カメラマン師岡弦は失踪した父親・俊一郎を追い、恋人の由芽子とスペインへ旅立った。

水産会社のフィリピン進出の尖兵となった越智は、現地で政治トラブルに巻きこまれ、危うく日本に舞い戻る。

大手建設会社の鹿谷建業では、専務派と常務派が次期社長の椅子を狙って争っていた。

小さな出版社を経営する紺野美也子は、ベストセラーをねらって大流行作家に近づき、その魅力で書下ろし小説を依頼する。

情事のもつれの果てに生じたガス爆発が多くの人の死を招いた。

人格者の父、しとやかな母、何不自由ない4人の姉たち。そんな家族の中で、私はひとり愛に無縁だった。

スペイン内戦がフランコひきいる国民軍(ナショナリスタ)の勝利によって終結した1939年4月、マドリードの日本大使館から性別も判らない黒こげ死体が発見された。

無実の罪で服役中に妻を強姦殺害され、2歳になったばかりの女児をも失った男の、凄絶な脱獄行―。

OLの理沙は、大学時代の親友二人と金沢での再会を約束して、上野から寝台特急「北陸」に乗る。

京都三十三間堂の行事「通し矢」のさなか、若い女が矢で刺殺された。その際、彼女のアラーム時計が鳴っていたという。

現代史の謎に迫る国際スパイ・ミステリー。プラハの日本大使館で明日香大使が墜死した。

オートバイと激突して相手を死に追いやった遠野は、家に逃げ帰り車を修理に出す。

歴史ミステリーの俊英が放つ新シリーズ・織田信長推理帳。

死体が四つ、転がっている。五つ目の死体を、私は待っていた―。

「忘れたくないんだ」「なにを?」「自分が男だってことをさ」「血だるまになるのがそうなのか?」「時にはな」…助けを求めて泣いている女のために、男はどこまで生命を賭けられるか。

人間の英知を集めて完成した、人工の理想の海上楽園都市“アフロディーテ”に夢を託して移住した青年・蒔田雄一を待つ試練とは何か?美少女アニタを巡る若者たちの熱い思い、権力者たちとの熾烈な闘い、雄大な陸海に展開するニュー・メカ群…。

