人質の朗読会
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人質の朗読会の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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外国にツア-に行った参加者が拉致され、監禁場所で語られる参加者8人の朗読会の物語。1人1話で自分について語る物語で爆発により全員死亡してしまうのがプロロ-グでわかるが、事件についてはプロロ-グ以外で語られる事はない。 | ||||
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奇妙なタイトルだと思った。「人質」と「朗読会」が結びつかない。「人質」とは、地球の裏側で起こった「ツアーの参加者七人及び添乗員と現地人運転手、計九人の乗ったマイクロバスが遺跡観光を終えて首都へ向かう帰路、反政府ゲリラの襲撃を受け、運転手を除く八人がバスごと拉致された。」犠牲者である。 そして「朗読会」とは、事件から二年後、「犯人グループの動きを探るため、元猟師小屋で録音された盗聴テープが公開された」そのテープの中に人質各人が自身の体験をつづった記録を自ら朗読したものだった。その中身は「少なくとも遺言を残すという深刻な心境ではなかったのは確かである。」 事件発生から百日以上たった頃、軍と警察の特殊部隊が強行突入したとき、犯人の仕掛けたダイナマイトの爆発によって八人全員が死亡した。 遺族の了承を得て、『人質の朗読会』というラジオ番組が八回にわたって放送された。このラジオ番組のタイトルがこの本のタイトルになっている。 人質八人は、五三歳女性(インテリアコーディネーター)、六一歳女性(調理師専門学校製菓コース教授)、四二歳男性(作家)、三四歳男性(医科大学眼科学教室講師)、四九歳男性(精密機械工場経営者)、五九歳女性(貿易会社事務員)、四五歳女性(主婦)、二八歳男性(ツアーガイド)、それに盗聴していた政府軍兵士二二歳男性(通訳により放送)の九話である。子どもの頃や若き日の体験が多い。 私たちは生涯の思い出というと、どんなことを思い浮かべ、それを文字に書き写すのだろうか。そこには忘れられない非日常な物語が展開されることだろう。ここでは、本人にとって、その後の人生において忘れがたい体験がその人なりの言葉で描かれている。それはこの作品群が、一人の小説家のフィクションとして描かれたということを忘れさせてしまい、今は亡き人たちの声がよみがえり語りかけているようだ。 実は私はこの小説と初めて出会ったのは、オーディオブックだった。就寝する前に、スマホに入れてあるオーディオブックを枕元で聴きながら眠りについた。時には物語にひきこまれて次の展開に胸をつまらせた。今回書評を書くにあたって原作を取り寄せた。薄い浅黄色の地に淡い肌色の小鹿の絵が大きく描いてある表紙カバーだった。耳から先に入ったため、「朗読会」を文字通り朗読されたものとして聴いて、私は思わず聴き入ってしまった。 第一話は、十一歳になったばかりの少女の視点で、第二話は、高校卒業後、製菓工場で働き始めたばかりの女性の視点。第三話は、私立大学の出版部で働く二八歳の青年の視点で、第四話は、私立中学一年生の男子生徒の視点。第五話は、八歳の少年の視点でこちらは「です・ます調」。第六話は、夫を亡くして十年になる四六歳の女性の視点。第七話は二十歳の女子大生の時と結婚したばかりで古いマンションに住んでいた時。第八話は大学を中退し、男性用スーツ専門店でアルバイトをしていた時で、今回のツアーガイドをしていた青年だった。第九話は、犯人の動きを盗聴していた二二歳の政府軍兵士が、七歳の時に出会った日本人昆虫学者たちと家族との話だ。なぜ人質でもなく、日本人でもないのに登場させたのか。それは彼が人質たちの息遣いをじかに聞いていたからだろう。彼は通訳によってその内容を知り、どのように朗読会が進行され、一話終わるごとにどのような拍手が起きたのか知る生き証人でもある。人質の八名を弔うにふさわしい人物と、作者は考えたのではないか。この第九話を読み終わり、読者はあらためて集団としての八名と、その個々の姿を思い浮かべることができるのだ。 | ||||
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そそるタイトルとは裏腹に、うっすら良い話だけの短編集です。 個々のエピソードに何の繋がりもありません。 逆にそこに繋がりを求めてはいけないのです。無をどうぞ。 某バンドマン兼小説家がおすすめしていたので購入しましたが、 歌詞と同じく薄いです。 | ||||
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去年、新宿紀伊国屋のおすすめ小説の棚にあった本です。その紹介タグの中で著者の「この本さえ残れば、私のほかの小説はぜんぶ廃棄されてしまってもかまわない」というようなコメントが書いてあり、「ずいぶんオーバーだな」とおもいつつも思わず買って(買わされて?)しまいました。結果は大正解でした!さすが著者がそう言うだけあってどの短編も完成度が非常に高く珠玉のような味わいを持っています。私は新宿で夜勤明けの仕事が終わるといつも「やよい軒」に立ち寄り(ローカルですみません)、朝のビールを味わいながら1章ずつ丁寧に読んでいったのですが、もうほんとに至福の時間でした!こんなにも充実した読書は久しぶりでした。別にビールを飲みながら、でなくてもいいですけど(ビールを飲みながらだと感動度が15% 増すような気がしますが)、ぜひ皆さんにも一読をおすすめしたい小説です。 | ||||
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すごく好きな本になりました。 小川洋子さんの、ちょっとメインストリームからずれたような物や人への、優しい眼差しを随所に感じて、温かい気持ちになります。 | ||||
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私は適当な人間なので、読んだけれどしばらくしたらどんな内容だったか忘れてしまう、面白かった、と漠然とした感想をもつ本も多いのですが、この本は表紙の絵をみるだけでも思い出します。 読んだあとの後味...読んでよかったです。 | ||||
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