月人壮士
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
月人壮士の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
筆力のあるかただな、と思いました。 そういう表現があるのか、と感心しました。 読みやすいので、この時代が好きなら 一読の価値があると思います。 正倉院におさめられた文物の写真を眺めながら 読むと楽しさが増します。 また、月が部首としてつく漢字に注目していくと、 さらに深読みできます。 山を冷たく照らす月。海をかき乱す月。 おもしろい作品にめぐりあえて幸せでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
海山問題をど真ん中に持ってきたか 他者との対立ではなく、己の中ので対立(葛藤)は、地味っちゃ地味だが、かなり楽しんで読んだ 頭とラストの、―海と山の伝承「螺旋」より の文が、今のトコ一番「効いてる」感じだった | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
螺旋プロジェクトも六作目に入り、いよいよ古代編。題名は「つきひとおとこ」と読む。気鋭の歴史作家澤田瞳子さんの作品。 時代は奈良時代後半、主人公は聖武天皇。歴史に名を残す有名な方だが当時の人々にとっては傍迷惑この上ない天皇。女好きで数多の王女に手を出し、5年で4回(恭仁、難波、紫香楽、平城京)もの遷都を繰り返し、天孫でありながら仏教に深く帰依したはいいが鑑真を重んじるあまり旧来の仏教勢力を蔑ろにし、バカでかい大仏を建立を思い立つ。そんな聖武天皇は果たして、「稀代の聖帝か大いなる暗愚か」どちらであったのか? その真の姿を周囲の複数人物の証言によって炙り出していこうというのが、今回の澤田瞳子さんの試み。よくある形式であるが、うまく機能しているかと言えば残念ながらNO。正直に言ってあまり面白くはなかった。 螺旋プロジェクトに関しての設定は ・天皇家が「山」族 ・藤原氏が「海」族 ・片方の目が青い審神者(さにわ)として造東大寺司長官佐伯今毛人 ・「螺旋形あるいは蝸牛形のアクセサリー」として塩焼王が作らせた巻貝の彫り物が道祖王、首(聖武天皇)、安積親王、阿部(後孝謙天皇、受け取れず)、光明氏、道鏡、藤原仲麻呂と渡っていく。ちなみに誰の命も助けた節はない。 まあざっくり言って藤原四兄弟対反藤原勢力の時代。その最たるものが長屋王変。そんなこんなで疲れ果てた海山半々の首(おびと)(聖武天皇)が天平勝宝八年五月二日に崩御したところから話は始まる。 阿倍(孝謙・称徳)の後継として皇太子に道祖王を立てるという遺詔は死の五日前に出ていたが、それを不満とする勢力が、今わの際のご遺詔がなかったかを探し回る。具体的には、橘諸兄が中臣継麻呂(清麻呂の三男)と僧道鏡の二人を使う設定。証言するのは 円方女王(まどかたのおおきみ、首の掌侍、首と宮子の思い出) 光明氏(皇后、自身の思いと遷都、安積親王の件について) 栄訓(僧、鑑真に反感)、 塩焼王(遷都の苦労、自分の凡庸を自覚し弟の道祖王に期待)、 中臣継麻呂(長屋王変の証言者)、 道鏡(自身のご遺詔の真の目的)、 佐伯今毛人(上記、片目の青い審神者)、 藤原仲麻呂(首の真のトラウマについて証言) の八人。結局誰もご遺詔などないと証言。途中でご遺詔探しを命じた当の橘諸兄も死亡。なんじゃそりゃの世界だが、その混沌の中で見えてきたことは読んでのお楽しみ。 以上、歴史好き、奈良時代ファンには楽しめる一冊だと思うが、螺旋プロジェクトの一環として手に取られただけの方にはきついと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
月人壮士(つきひとおとこ)とは、月を若い男に見立てて言うそうだ。 聖武天皇のご遺詔を確かめていく過程で、心中を明らかにしていくというストーリー。 中臣継麻呂と道鏡がご遺詔の真相を求め、聞きに回っていく。 橘諸兄、円方女王、光明子、栄訓、塩焼王、中臣継麻呂、藤原仲麻呂らに。 小説の中では、これらいずれの方々も既にこの世には存在しない形で語っているものと感じる。 藤原家と天皇家は、”海と山、月と日、陰と陽”と相容れないもの。 聖武天皇の”矛盾と対立”の葛藤が描かれている。 冒頭の”天皇家と藤原家略系図”を片手に、この小説を読み解いていく。 せつなく、哀しく。 聖武天皇時代の余韻に浸る。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
螺旋プロジェクトの流れで読みました。 血縁関係がややこしくて、最初の系図を何度も見返しました。(史実なのでしょうがない) ただ、それがこの物語のコアの部分だと思います。血に縛られた人間の苦しみ。血が故の争い。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 5件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|