が窮地に陥っていた。

婚約を母に報告するため、おそのを伴い故郷の諏訪へと旅立った重兵衛。道中、一人旅の腰元ふうの女と知り合う。

亮子の夫は落語家・寿笑亭福の助。彼と出会うまで落語と縁のなかった亮子も、最近では噺家の女房らしくなってきた。

草野哲也は、雨降る深夜の仕事からの帰り道、轢き逃げ事故を目撃する。

1935年、ドイツ。若く優秀な保安情報部員アルベルトは、党規に従い神を棄てた。

恨みが恨みを呼び、騒ぎが騒ぎを呼ぶ。天才将棋少年の父親、甲州浪人・武田新之丞は何かがクサい。

都内で奇妙な事件が頻発していた。ターゲットにされた者の衣服に、突然、真紅のしみが浮かび上がる。

数学テロリスト“黒い三角定規”の犯行はとどまるところを知らず、数学に関係したいろいろな怪事件が続く。

15年前の夏休み。ある村の下宿で、住人が一夜にして姿を消した。

シャッターの下りた商店街。傍若無人な昔の同級生。

介護の仕事をしながらたった一人で生きてきた彩。ある日、がんを患う老人雄吉の介護をしてほしいと依頼があった。

二〇〇五年六月十二日、一人の老女が東京九段下の交差点で死亡する。死因はトリカブト中毒。

神代エリカは、「正統な」吸血鬼の父を持つ女子大生。

大学病院にまた革命児が!外科研修医世良の任務はモナコから天才外科医天城を連れ帰ること。

「君に、内密に、やって貰いたい仕事があるんだよ」三上刑事部長から呼ばれ、いきなり言われた十津川は面くらった。

弁当工場でバイトしながら、三流大学に通う高良伸晃、19歳。教室で、陸安娜という中国人女子学生に惹かれる。

同年同日生まれの志村雅江と畑中英理佳は、子どもの頃、双子のようにいつまでも仲良しでいようね、と誓い合った。

拳と蹴りが空気を切り裂く。肉を打つ重々しい音。

愛は死をのりこえる。悲しみの涙を流す少女、彼はその生を願い、そっと瞳に唇を寄せる…。

大型台風23号が接近。東京上陸はないとの気象庁発表。

かつて甲子園を沸かした堂本圭次郎が老夫婦殺害の容疑で逮捕された。

明治三十六年「日比谷公園」が初の民衆のための公園として造成された。

首で分断された想像力が、お化けを作りだすんやで―幼少体験をもとにした「ネック理論」の真実。

最後に会ってから七年。ある事件がきっかけで疎遠になっていた幼馴染みの冴木。

山深き秋田で、足は悪いが誰よりも美しい箕を作る若者・弥平。初めての行商では一枚も売れず。

手の怪我から四カ月ほどして、徳川竜之助は柳生全九郎の死を知った。

大火で住み慣れた家を失った伊三次とお文。あれから十年、二人は新たに女の子を授かっていた。

杉下幽斎が町医者の看板を掲げる施薬院幽々庵。その幽々庵で働くおつゆが、藪入りに里帰りしたきり戻らなくなった。

少子化対策のため「抽選見合い結婚法」が施行されることになった。

僕がホペイロ(roupeiro:ポルトガル語で用具係のこと)を務めるJFL所属のビッグカイト相模原は、成績不振なうえ、奇妙な出来事がわんさか起こる。

スカウトの仕事は、チームにいい選手を入れることだと思っちゃいねえか?シーズン途中の戦力外通告―。

すべては一通の手紙から始まった。 助けたヤクザ者から託された金と手紙。

上司との不倫に破れて自暴自棄になっていたあたしは、平安時代にタイムスリップ!女官・小袖として『源氏物語』を執筆中の香子さまの片腕として働き、平安の世を取材して歩くと、物語で描かれていた女たちや事件には意外な真相が隠されていた―。

母親の自殺未遂の理由が知りたい―青年の相談に、御手洗潔はそれが悪徳金融業者からの巨額の借金であることを突き止める。

秋田市内の公園で男性の絞殺死体が発見された。被害者は東京の印刷会社勤務のサラリーマン。

焼け跡から金貸しの老婆の死体が発見された。

また浮浪者が殺された。上野駅周辺での3人目の被害者だった。

売れっ子ライター・虻原がマンションから転落死した。その建物にはかつて虻原が所属していた劇団の主宰者が住んでいた。

結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。

不景気な英国から日本に出稼ぎにきたホームズが、難事件を鮮やかに(?)解決する赤川次郎の「絶筆」、イタコにホームズの霊を招魂させる奇想天外な清水義範の「シャーロック・ホームズの口寄せ」、妊婦たちが探偵になって不可解な謎に挑むユーモ溢れる松尾由美の「亀腹同盟」

