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修道士の首



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修道士の首の評価: 2.00/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

推理小説、時代小説の両方のビギナー向け

名探偵織田信長であります。
科学捜査など存在しない戦国乱世、「この世には神もなければ悪魔もない。来世もなければ現世もない。あるのは今日只今の己のみ」「すべてはまやかし。まやかしにはタネというものがある」と謳い、不可解な事件に合理的解決を求める信長のキャラクターが、いかにもといった感じでにやり。
いずれも短めなので、それほど凝った事件はありませんが、展開はテンポよく、信長の探偵趣味が楽しめます。推理小説、時代小説の両方のビギナー向けの、気軽な読み物というところ。
難をいえばどの事件も背景が対織田の謀略がらみということで、やや安直な印象も。それにしてもキリシタンの皆さん、敵対勢力の間者、内通者が呆れるほど多くて、戦乱の異国なのに危機管理がなっておりません!
修道士の首 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:修道士の首 (講談社ノベルス)より
4061810871
No.1:
(1pt)

現在の水準では同人誌のレベル

収録作は目次の順に、以下の7篇。
「修道士の首」「二つ玉の男」「六点鐘は二度鳴る」「王者の罪業」「身中の虫」「不動明王の剣」「裁かれたアドニス」
いずれも昭和56年から58年にかけて書かれ、親本のノベルズ版は昭和58年(1983年)に刊行された。
1983年と言えば、まだ島田荘司の最新作は『死体が飲んだ水』であり、『寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁』で吉敷刑事が登場する直前の時期に当たる。
『十角館の殺人』をきっかけに「新本格ムーブメント」が起こるのは、1987年になってからだ。
そうした時期に書かれた作品だけに、推理小説としては極めて単純。
なにぶん時代小説であるため鑑識捜査も無ければ、文明の利器も少ない。
となれば、この事件はこんなトリックであろうと、読者の側も簡単に思いつく。
かと言って、特に斬新な織田信長像を提示しているわけでもない。
たとえば新田次郎が気象学者の目で信長像を描いた「梅雨将軍信長」などは、今日読んでも意表を衝かれる設定だが、そうした驚きは全く無い。
まさに「探偵役が織田信長で、こういうトリックだとすれば、こんな展開だろう」と予想した通りの展開なのだ。
遠慮の無い言い方をすれば、収録作の多くが、後の綾辻行人ら当時の京都大学推理小説研究会の学生が「こんなものなら俺でも書ける」と思ったであろうレベルにとどまっている。
今となっては微笑ましいと言うべきか、当時はこの程度でも商業誌に掲載され、刊行されていたのだと苦笑せざるを得ない。
なお、本書は『本格ミステリ・フラッシュバック』で千街晶之が高く評価しているのだが…。
おそらく推理小説しか読んだ事が無いので、時代小説の評価は出来ないのだろう。
修道士の首 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:修道士の首 (講談社ノベルス)より
4061810871

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