厳寒のオホーツク海で、映画づくりに精魂をかたむけるグループを襲った無惨な死。

葵と弥生、不思議な縁の糸で結ばれた2人の孤児。そのいずれか一方が大企業の継承権を持つ娘だという。

踊り子5号を爆破する、という怪電話をうけて、当局が走行中の電車を止めたところ、車中に男の死体が…。

山口地検の赤かぶ検事・柊茂は痩せて頼りなげな男である。しかし赤かぶ検事に不可能はない。

時間が作り出し、いつか時間が流し去っていく淡い哀しみと虚しさ。

プロ野球の若きエース梶は、八百長容疑で球界から追放された。

東西の接点ベルリンに暗躍する国際スパイ・ミステリー。

強烈な太陽。薄暗い路地。

競馬界を舞台にしたミステリーの最高傑作。北海道で3億2千万円のサラブレッド「セシア」が盗まれた。

ひょんなことから社会派の超大物作家辺見圭吾の身辺を守ることになった高松圭介に血の脅迫が始まった。

妙なる楽器の音色と、血も凍る殺人劇との組み合わせ。そのアンバランスぶりが、いわゆる音楽ミステリの妙味となろうか。

東京から特急で2時間ほどの山中に山科警部の親威がオープンしたばかりのペンションに幽霊が出没、客足もすっかり途絶えているという。

大阪で私立探偵を開業する元刑事が、久々の上客にありついた。若い未亡人に同行して佐世保へ行ってほしいとの依頼。

殺害現場の天井に貼られた1枚のカード、ダイアモンドのジャック。

巨大自動車会社が、すべてを支配する東海の地方都市。

学術探険隊が生きたままのシーラカンスを捕獲したというニュースが、正月早々の中央新聞の第一面を飾った。

謎の絵師といわれた東洲斎写楽は、一体何者だったか。後世の美術史家はこの謎に没頭する。

小学校4年生が遠足の昼食時に誘拐された。女の声で、身代金5千万円を要求する脅迫電話がかかる。

名門女子学園に赴任した若い女教師はいきなり夜の池で美少女を救うことになる。

三流大学卒業見込みのおれ。

保存されていた自分のへその緒の血液型鑑定をした医者が、己の過去の謎を追って得た驚愕すべき血の運命の真相(表題作)。

エリート商社員の明月達夫が、赴任先のサンディエゴで刺殺され、国境を挾んだメキシコの町でも、商社に関係していた若い女が死体で発見された。

障害を持つ長男イーヨーとの「共生」を、イギリスの神秘主義詩人ブレイクの詩を媒介にして描いた連作短編集。

中央競馬会に脅迫状が届いた。「１０月２日、中山第１０レースの１番の馬を勝たせよ。

工藤康男は愛情薄い育ちだった。生まれて、すぐ祖母に預けられ、父親もわからず、母・紀美子は行方不明。

宇治平等院の藤棚の下で出会った男との結婚を夢みたハイミス。だが彼女の前途は決してたやすくはなかった。

宇治平等院の藤棚の下で出会った男との結婚を夢みたハイミス。だが彼女の前途は決してたやすくはなかった。

市長、警察、暴力団がグルになって市政を壟断している埼玉県相武市。

重要文化財の京都二条城大門、広島の宮島大鳥居に奇妙な落書が!しかし落書をした当人たちは、怪死していた。

マリン・ブルーに輝くハワイを舞台にハイスクール・ギャルたちをつぎつぎに襲う殺人鬼の手―謎のカギは、海賊FM放送局・ハワイ99の人気ディスクジョッキー、タミーに送られるリクエスト曲。

冒険小説最高作、遂に文庫化。弟の事故死を調べるうちに謎の勢力が行く手を阻む!格調高い海の男達のロマン。

遠沢加須子は、中部光学という夫の遺したレンズ製造会社を長野県の諏訪で経営している。

江戸の暗黒街。昼間は実直な職人や清貧の剣客が、夜闇の中では金ずくで人を殺める殺し屋に変貌する。

戦後の池袋闇市を舞台に、心やさしき「街の天使たち」の連続殺人を描く傑作ミステリー。

美しい耳の彼女と共に、星形の斑紋を背中に持っているという1頭の羊と〈鼠〉の行方を追って、北海道奥地の牧場にたどりついた僕を、恐ろしい事実が待ち受けていた。

タイプの違う美人三姉妹を突如襲った火事騒動。

不可解な心中事件から始まった連続殺人の謎に挑む、名探偵・南条圭の推理。

私立探偵が夢みた成功報酬3千万はいったい誰の手に？妻は会社を経営する夫の素行調査を探偵社に依頼した。

高校生の朝枝正吉はツーリングに出かけたまま行方不明となった。

ニューヨークの高級住宅街に住むレイノルズ夫妻の愛犬リザが、ある夜、公園で行方不明になった。

お遍路でにぎわう春の四国路。70番札所に近い菜の花畑で、遍路姿の老人が刺殺された。

地球の緑地が砂漠化されつつある！この危機を訴える美貌の気象学者エミリー・タウンゼントは、赤い国に潜入したが捕らえられ、性交用の奴隷にされた。

元国務大臣は、なぜ浮浪者になって凍死したのか？　抜群の着想が光る人気作家の異色作集。

まじめ人間にとって、恋の相手が悪かった。らつ腕のホステスだったのだ。

成田発ニューヨーク行の旅客機が、飛行中に突然炎上した。二カ月後、次々と殺人事件が起こる。

博多から、東京行の特急「さくら」に乗った警視庁の日下刑事は、深夜の洗面所で倒れている女性を発見した直後、何者かに頭を殴られた。

中華料理店で客を人質にとったライフル魔は、人質解放の条件に警官をひとりよこせと命令、大貫警部は得たりとコンビの井上刑事にその役を押しつける。

列車の隣席に坐った女は、奈緒子がマダムをする店のマッチを手にしていた。

出所して間もない手許不如意のひだるさに、島津亮彦は身なりを繕って花見客さざめく多武の山公園へ。

紡績会社の係長・仁科秋雄は、三十代で念願の分譲住宅を購入した。陽当たりのよい高台の、3LDK。

東北の牧場で、牧場長と競馬評論家・大友隆一が殺され、サラブレッドの母子、モンパレットとパステルも撃たれた。

京都、本廟寺。親鸞聖人直系で厖大な信徒数をほこるこの名刹で、時期教王の座をめぐる骨肉の争いがおこっていた。

美しい姉妹と青年との避暑地の恋の結末は？　――昭和２３年、高志は、東舞子の浜に建つ伯母の別荘で、ひと夏を過すことになった。

義経は、平泉で討たれたのではない。頼朝の追捕の手を逃れ、ひそかに北へと脱出していた……。

銀座で洋装店を経営する美しい叔母は、倉田麻佐子の自慢だった。

叔母の周りの人々が次々と殺されていく……しかも、その土地が松尾芭蕉の『おくのほそ道』に由来している。

警視庁捜査一課の迷惑男・大貫警部がもたらした驚くべき連続殺人事件の情報。

取材で訪ねた秘境・鬼家荘（くがのしょう）。

マンモス・タンカーの爆破中止と引きかえに100万ドルを要求する脅迫電話が新太平洋石油にかけられた。

前橋病院の一人娘で清純な心を持つ香保里が、人生の落伍者である青年に誘拐され、家族は身代金を求められる。

気鋭の民族学者若杉は、勤め先の大学の実力者大河内から、南の島にこもって家に戻らぬ愛娘を連れ戻しに行ってくれと依頼される。