昭和20年5月26日。戦局が悪化するなか、武者滋は死を覚悟して夜間戦闘機「月光」に乗り込んだ。

記憶を失った“僕”は、沖縄の密林で職業訓練所から脱走してきた昭光と出会う。

家族離散、雇用難民、偽装請負。追いつめられた僕は、死を覚悟した…その記憶を取り戻したギンジは壮絶な現実と対峙する。

「未来を知りたくないかい?」 6年生の夏休み前日、作家を夢見る風太は、未来を100円で売る「未来屋」猫柳さんに呼びとめられた。

ある日ある朝、西暁町で、十四歳くらいの僕が馬から生まれる。記憶も名前もない。

殺意の矛先は犬や猫、そして人間へ―。

二〇〇五年六月十二日、一人の老女が東京九段下の交差点で死亡する。死因はトリカブト中毒。

第二次大戦末期。「届くはずのない」赤紙が、彼を北へと連れ去った―。

できることはもう何もない。戦場を走るほかには。

姉・郁子に続き、父も何者かに殺害され、一人残された妹の和美は、危険を冒して犯人を捜そうとする。

霧深い高速道路。若手の豪腕社長・山岡重治は仕事のため車を急がせていた。

警視庁の「心理応用特別捜査官」だった吉村爽子。

内戦の続くサラエボを訪れた若きジャーナリスト・柴田は、セルビア兵から英雄的傭兵である“シンゲン”という日本人の存在を知らされる。

二十キロ四方に無人の荒野が広がる鎌刈集落で、野地純平は自給自足で生きてきた。

犯罪心理学者の篠田邦生は山奥で殺し合う同級生たちを見てほくそ笑んでいる。

忌まわしい事件から十二年後。六軒島からただ一人生還した右代宮絵羽が、息を引き取った。

最強と謳われる陸上自衛官・真田聖人の妻が惨殺された。妊娠六ヶ月、幸せの真っ只中だった。

一攫千金を目論む化けネコ・プルートが考えついたのはコテージに見せかけた“人間カンヅメ”工場。

温泉旅行に出かけたエリカたち。

屏風のぞきが行方不明になり、悲嘆にくれる若だんな。

年老いた母を厄介払いしようとした男に報復を試みた、人ならざるモノ。

毎日すれ違うけど名前も知らないふしぎな距離感。

これって性欲?でも、それだけじゃないはず。高校一年、斉藤卓巳。

鮮やかに甦る激動期の香港。自由と友情と愛を賭けて、男は黒い勢力にひとりで戦いを挑んだ。

躍進する中国へなだれを打って日本資本が流れ込む。その背景に横たわる、裏社会の脅威と血縁にまつわる驚愕の事実―。

犯罪防止を目的としたDNA法案が国会で可決し、検挙率が飛躍的に上がるなか、科学捜査を嘲笑うかのような連続殺人事件が発生した。

青葉樹は東京の下町にある松華学園高校の二年生。幼馴染の真夏にバカにされながらも、江戸文化研究会に所属している。

さあ、おはなしを続けましょう。

10年前に逝った妻子への贖罪の想いを抱え、世間の片隅で密やかに生きる、日雇い労働者の日高。

タンポポは主張している。自分が四人を斬殺したことを。

演劇大会の前日、出演者たちが次々に体調を崩し、上演作品「かいぶつのまち」に見立てたかのように主人公に繰り返し凶器が届く。

隆慶一郎こそ、かぶき者、いくさ人、道々の輩だった。

今から300年以上も前、江戸では謎の少女盗賊『猫小僧』が出没していた―。そして現代。

太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語。

父から「悪の欠片」として育てられることになった僕は、「邪」の家系を絶つため父の殺害を決意する。

入学した大学で出会った5人の男女。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決…。

帝華大学医学部の曾根崎理恵助教は、顕微鏡下体外受精のエキスパート。彼女の上司である清川吾郎准教授もその才を認めていた。

ニュージーランドの山奥、嵐と火山で閉ざされた日本家屋。格闘家一族をめぐる不可解なな連続殺人。