修道士の首
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名探偵織田信長であります。 科学捜査など存在しない戦国乱世、「この世には神もなければ悪魔もない。来世もなければ現世もない。あるのは今日只今の己のみ」「すべてはまやかし。まやかしにはタネというものがある」と謳い、不可解な事件に合理的解決を求める信長のキャラクターが、いかにもといった感じでにやり。 いずれも短めなので、それほど凝った事件はありませんが、展開はテンポよく、信長の探偵趣味が楽しめます。推理小説、時代小説の両方のビギナー向けの、気軽な読み物というところ。 難をいえばどの事件も背景が対織田の謀略がらみということで、やや安直な印象も。それにしてもキリシタンの皆さん、敵対勢力の間者、内通者が呆れるほど多くて、戦乱の異国なのに危機管理がなっておりません! | ||||
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収録作は目次の順に、以下の7篇。 「修道士の首」「二つ玉の男」「六点鐘は二度鳴る」「王者の罪業」「身中の虫」「不動明王の剣」「裁かれたアドニス」 いずれも昭和56年から58年にかけて書かれ、親本のノベルズ版は昭和58年(1983年)に刊行された。 1983年と言えば、まだ島田荘司の最新作は『死体が飲んだ水』であり、『寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁』で吉敷刑事が登場する直前の時期に当たる。 『十角館の殺人』をきっかけに「新本格ムーブメント」が起こるのは、1987年になってからだ。 そうした時期に書かれた作品だけに、推理小説としては極めて単純。 なにぶん時代小説であるため鑑識捜査も無ければ、文明の利器も少ない。 となれば、この事件はこんなトリックであろうと、読者の側も簡単に思いつく。 かと言って、特に斬新な織田信長像を提示しているわけでもない。 たとえば新田次郎が気象学者の目で信長像を描いた「梅雨将軍信長」などは、今日読んでも意表を衝かれる設定だが、そうした驚きは全く無い。 まさに「探偵役が織田信長で、こういうトリックだとすれば、こんな展開だろう」と予想した通りの展開なのだ。 遠慮の無い言い方をすれば、収録作の多くが、後の綾辻行人ら当時の京都大学推理小説研究会の学生が「こんなものなら俺でも書ける」と思ったであろうレベルにとどまっている。 今となっては微笑ましいと言うべきか、当時はこの程度でも商業誌に掲載され、刊行されていたのだと苦笑せざるを得ない。 なお、本書は『本格ミステリ・フラッシュバック』で千街晶之が高く評価しているのだが…。 おそらく推理小説しか読んだ事が無いので、時代小説の評価は出来ないのだろう。 | ||||
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