あとは切手を、一枚貼るだけ
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大好きな堀江敏行さんの本!と思って読み始めたら、その独特の世界観に引き込まれて、一気に読み終えてしまいました。 かつて恋人同士だった男女が、高齢になって死を迎える直前になって、往復書簡を通して、お互いのかつての想いを伝え合うという切ない内容でした。 二人の出逢いは、岐阜県の飛騨山中にある素粒子ニュートリノを観測するための施設「スーパーカミオカンデ」でした。この研究施設の「超高純度」の水に浮かぶゴムボートに偶々乗り合わせたのです。 男は二度に渡る大怪我で失明し、女は自分の意思でまぶたを閉じることを決断します。暗闇の中で生きて行く二人の間で交わされる手紙の中には、架空の国42か国のために発行された「ドナルド・エヴァンスの切手」から始まって、アンネ・フランクが親友のジャクリーヌに書き残した手紙、素潜りの名人ジャック・マイヨールがクジラやイルカと同じように、水圧の高い深海で生命維持に必要な臓器に血液を集められたこと、歯医者さんの待合室に置いてあった「世にもかわいそうな動物たち」と科学の犠牲となった実験動物たちの読み物、アウシュビッツで亡くなった詩人・カツェンルソンの庭の古木の下に埋められたイディッシュ語の詩集、日本初の五つ子ちゃんの誕生秘話、渡り鳥たちの航路が何千年にも渡って伝承されてきたこと、アマゾンの奥地に住む蝶がリクガメの涙を舐めてナトリウムを摂取していること、など「目から鱗」の逸話が盛り沢山でした。 お互いに感性豊かで、興味の範囲も似通っていた二人が、なぜ悲しい別れを選択せざるを得なかったのか。そこには、男のまだ幼い姪っ子という重要な存在がありました。 | ||||
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小川洋子さんの小説、エッセイは大好きですが、この作品は小川洋子さんの「良さ」が感じられず残念でした。 | ||||
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〇 二人の男女の往復書簡という体裁をとった小説。女の書簡は小川さんが、男のは堀江さんが書いている。二人の作家の間で内容についてはほとんど相談が無かったそうだから、ずいぶんと冒険的な(あるいは実験的な)小説の書き方だと思う。 〇 さてその結果どんなものが出来上がったのだろう、と興味津々読み始めてまもなくこれは失敗作だと思った。何やら甘ったるくて、やたらに思わせぶりで、情緒的だ。一度はそう思ったのだが我慢して読んでいると、さすがにプロの作家はたいしたもので、最初の探りあいを終えると物語は方向を探り当てたらしく徐々に落ち着いてくる。 〇 物語はふたりが共有する記憶のなかに次々に浮かび上がるエピソードや印象を語ることで展開される。描き出されるのはどこか幻想的で詩的で象徴的な異界である。こうなると小川洋子さんに分がある。もともと小川さんは異界ばかりを描いてきた人だ。日常の具体的なものを手掛かり足がかりにして、ふっとそうした世界に入り込むのがいつものことだった。それはこの物語でも少しも変わらない。当たり前のように異なる世界を出入りして見せる。 〇 これに対して堀江さんはいつも正常世界に留まっていた人だ。この世の片隅にからさまざまな出来事を眺めてみたり、知識の世界に遊んでみたりしても正常な世界からはみ出すことはなかった。この作品では異界に手を届かせるために、いつもの知識と、それから比喩に頼ろうとしている。しかしながらその比喩はいかにも苦しいし、そうしたひとひねりのために対象に直接触れることができていない。困った挙句に言葉遊びをして珍奇な知識で水増ししているようにさえ見えてしまう。いかにも居心地が悪そうなのだ。 〇 プロはこんなこともできるのか、とは思った。面白い試みだったと思う。しかし出来上がったものは立派な小説だろうか? 寄席の大喜利は楽しい。しかしきちんと演じられる古典落語の味わいにはかなわない。それと同じことでわたしはよく考え意図され構成された小説を読みたいと思う。 | ||||
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作者二人に最初は期待を寄せたが、2章、3章とすすむ内に読むのが耐えられなくなった。 この気持ちの悪さの原因はなんだろうか。 いかにも物知りを気取った元カップルによる浮世離れしたやり取り。 別れた後も惹かれ合っているという設定なのだが、まったくリアリティを感じない。絵空事だ。 確かに二人の文章は凄い。到底マネできない。だが、これは売文業者が得意げに書いた作品という以上の ものではないように思う。 あまりに気持ち悪くて、途中で投げ出した。世界にも絶対相手にされない作品だろう。 | ||||
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手紙だけでやりとりする作品。 進むにつれてどんどん深くなり、その深みにはまります。 想像するに大枠だけ決めて始めたのではないでしょうか。 相手の反応を見て次の手紙を書いている気がします。 そういう意味では本当の往復書簡集です。 | ||||
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